「新潟」と聞くと真っ先に「日本酒」を思い浮かべる県外の方も多いようですが、皆さんはいかがでしょうか。新潟は地酒をメインにしている酒屋さんも多いですよね。そんな中でウイスキーの量り売りをはじめたのが、三条市にある「横山酒店(よこやまさけてん)」です。店長の横山さんを訪ね、ウイスキーがびっしりと並ぶ店内でお話を聞いてきました。
株式会社 横山酒店
横山 晴也 Seiya Yokoyama
1989年三条市生まれ。ビジネス専門学校卒業後に自動車部品の営業を10年間経験し、2019年より家業の「株式会社横山酒店」に就業。現在は店長として店を任されている。趣味は映画やドラマを観ることで、お気に入りは「アベンジャーズ」や「ハリーポッター」シリーズ。
——今日はよろしくお願いします。
横山さん:こちらこそ、よろしくお願いします。今日は社長が不在なので、店長の私が対応させていただきます。
——ありがとうございます。早速ですけど、店内がウイスキーの博物館みたいですね(笑)
横山さん:全部で450種類以上あります。真ん中の棚がボトル売りで、周りはすべて量り売りのウイスキーになっているんです。もちろん、ウイスキー以外のお酒も扱っていますので、お気軽にご相談いただきたいと思います。
——「横山酒店」は、いつ頃開業したお店なんでしょうか?
横山さん:詳しくはわからないんですけど祖母が開業したお店で、現在は二代目の父が経営しています。
——横山さんは最初からお店を継ごうと思っていたんですか?
横山さん:店を継ぐことは考えていなかったので、専門学校を卒業してからは自動車部品の営業をやっていました。でも10年間働いた頃に改めて自分の将来を考えたとき、今まで続いてきた「横山酒店」を絶やすのはもったいないと思ったので、手伝うことにしたんです。
——そうだったんですね。お店でウイスキーの扱いをはじめたのは、どういう理由からだったんでしょうか?
横山さん:スーパーやコンビニがたくさんできた影響で小売の需要が減ってきたので、父の代からは宴会場や飲食店への卸売りが主流になっていきました。でも、今度はコロナ禍の影響で宴会場や飲食店からの注文が激減することになったんです。そこで再び店舗販売にも力を入れようと、ウイスキーの量り売りをはじめました。
——どうして数あるお酒のなかから、ウイスキーを選んだんでしょう?
横山さん:米どころの新潟には日本酒を扱う酒屋が多かったので、差別化を図って父の好きだったウイスキーをメインにすることにしたんです。
——量り売りしようと思ったのは、どうしてなんですか?
横山さん:品薄で希少なお酒でも、量り売りにすることでより多くのお客様に味わってもらえるからです。高級でボトル1本買うにはハードルが高くても、量り売りなら気軽に楽しんでもらえますよね。
——確かに気軽に楽しめますね。
横山さん:あと気になるお酒があっても、味もわからずにボトルで買うのは勇気が必要だと思うんです。そんなときでも量り売りを利用することで、テイスティングができるんですよ。気に入ったらぜひボトルで買っていただければと思います(笑)
——いろいろなメリットがあるわけですね。では、どんなふうに買ったらいいんでしょうか?
横山さん:まず量り売り用の小瓶を購入していただきます。もちろん、ご用意いただいた瓶をお持ちいただいても結構です。注文の最小単位がシングルの30mlからになりますので、60ml、90mlとご希望の量をお伝えください。
——お酒によって値段も様々ですね。量り売りをはじめてみて反応はいかがですか?
横山さん:お店に来てくださるお客様の数が倍以上に増えましたね。今までは近所の方が缶ビールを買いに寄るくらいだったんですけど、最近では県外から足を運んでくださる方までいるんです。
——遠くから来る方のなかには、マニアックなウイスキーファンも多そうですね。
横山さん:私より詳しい方も多いので、負けないように勉強しています(笑)。新商品や限定商品の情報はもちろん、人気が出そうなウイスキーには敏感にアンテナを張っていないと、手に入らなくなってしまうこともあるんですよ。
——ちなみに、どんなところで情報を得るんでしょうか?
横山さん:主にインターネットからの情報が多いです。特にウイスキーの紹介をしているYouTubeチャンネルは影響が大きいので、よくチェックするようにしています。それまで人気のなかったウイスキーが、紹介された途端に市場から無くなることも多いんです(笑)。当店にもYouTubeで紹介されていたウイスキーを探しに来るお客様がいますよ。
——オススメのウイスキーがあったら教えてください。
横山さん:う〜ん……とはいっても、みんな味が違うから好みも人それぞれなんですよね……。私の個人的な好みだけでお答えするなら、スコットランドのアイラ島にあるアードベッグ蒸留所でつくられたスコッチ・ウイスキーです。クセが強いんですけど、クセになる味なんですよ。
——クセがクセになるんですね(笑)。それにしても、そんなに味の違いがあるんですか?
横山さん:結構わかりやすく味が分かれているんじゃないでしょうか。だからいろいろなウイスキーを飲み比べて、違いを楽しむマニアックな方も多いんでしょうね。
——飲み方でも味が変わってくるでしょうし、なかなか奥深いものなんですね。
横山さん:ウイスキー通はストレートで飲む人が多いようですが、私は冷たい方が好きなので、氷を入れたロックで楽しんでいます。寒い季節にはホットウイスキーもオススメですし、最近の若い人達は炭酸で割ったハイボールをカジュアルに楽しんでいるようです。
——最後に、読んでいる方へひと言お願いします。
横山さん:若い人のなかにはコンビニやスーパーでしかお酒を買ったことがなくて、酒屋に入ったことがない方も多いんです。でも、そんなに敷居が高いわけではありませんし、いろいろ相談にも乗らせていただきますので、気軽にお越しいただきたいですね。
株式会社 横山酒店
三条市東裏館2-4-12
0256-32-6245
10:00-18:30(土曜は17:00まで)
月曜他不定休