ヒト・モノ・コト。日常のあれこれが交差する食堂「ウチノ食堂」。
食べる
2019.12.09
誰でも気軽に行ける。そんな場所が食堂なんだ。
JR内野駅からすぐ。「内野商店街で買える食材」にこだわる食堂があります。その名も「ウチノ食堂」。しかも食事を楽しむだけではありません。古本やZINEが並んでいたり、たくさんの笑顔や会話だって溢れています。今回はオーナーの野呂さんから、「ウチノ食堂」のほっこりとするお話を聞いて来ました。

ウチノ食堂
野呂 巧 Takumi Noro
1988年新潟市生まれ。東海大学文学部卒後、東南アジアなどの海外を巡る。新潟市内にあるゲストハウスの立ち上げ参加を機に新潟へUターン。2017年「ウチノ食堂」オープン。
野呂さんが目指した食堂のカタチは、発見のある場所。
――今日はよろしくお願いします。「ウチノ食堂」はどんなお店ですか?
野呂さん:ヒト・モノ・コトが交差する日常がある場所。それが「ウチノ食堂」です。定食を食べたり、古本を探したり、出会いや発見だってあります。
――食堂なのに、古本もあるんですか?
野呂さん:そうなんです。古本屋さんの店主など5名の本好きが、アートや絵本、文学をはじめ、いろいろなジャンルの本をセレクトしています。あとは、ZINE(ジン)も取り扱っているんですよ。
――ZINE? お酒のジンですか?
野呂さん:いいえ(笑)。ZINEは、自由なテーマで個人が作った写真集や物語、イラスト集のことです。はじめは友人が制作したZINEを置いていたんですけど、それを読んで興味を持ったお客さんも作りはじめて、今ではひとつのコーナーになっています。

――なるほど。面白いですね。ひとつのお店でいろいろな楽しみ方がありますね。
野呂さん:食事をしたり、会話をしたり、食堂の解釈はそれぞれ違うと思います。だからこそ「ウチノ食堂」では、食事をキッカケに集まる人がいて、その人たちがいろいろな使い方をしてくれたらいいなって思っています。
――新しい食堂のカタチですね。ちなみにどんな食事メニューがありますか?
野呂さん:「食堂=定食」。このイメージが強いから、メインは自分が食べたい物をチョイスした「イツモの定食」とカレーが2種類。お持ち帰りの惣菜、ドリンクメニューもあります。

「イツモの定食」は、内野商店街にある日常。
――「イツモの定食」はどんな内容ですか?
野呂さん:基本は週替わり。メニュー内容はとんかつ、唐揚げといった定番からエスニックなものまで。イベントではスペイン料理も登場します。でも、使う食材は内野商店街で買えるものばかりなんですよ。
――へ〜そうなんですね。例えばどんな食材が?
野呂さん:まずはお米。近くの米屋さんにお米を精米してもらっています。あとは豆腐屋さんがあったり、味噌と醤油の醸造所があったり、この商店街ではなんでも揃うんです。特別じゃなくて日常の、商店街にある食材を使う。これが「ウチノ食堂」の定食です。

――なんか、ほっこりする定食ですね。ちなみにエスニックなメニューを提供しているのは、どうしてですか?
野呂さん:大学時代に長期研修で訪れた国を含めて、東南アジアなど15ヶ国を訪れました。旅先でスパイス料理を食べる機会が多くて、その影響があります。でもそんな料理を提供するときでも、主菜、副菜、味噌汁、漬物、ご飯…といった定食のスタイルは崩しません。でないと定食じゃないですからね(笑)
――ちなみに今週の「イツモの定食」は、どんなメニューですか?
野呂さん:先週、友人宅でThai-POP(タイポップ)を聴いたから、今週はタイの屋台をイメージ。ナンプラーと生姜、ナッツを甘辛く焦がして鶏肉と野菜に合わせた主菜にしました。そして副菜は、商店街の豆腐屋さんの自慢の豆腐を使った揚げ出し豆腐。あとはご飯、味噌汁、漬物…ご覧の通りです。どうぞ食べてみてください。


内野に「ウチノ食堂」がある理由。
――ご馳走様でした。それではインタビューを再開しましょう。どうしてお店の場所は中心地ではなくて、内野を選んだんですか?
野呂さん:Uターンで新潟に戻って、あるゲストハウスの立ち上げに関わりました。その時、商店街に町や人の繋がりが見えて、コンパクトだけど連携があるんだなって感じたんです。それから出会ったのが、200年以上続いた魚屋さんの跡地。そして「どんなお店をはじめようかな」って模索する若者をすんなりと受け入れてくれる人たち。それが僕の生まれ育った内野町だったんです。
――内野町だからそこ「ウチノ食堂」なんですね。
野呂さん:若い人から年配の方まで、幅広い人たちが「ウチノ食堂」を利用してくれるので、この場所ならではのコミュニティもあります。まだまだお店の歴史は浅いけど、自然と会話が生まれる商店街の食堂になれるように、これからもヒト・モノ・コトが交差する日常が生まれる場所であり続けたいですね。
――何十年もある食堂ではないけれど、ちゃんと地域に根付いた食堂に、ですね。
野呂さん:内野町が今のカタチになったのは200年も昔。酒蔵、料亭、米屋さんに豆腐屋さんも内野町にずっとありました。ここにあった魚屋さんだってそうです。時代の流れで閉めてしまうお店もあるけれど、内野商店街の一部としてみなさんの日常になれたら嬉しいですね。

「ウチノ食堂」で食べたい、ほっこりメニューたち。


Spice milk tea 450円
ウチノ食堂
新潟県新潟市西区内野町1053-1
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