縦にずーっと長い新潟県は、山形県、福島県、群馬県、富山県、長野県の5県に隣接しています。その「県境」近くで何かを食べたい。ふとそんなことを思いついたThingsの取材班。今回は新潟市内を出発して、東京へと向かう高速道路「関越自動車道」のはしっこある「塩沢石打サービスエリア上り」にお邪魔して、ドライブついでに食べたい県境グルメを、スタッフの星野さんに紹介してもらいました。(ちなみにこのサービスエリアは群馬県との県境です!)
塩沢石打サービスエリア上り YASMOCCA店
星野明浩 Akihiro Hoshino
1966年生まれ。サービスエリアのスタッフとして働きはじめて8年余。休日となると六日町や湯沢町の穴場日帰り温泉を巡るのが趣味。優しい笑顔のお父さん。
日本アルプスのリゾートタウンとしてたくさんの温泉旅館やスキー場がある湯沢町。そのちょっと手前の「塩沢石打サービスエリア 上り」は、米どころ新潟の中でもとくに良質な米が収穫できることで有名な「南魚沼」地域に属しています。南魚沼は他にも肉厚でジューシーな味わいの「八色しいたけ」や、キノコ類を多く栽培する「雪国まいたけ」(高速道路から見えますね!)などでも有名です。
でもやっぱり、一番有名なのは新潟が全国に誇る「コシヒカリ」ですよね。こちらのサービスエリアは、食事メニューのお米に南魚沼産コシヒカリを使用しています。なんて贅沢なんでしょうか。その中で、断トツの人気を誇るメニューがこちら。
「え?おにぎりじゃないの?」って思いましたよね。違うんです。人気ランキング1位は、この「生姜焼き定食」なんです。その理由は3つ。まずはご飯。これは言わずもがなで「南魚沼産コシヒカリ 天地米」を使用しています。このお米は南魚沼市の中でも、特においしいお米が収穫できる旧塩沢町のお米。そんな贅沢なご飯がついてくるんです(ちなみに、ご飯の付くメニューは全てこの「天地米」!)。次にもちぶたの生姜焼き。もちもちとした食感で肉厚の良質な豚肉を地元業者から仕入れ、果物、出汁、生姜を絶妙なバランスで配合した自家製生姜焼きのタレと合わせてあります。甘じょっぱいタレに一緒に炒められた玉ネギの甘みが加わり、めちゃくちゃご飯が進みます。そして最後がお味噌汁。お味噌汁に入っている具材は何だと思います? 町の食堂であれば豆腐とワカメなどが定番ですが、そこは南魚沼。しっかりこだわりがありました。なんと大ぶりのマイタケが入っているのです。南魚沼にこだわったこの生姜焼き定食。注文したくなりませんか?
ゴールデンウィークなどの行楽日和ともなれば、各サービスエリアは満員御礼。そうなるとなかなか食事も大変ですよね。席を探して、注文を待って、時間を気にしながら…。そんなときにオススメなのが手軽な「おにぎり」。サービスエリアの外には「おにぎり工房いしうち」があります。
こちらでは、塩沢産コシヒカリのおにぎりを販売しています。それも農家さんから直送されてくるお米。これまた贅沢です。炊き方にこだわりがあり、米を研いで水量を計ったらすぐに炊くのではなく、冷蔵庫で一度冷やしてから炊くのだとか。この「冷やす」がおいしく炊けるポイント。炊きあがったら、お米が潰れないよう優しく手に取り、形を整えて、握らずに、お雛様のように海苔で包み込んで完成です。握らないほうがふっくらとして、お米が口の中でうまくほどけるんだそうです。確かにひと口食べてみると、とてもふわっとしていて、「優しいおにぎり」といった印象でした。
このおにぎりをいつも握って…いや、優しく包んでいるのは、「おにぎり工房いしうち」のオープン以来のベテランスタッフ・大堀さん。キレイにお雛様のようなおにぎりを作ってくれます。メニューはごま塩、梅、昆布、鮭、焼きたらこ、肉みその6種類。多い日には7~800個が売れていくのだとか。このラインナップだと、2~3個は食べたくなっちゃいますね。
サービスエリアで提供している「南魚沼産コシヒカリ 天地米」、おにぎり屋さんで使っている「南魚沼産しおざわコシヒカリ」は売店でも販売しています。せっかくおいしいお米を出会ったら、家族や友人にも食べさせてあげたいですもんね。ご飯のお供ももちろんそろっています。世界でも珍しい唐辛子の発酵食品「かんずり」や、山古志村で栽培された神楽南蛮を使った「山古志産神楽南蛮柚子こしょう」など、ご飯と相性抜群な新潟の名産がずらり。自宅で炊きたてのご飯にちょこんと乗せて、新潟の最高においしいご飯を楽しみましょう。ご飯メニューを楽しみたい、「塩沢石打SA上り」でした!
塩沢石打サービスエリア上り YASMOCCA店
新潟県南魚沼市関1511-1
025-783-2940