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店主が釣った旬の魚をお惣菜として楽しめる「ヴィットーリア デリ」。

中央区南浜通にあるお惣菜専門店「ヴィットーリア デリ」。オーナーが釣った旬の魚を使ったカルパッチョやフライなど、日々の食卓にぴったりなお惣菜が揃うお店です。店舗の営業をしながら、多いときには週に4日も釣りに出かけるという店主の深井さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

ヴィットーリア デリ

深井 智佳子 Chikako Fukai

東京都生まれ。結婚を機に25歳で新潟に転居し、南浜通でブライダルドレスショップ「ホワイトベリーズ」を経営。7年前から釣りをはじめ、趣味が高じて2022年10月に「ヴィットーリア デリ」をオープン。

 

釣り歴7年の腕を生かして釣った、鮮度抜群のお魚と季節野菜が味の決め手。

——「ヴィットーリア デリ」さんは去年の10月にオープンされたんですね。

深井さん:以前はこの場所で「ホワイトベリーズ」というブライダルドレスショップを営んでいました。お店を閉めてからは、息子がやっている「PIZZERIA DA VITTORIA」(ピッツェリア ダ ヴィットーリア)のバックヤードとしてここを使っていたんです。でもコロナ禍となって飲食店も大変だし、お家賃を払っているのがもったいなくなっちゃって。それで趣味の釣りを生かして、お魚料理を中心としたお惣菜のお店をはじめました。自分でも船を持っているし、せっかくだから釣ったお魚を皆さんに美味しく食べてもらいたくて。

 

——お惣菜には、深井さんが実際に釣ったお魚が使われているんですね。

深井さん: それがお店のいちばんのこだわりかな。魚が足りないときには信頼している漁師さんに頼んだり、どうしても困ったら市場で買って来たりするときもありますけどね。ちなみに釣りに行くのは週に2、3回。多いときは4回行くかしら。昨日は夕方から夜中まで海に出ていました(笑)

 

 

——釣りたてのお魚、美味しいんでしょうね。

深井さん:少し置くと甘みが増して美味しくなるアラみたいな魚もあるんですよ。でもなんといっても鮮度が肝心。ちゃんとした処理と管理をしたお魚が本当に美味しいって、釣りをはじめてよく分かりました。季節ごとに釣れるお魚が変わるから、釣るのも調理をするのも楽しいですよ。

 

——メニューの一例を教えてください。

深井さん:カルパッチョは年間を通じて用意しています。あとは旬のお魚とその季節のお野菜を合わせたお惣菜を用意しています。冬は絹乙女と真鱈を合わせたメニューを出したし、今は春キャベツと真鱈にスパイスとチーズを加えたロールキャベツがありますよ。

 

——魚も野菜も旬なものを楽しめるんですね。

深井さん:魚のお惣菜だけじゃなくて、手作りのドルチェや焼き菓子もありますよ。お友達が育てているフルーツをドライにして洋酒に漬けたものと、たくさんのスパイスを使って作る「ベラベッカ」も評判がいいですね。

 

適切な魚の処理と自家製調味料が「ヴィットーリア デリ」の味を支える。

——深井さんが釣りをはじめたのには、何かきっかけがあるんですか?

深井さん:もともと旅行が大好きだったんですけど、母が体調を崩してからはそんなに遠くには出かけられなくて。そんな中で、すぐに帰って来られて楽しめる趣味が釣りでした。もしかしたら渓流釣りが好きだった父親の影響もあったのかも。

 

——お仲間ではじめたんですか?

深井さん:いえいえ、ひとりです。今では仲間もたくさんいますけど、ひとりで行く方が集中できるし、釣れる確率が高い気がします。「短気な人が釣りにハマる」ってよく言いますが、その通りかもしれませんね。釣れなくても面白いし、待つ時間も鍛錬になるんです。

 

——釣れないことも?

深井さん:たまにはありますね。あとはお目当ての魚が釣れなくてアジだけ釣れる日もあるし。私は目当ての魚しか釣りたくなくて、お土産はいらないんです。けっこう男前な釣りをしますよ(笑)

 

 

——近海に行かれることが多いんでしょうか?

深井さん:普段は新潟の海に行くことが多いですね。佐渡の向こう側にもよく行きます。新潟でもマグロが獲れるんですけど、ほとんどが東京の高級料亭に行っちゃうんですよ。だから自分でマグロが釣れるとすごく嬉しいの。釣ったマグロは美味しさが全然違ってね。いろいろ工夫して処理をして、旨味を閉じ込めたまま保存しています。

 

——正しい保存がされているのも美味しさの秘密ですね。

深井さん:もうひとつ美味しさの秘密があって、調理に使うアンチョビや魚醤、豆板醤、ネギ油、XO醬などは手作りなんです。小さい頃から我が家は、削った鰹節と昆布で出汁を取る家庭でした。それが当たり前だったから、市販の調味料じゃ満足できなくて。

 

食事作りが面倒なとき、「もう一品」が欲しいときに思い出して欲しい。

——オープンしてからの反響はいかがですか?

深井さん:店内の写真を見て「女の人が釣っているの?」ってびっくりされます(笑)。この辺りはご高齢の方も多いですし、ご飯を作るのが面倒なときだとか、もう一品欲しいなってときに「ヴィットーリア デリ」を思い出してもらいたいですね。

 

——お店をはじめる前からメニューのアイディアはあったんですか?

深井さん:料理は嫌いではないので、亡くなった母が「こういうの作っていたな」なんて思い出したり、息子にヒントをもらったりしてメニューを考えました。できるだけ和洋中さまざまな味を用意したいと思っています。

 

 

——構想中の新メニューはあるんでしょうか。

深井さん:点心のお師匠のところに勉強に行ったくらい点心が大好きなので、いつかお店で出したいと思っています。女池菜を入れた肉まん、すごく美味しいですよ。

 

 

 

ヴィットーリア デリ

新潟市中央区南浜通1-372-13

TEL:070-4118-8850

水曜~土曜日(祝祭日休み) 営業時間:11:30~18:00

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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