LUXUOSO
稲月 洋介 Yosuke Inatsuki
1978年新潟市生まれ。近畿大学卒業。スペシャルティコーヒーに出会って、コーヒーに対する考え方が180度変わり、2007年に「LUXUOSO」を立ち上げる。2018年に現在の場所へ移転リニューアルオープン。趣味はサッカーや漫画、アイドルなど多岐に渡る。
——「LUXUOSO」は、スペシャルティコーヒーを提供しているんですよね。何種類ぐらいあるんですか?
稲月さん:小さな農園から国単位まで、その時々でベストな生豆を仕入れて、3種類(ミディアムロースト、シティロースト、フレンチロースト)の度合いで焙煎したものを、常時8~10種類提供しています。
——生豆を選ぶ基準って?
稲月さん:あくまで個人の見解ですけど、コーヒーの味はコーヒー豆の質で70%が決まって、焙煎は20%、抽出は10%。つまりどれだけ上質なコーヒー豆を使うかで、コーヒーの味は決まるんです。仕入れの話をすると、例えばタンザニアにはたくさんのコーヒー農園があって、そこに行ったときに的確に判断できないと、上質なコーヒー豆は手に入りません。だから信頼できるバイヤーがチョイスしてくれた中から選んでいます。
——なるほど。信頼できるバイヤーがいて、そこに「LUXUOSO」の美味しさが加わっているんですね。でも、有名なコーヒーなら何でも美味しいんじゃ……?
稲月さん:そうでもないんですよね。例えばキリマンジャロというコーヒー豆は、タンザニアのキリマンジャロ山脈で収穫されたものの総称です。つまりあの広大な面積の、どの農園で収穫されても、「キリマンジャロ」なんです。だから、その中でもトップのコーヒー農園を掘り出すことが重要なんですよ。
——「LUXUOSO」では、どのようにコーヒー豆を選ぶ手伝いをしてくれますか?
稲月さん:コーヒー豆は、焙煎度合いによって苦味や酸味の特長が違ってくるので、それぞれの好みのバランスを聞いたり、産地毎の香りの特長を説明したりして、コーヒー選びのためのヒアリングをさせてもらっています。
——ふむふむ。ちなみに、コーヒー豆を購入するときのポイントって?
稲月さん:なるべく豆のまま購入してください。そして自宅で飲む分だけを挽いてください。コーヒー豆は粉にすると、1粒の豆が250~300の小さな粒になります。つまり約300倍も空気に触れることになって、酸化のスピードを早めてしまうことになるんですね。コーヒーは鮮度が重要だから、ちょっとした手間が大切なんです。
——手間を惜しんだらダメですね。最後に、お客さんにどんなふうにコーヒーを楽しんでもらいたいと考えているか、教えてください。
稲月さん:2000年代に入ってから広まったサードウェーブコーヒーの波によって、スペシャルティコーヒーが多く飲まれるようになって、手間暇をかけてハンドドリップをする文化が浸透しました。それを毎日、毎朝の週間として、ライフスタイルの一部として、コーヒーが日常になってくれたら、今以上にコーヒー文化が楽しいものになると思っています。
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