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十日町名物のへぎ蕎麦を三条で提供する「へぎ蕎麦処 むろしま」。

新潟県を代表するご当地グルメのひとつ、十日町名物の「へぎ蕎麦」。木の板を剥いで敷いた「へぎ」と呼ばれる四角い容器の上に、布海苔(ふのり)という海藻をつなぎに使った蕎麦を、ひと口大に丸めて盛り付けたものです。布海苔を使うことでコシの強さやツルツルした喉越しが楽しめます。糸に撚りをかけるために使っていた布海苔を蕎麦のつなぎに使うというのは、織物の産地・十日町ならではの発想といえますね。今回は三条でへぎ蕎麦を提供している「へぎ蕎麦処 むろしま」の川崎さんにお話を聞いてきました。

 

 

へぎ蕎麦処 むろしま

川崎 進一 Shinichi Kawasaki

1971年十日町市生まれ。東京の大学を卒業し、新潟に戻って三条の企業に入社。その後はへぎ蕎麦の有名店で21年間にわたり経験を積み、2018年に「へぎ蕎麦処 むろしま」をオープン。休日は目的地を決めずにドライブすることが多い。

 

経験を積み、身体でおぼえた蕎麦づくり。

——川崎さんは何年くらい蕎麦職人をやってこられたんですか?

川崎さん:「へぎ蕎麦処 むろしま」を開業してから今年の3月で6年が経ちます。独立する前はへぎ蕎麦の有名店で21年間働いていたので、30年近くへぎ蕎麦を作り続けてきたことになりますね。

 

——へぎ蕎麦のお店で働こうと思ったいきさつは?

川崎さん:最初は美容業の営業をやっていたんだけど自分には合わなかったので、次は飲食業をやってみようと思ったんです。そのなかでへぎ蕎麦の店を選んだのは、私が生まれた十日町発祥のへぎ蕎麦に親近感を覚えたからなんですよ(笑)

 

 

——川崎さんにとっては、へぎ蕎麦が身近なものだったんですね。蕎麦づくりの仕事はおぼえるまで大変でした?

川崎さん:最初はおぼえることに必死で、大変とか楽しいとかは何も考えられなかったですね。とにかく目の前にある仕事を一生懸命にやるだけでした。頭でおぼえるより身体でおぼえるという世界でしたから、回数をたくさんこなしました。

 

——経験を積むことが大事なんですね。

川崎さん:蕎麦づくりだけじゃなくて、店長を任せてもらったときには、メニュー、味、サービス、スタッフ……いろいろなことを管理する経験もさせてもらいました。そうした経験が独立して店をやることに生かされたと思います。

 

 

——「いつか独立して自分で店をはじめたい」というのは、ずっと抱いていた夢だったんでしょうか?

川崎さん:そうですね。でも本格的にその思いが強くなったのは、独立の3年前からだったと思います。付き合いのあった業者さんにお願いして、物件の情報を教えてもらいました。その際に提示した条件は、新潟から長岡までのエリアで、ひとりでお店を回せるサイズ感。それから居抜きで使える物件ということでした。

 

——それでこの物件を見つけたんですね。「むろしま」っていう店名には、どんな由来があるんですか?

川崎さん:十日町にある「室島(むろじま)」という土地が僕の生まれたところなんです。自分の原点を忘れないように「むろじま」という店名にしようと思ったんですけど、内装業者さんから濁点は入れない方がいいというアドバイスをいただいたので「むろしま」にしました。

 

——濁音がなくなったことで響きが柔らかくなって、親しみやすいですね。開店の準備は大変でしたか?

川崎さん:前の職場を退職したのが開店予定日の2週間前になってしまったので、まったく時間がない状態での開店となってしまいました。でも時間があればいろいろと考え過ぎてしまうので、時間がなくてよかったかもしれませんね(笑)

 

新潟グルメを代表する「へぎ蕎麦」を作るプレッシャー。

——でもやっぱり時間がないと開店するのは大変だったんじゃないですか?

川崎さん:とりあえずできる範囲ではじめようと思ったので、最初はメニューもへぎそばと天ざるしかありませんでした。

 

——今ではメニューも豊富ですね。「コロッケそば」なんていうメニューまであるんですか(笑)

川崎さん:それはお客様のリクエストから生まれたメニューなんです。試しに作ってみたら美味しかったので、メニューに入れることにしました。食事だけではなくお酒を飲みに来るお客様も多いので一品料理も揃えています。

 

 

——お客さんのリクエストがメニューに採用されちゃうんですね(笑)

川崎さん:今まで働いてきた店と比べたら小さな店ですので、お客様との距離がグッと近づきましたね。

 

——こちらのお店では、どんなところにこだわってへぎ蕎麦を作っているんでしょうか?

川崎さん:蕎麦粉は小千谷産の蕎麦をメインに県産蕎麦をブレンドしたものを使っていて、お子様からお年寄りまで誰でも食べやすいよう細めの麺にしているんです。つゆは蕎麦の味を邪魔しないように魚の風味を抑えて、うま味を残しつつすっきりした味わいにしてあります。

 

 

——「へぎ蕎麦」といえば新潟グルメのひとつになっていますよね。県外のお客さんも食べに来たりするんですか?

川崎さん:「へぎ蕎麦」を食べに来る県外のお客様も増えてきました。おっしゃる通り新潟を代表するグルメですから、食べたお客様から「へぎ蕎麦ってこんなもんか」なんてがっかりされないように、プレッシャーを感じながら作っています(笑)

 

——「へぎ蕎麦」というブランドの看板を背負っているわけですね。他にもお店をやる上で心掛けていることはありますか?

川崎さん:誰でもお腹一杯になったり美味しいものを食べたりすると、幸せな気持ちになるじゃないですか。そんな身近な幸せを感じてもらえるような店でありたいと思っています。お蕎麦を食べたお客様が、ニコニコした笑顔で帰っていってくれたら嬉しいですね。

 

 

 

へぎ蕎麦処 むろしま

三条市仲之町2-13

0256-64-8378

11:00-14:00/17:00-23:00

木曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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