「GOLDEN PIGS」に聞いた、今のライブハウスの在り方、楽しみ方。
カルチャー
2021.03.08
新潟市古町にある「GOLDEN PIGS」は、広さや設備の異なる3つのステージで構成されたライブハウスです。有名アーティストから地元バンドまでさまざまな音楽が交差するこの空間から、これまで多くの“青春”が生み出されてきました。今回は店長の石塚さんに、ライブハウスで働くまでのストーリーや、ライブハウス業界におけるコロナ禍の現状を聞いてきました。

GOLDEN PIGS
石塚 翔 Sho Ishizuka
1982年上越市生まれ。柏崎高校卒業後、フリーターをしながらプロミュージシャンを目指してバンド活動に勤しむ。2008年に「GOLDEN PIGS」の前身にあたる「JUNK BOX」でブッキングスタッフとして就職。現在は店長を務めながら弾き語りも。
ミスチルが好きになって、ハイスタに憧れる。
――まずは音楽との出会いから。石塚さんは、どんなキッカケで音楽をはじめたんですか?
石塚さん:小学校6年生の頃だったかな。ミスチル(Mr.Children)が好きだったんですよ。それで、ギターボーカルの桜井さんに憧れてアコースティックギターを手にしたのが、僕の音楽人生のはじまりですね。
――入口はアコースティックギターだったんですね。てっきり、学生時代にバンドを組むところからスタートしたのかと思っていました。
石塚さん:半分正解です(笑)
――え?
石塚さん:中学時代にハイスタ(Hi-STANDARD)とかのバンドブームが到来して、「バンドやりたい!」ってなりました。それで仲間とコピーバンドを組んで。高校ではオリジナル曲もやってましたね。

――ライブハウスの店長さんだから、やっぱりそうですよね(笑)。ちなみに、どのパートを担当していたんですか?
石塚さん:高校時代に組んでいたバンドでも、その後で組んだ本格的なバンドでもギターボーカルでしたね。
――本格的なバンドってことは、もしかしてプロを目指していたんですか?
石塚さん:そうそう。アマチュアバンドなのに年間100本以上はライブをしていました。大きな機材車で寝泊まりしながら、全国各地を転々と。でも、お金がなくて。米を炊く炊飯器は必需品でしたね(笑)

バンド活動をしていたからこそつながった、ライブハウススタッフの道。
――プロを目指していたのに、ライブハウスで勤めることになったのは?
石塚さん:2006年にバンドが解散しました。それで地元の新潟に戻って、弾き語りをはじめたんです。ライブをしたり、ライブを観に行ったりしていたら「GOLDEN PIGS」の前身にあたる「JUNK BOX」の店長と仲良くなって、そこでブッキングスタッフとして働くことになったんですよ。
――バンド活動をしていたからライブハウスのこともよく知っていますしね。
石塚さん:そうなんです。でも、働きはじめてからすぐに経営が代わって「GOLDEN PIGS」になって。それと同時に僕も店長になって(笑)。昔から「ライブハウスを作りたい」とも思っていたから、ある意味よかったんですけどね。

地元バンドの育成に特化したライブハウス。
――それでは「GOLDEN PIGS」についても詳しく教えてください。どんなライブハウスなんですか?
石塚さん:出演者からすると、アットホームなライブハウスだと思います。というのも、自分が地元バンドの育成に力をいれているから、スタッフも出演者も分け隔てなく仲が良いんです。バンド文化のひとつでもある打ち上げだって、毎回参加していますしね。
――育成というのは具体的にどんなことをするんですか?
石塚さん:自分もそうだったけど、ツアーでいろんなところを回っているとお金がないんですよ。だからバンドメンバーを自宅に泊めてあげたり、ご飯に連れて行ってあげたり。ラーメンの1杯でも奢って、「売れたら頼むよ」って(笑)。バンド活動のサポートですね。
――おお、親切。実際に売れたバンドはいましたか?
石塚さん:地元のバンドだと、マイヘア(My Hair is Bad)がそうですね。彼らが高校生の頃から知っているから、日本武道館でのライブに招待してもらったときなんて、もう涙が止まりませんでしたよ。

コロナ禍で、ライブハウスは変わった?
――話は変わりますが……、ニュースでもコロナ禍のライブハウス事情が報道されていますよね。実際、ライブハウスとしては、どんな現状なんですか?
石塚さん:まず、一気にライブそのものがなくなりましたね。県外ツアーも多いライブハウスだけど、さすがにこんな状況だからアーティストを呼べないし。地元バンドはかろうじてライブをしているけど、人数や時間の制限がある中での開催をお願いしています。
――ちなみにどのくらいの人数まで収容を認めているんですか?
石塚さん:ガイドラインだと収容可能人数の1/2とされているけど、うちは去年まで1/6、今年から1/3の人数で開催しています。それに検温やアルコール消毒はもちろん、ステージにはビニールカーテンをして。モッシュやダイブが起きたらライブは即中止です。ライブハウスの遊び方が変わって、ちょっと寂しいですよね。

――モッシュやダイブって、ライブの醍醐味ですもんね……。
石塚さん:そうなんですよね。これが楽しくてライブに来ていた人もいるぐらいだし。とにかく、ライブハウス離れがすごいんです……。
――でも、感染対策をしたライブハウスなら、モッシュやダイブができなくたって純粋に音楽は楽しめますよね。
石塚さん:はい。そもそもモッシュやダイブは、ライブハウスをより楽しむために生まれた文化だと思っています。だから、それに代わる楽しみ方だってあるはずだし、音楽そのものは今まで通りに楽しめる。こんなお願いするのは変な感じだけど、「GOLDEN PIGS」に限らずに、自分の好きなライブハウスでいいから足を運んでみて欲しいです。やっぱり生演奏の臨場感をたくさんの人たちに感じてもらいから。

GOLDEN PIGS
新潟県新潟市中央区東堀通6番町1051-1
025-201-9981
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