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生産者の想いを大切に、そこにしかないものにこだわる「CODA」。

新潟市西区の小針にある「CODA」は、ちょっとお洒落をしてカジュアルな雰囲気で楽しみたいイタリア料理店。毎日、身近にある食材や旬の野菜、収穫量などを考慮してその日のメニュー作りをしているそうです。今日はオーナーの長野さんに、生産者への想いを大切にした食材選び、料理に対する考え方など、いろいろとお話を聞かせていただきました。

 

CODA

長野 哲也 Tetsuya Nagano

1978年千葉県浦安市生まれ。5代続く老舗仕出し屋の長男として生まれる。浦安と東京のイタリア料理店で9年間勤務したのち、新潟に拠点を移す。新潟のレストランで5年間働き料理長を経験。2016年に「CODA」をオープン。

 

実家は老舗の仕出し屋、選んだのはイタリア料理。

 

――長野さんはどちらでイタリア料理を学ばれたんですか?

長野さん:僕は生まれが千葉県浦安市なので、地元の浦安、東京での修行が長いですね。高校を卒業してから1年半、新宿にある夜間の料理専門学校に実家から通っていました。昼間は実家の近くにあるイタリア料理店でバイトして。それでそのままその店に就職して3年間働きました。その後は、そこで出会った先輩が独立して東京にイタリア料理のお店出すことになったので、その新しいお店で5年間働かせてもらいました。

 

――イタリア料理を選んだ理由は何かあるんですか?

長野さん:僕の実家は仕出し屋をやっていて、物心ついた頃からいつか独立するんだろうなって気ではいたんです。小さい頃から実家を継ぐように言われていたんですけど、反抗期って感じですかね? 「仕出しとは全然違う洋食をやるんだ!」って思って(笑)。イタリア料理を選んだのは、料理もですけど、食卓にワインのある風景が好きだったんです。なのでワインは想い入れのあるものを仕入れてお出ししています。

 

新潟の食材で料理をすることへの憧れ

――千葉で生まれて東京で働いて……新潟でお店を出すことにしたのはなぜですか?

長野さん:修行時代のレストランでたまたま新潟の食材を使っていたんです。新潟出身の妻とは専門学校時代に出会ったんですけど、「新潟っていいものがあるんだね」って話したら、妻が「幼い頃に通学路の途中に桃畑があって、時期になると桃の香りがしてそれがすごく好きだった」って話を教えてくれて、僕は逆に下町育ちだったからそういうのが羨ましく感じたりしていたんです。そういうこともあって、「新潟っていいところ」って印象のまま、結婚を期に新潟を選んだ感じです。

 

――奥様の影響があったんですね。

長野さん:あとは東京にいれば全国からいろんな食材が集まってきますよね。でもそれって逆に見落としてしまっている食材もいっぱいあるんじゃないかって思ったんです。地方に行ったら違う発見ができるんじゃないかって。地方でその土地の食材を使って料理したいと思うようになりました。例えば、新潟のカレイって美味しいんですよ。東京だと泥くさいイメージがあったんですけど。こっちに来て知って、美味しいなって思ったものを食材として使える喜びを感じながらやっています。

 

毎日、その日の食材に合わせたメニュー作りを。

――今はどのようなメニューで営業しているんですか?

長野さん:特定の食材を決めないようにしています。なので、メニューは日替わりですね。例えば、その日に自分が見に行った食材だったり、農家さんが持ってきてくれた食材を使う。そういうことを大切にして、食材からメニューを考えています。自分からもちょくちょく農家さんに会いに行ったり、今の時期なら何が美味しいとか畑の状況を聞きながら、逆にこっちからもこういったのを育ててほしいとか話しながら。食材を作った人の想いだったり、人となりを知っているからこそ、僕も妥協せずに料理に打ち込むことができるんです。

 

――新潟に来るにあたって、事前に準備とかはしていたんですか?

長野さん:新潟に来ていきなり独立は難しいと思っていたので、新潟のレストランで働かせてもらいました。5年くらい働いて料理長もやらせてもらいました。そのレストランは地産地消にこだわっていたので、新潟の食材をいろいろ教えてもらいながら仕事ができました。

 

 

――じゃあ、そのお店で働いて手応えをつかんでから独立を決めたんですね。

長野さん:そうですね。タイミングとしては、実家から「仕出し屋を閉めようと思うんだけど帰ってくるか?」って言われたんです。でもそれは断りました。僕が独立してお店を始めることで、稼業を継ぐというか、5代続いてきた仕出し屋の魂は継げるんじゃないかと思ったんです。反抗的だったときもありましたけど、代々続いていた仕出し屋だったので、そこはつないでいきたいと思って独立を決めた感じです。

 

身近にある食材を使った、ワインのある食卓の風景

――CODAさんのコンセプトは?

長野さん:地元の食材を使いながら、食卓にワインのある風景。そういう雰囲気を大切にしています。ワインがあって、会話をしながら楽しく食べよう、みたいな雰囲気って素敵ですよね。あと、うちはコースではなくアラカルトでやっているので、高級店にドレス着て行くような感じじゃなくて、ちょっとおしゃれして気軽に行けるカジュアルなお店にしたいなと。

 

――ワインもひとつのキーなんですね。

長野さん:ワインはアルバイト時代に出会って、こんな世界があるのか……と思いましたね。ワインを飲んでいるお客さんって楽しそうで。でもワインも結局、人が作ったもの、ってところにたどりつくんですよ。どんなワインかということよりも、どんな人が作ったワインなのかってとこに魅かれるんです。もちろん味もですけど。ここに置いてあるのも、そんな背景を知って好きになった生産者さんのものを50種類くらいそろえています。

 

 

――何か一本紹介してもらえませんか?

長野さん:どの生産者さんのものも好きなんですけど……、このワイン作っている人なんかは、もともとは保険業をやっていた人で、全然違う業界からワインを作り始めたんです。保険業で成功して自分の主催するワイン会とかを開いたりして、ナチュラルワインに魅かれていったんですね。それで自分でもワインづくりの世界に飛び込んじゃった、っていう。他の生産者さんなんかは、ブドウの出来が悪いときは、ワインにしないでお酢屋さんに売っちゃったり(笑)。その年の状況を受け入れながらやっていくっていうスタイルですね。流行に流されず、個性を誇りに作ってる、そんなストーリーのあるワインが好きなんです。

 

――メニューはその日の食材によって日替わりで、というお話でしたけど、どうやって考えてるんですか?

長野さん:基本的には農家さんが持ってきてもらったものとか、直売所で見て状態が良いもの、時期的なものを見てから考える感じですね。食材の種類もですけど、毎年、野菜ごとに爆発的に採れるタイミングがあるんですよ。それはどうしても収穫はしないといけないんですね。僕としては、それを無駄にしたくないので、一つの食材で色々なメニューや加工を考えて、長く旬の味を楽しんでもらえるようにしています。

 

――農家さんからしたらとてもありがたいことですね。

長野さん:「ゆず」がいっぱいとれたときはジャムにしたり、そしたらそこからまた一品思いついたり。一応、定番メニューは、プッタネスカスパゲッティと1品、2品、という感じです。あとのほとんどは、食材から考えた日替わりメニューになりますね。

 

――今後の目標はなんですか?

長野さん:僕がワインを好きになったのは、その人、その年、その場所でしかできないものだからなんです。それを同じように自分の料理でも、食材やその環境を受け入れて仕事をしていく、みたいなのが、僕の個性というかテーマになると思っています。将来的には、どこにでもありそうなお店なんだけど、唯一無二な存在になれればいいなぁと思っていますね。

 

 

CODA

〒950-2022 新潟県新潟市西区小針8-4-5

TEL 025-378-0721

火~日曜日 ランチ11:30~14:00 ディナー18:00~21:00

定休日 月曜日・第3火曜日

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