新発田市の五十公野公園から車を走らせること約5分、「kocher」というおやつとドリンクのお店にたどり着きます。お店を営むのは佐藤聡恵さん。普段は管理栄養士のお仕事をされているようで、「kocher」は現在、月に2~3回ほどの不定期営業だとか。通常は2店舗あるうちのどちらかで営業していて、今回伺ったのは「コヘル分室」。貴重な営業日にお邪魔して、いろいろお話を聞いてきました。
kocher
1983年秋田県生まれ。東京農業大学卒業後、南魚沼市にある高齢者や子どもの施設で管理栄養士として2年間働く。その後、新発田市の教育委員会で食育に携わる仕事を1年間務めた後、佐渡で3年間子育てをし、再び新発田市に戻る。2018年に「kocher」をオープン。お店の仕事と管理栄養士の仕事を平行して行う。家族と過ごす時間とうたた寝が好き。
――本日はよろしくお願いします。佐藤さんは、ずいぶんといろんなお仕事をされてきたんですね。
佐藤さん:夫の転勤で県内各地を転々としていました。昔から食べることも料理することも好きだったので、佐渡にいた期間を除いて、ずっと食に携わる仕事をしていましたね。
――佐藤さんが「kocher」をはじめたきっかけは?
佐藤さん:子育て中、小さな子ども連れだと食事に行きづらかったり、ゆっくりできなかったりしたことがあって、「子どもと一緒の人たちがもっとゆっくりできるようなお店があればいいのにな」って思っていました。いつか自分のお店を開きたいと思っていたので、じゃあ私が始めてみようかなって。そしたらたまたま自宅の近くに和室の物件が空いていたので、そこを借りてお店をオープンしました。今いるこの店舗は今年の冬に新しくできた「分室」なんですけど、ここからすぐ近くに和室のお店があります。
――和室の方のお店、外観は普通の民家のようですね。
佐藤さん:よく自宅と間違われます(笑)。今日は見せることができなくて残念なんですが、畳の部屋になっていて、そこで地元食材を使用した、子どもも安心して食べられるお料理を提供していました。今は新型コロナのこともあって、分室でおやつとドリンクのお店として営業していますけど、当時は子どもと一緒のお客さんたちにゆっくりとくつろいでもらっていました。
――「kocher」には、どんなメニューがあるんですか?
佐藤さん:安心安全なおやつを提供しています。食材は主に地元産、国産のもので、身体になるべく負担のないものを使用しています。おやつはおからドーナツやスコーン、ドリンクは自家製シロップやコーヒー等を販売していて、何度かシロップ作りの教室を開催したこともありました。最近は「ヒトサジ」というユニットもやっています。
――「ヒトサジ」?
佐藤さん:管理栄養士の仕事で出会った方と意気投合して、今年の冬に「ヒトサジ」という名前のユニットを組んだんです。「ヒトサジ」では、お子様の食の相談会や、身体に優しいオリジナル手作りおやつの販売会を和室の店舗で月1で開いています。
――そのユニットを結成しようと思った理由は?
佐藤さん:管理栄養士をもっと身近に感じてほしいって思って。病気のことはお医者さん、薬のことは薬剤師さん、それぞれに相談するというのはすぐにわかると思うんですけど、食のことは誰に相談すればいいのかわからないっていう人は多いと思うんです。そういったときに管理栄養士に頼ってほしくて。自分自身も健診など限られた場でしか管理栄養士として人と関われなかったので、自分達で関われる場を増やして、いろんな人に気軽に頼ってもらえる存在になりたいっていう思いから結成しました。
――例えば、どんな食の悩みを抱えている人が多いですか?
佐藤さん:お子さんの食の悩みだったら、食べ物の好き嫌いがとにかく多いとか、他の子と比べて食べる量がすごく少ないとか……。健診でもそういった相談が多いんですけど、どうしても市でやっている健診なので、なかなかくだけた感じの答えをお伝えすることができないんです。それから1人あたりの時間も短く1回きりで終わってしまうので……。
――ふむふむ。
佐藤さん:イベントに定期的に参加していただければ、相談後の状況も分かるし、関係性も築けてもっと踏み込んだアドバイスをすることができるので、ぜひ足を運んでいただきたいです。
――今後はどういうふうに活動していきたいですか?
佐藤さん:いずれは離乳食の講座や、試食会も開いてみたいと考えています。まだユニットを組んだばかりで挑戦したいことはたくさんありますが、まずは長くイベントを続けて「ヒトサジ」というユニットの存在を少しでも多くの方に知ってもらえたらなと思っています。
kocher(コヘル)
新発田市敦賀424-1
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