暖かく過ごしやすい春がやってきました。お花見や歓迎会など、お酒を楽しむ機会が増える時期ですね。今回は新潟駅前にある和食創作居酒屋「和馳走ダイニング 神風」の植木さんにいろいろとお話を聞いてきました。もしかしたら会場探しに四苦八苦している幹事さんのお役に立つかもしれないと、これまで幾度となく宴会幹事を経験してきたThings編集部の私はひっそり期待しています。
和馳走ダイニング 神風
植木 江梨子 Eriko Ueki
1985年柏崎市生まれ。「和馳走ダイニング 神風」などを運営する「株式会社TYコーポレーション」取締役。高校卒業後、アパレルスタッフとスタイリストを経験。その後、飲食店のマネジメントとコンサルティングを行う会社に就職。「神風」のホールスタッフとしても活躍中。
——植木さんは、これまでどんなお仕事をされていたんですか?
植木さん:26歳まではアパレル業界にいて、それから3年間スタイリストをしていました。「接客をしたい」って気持ちが強くて、年齢や性別を問わずいろいろな方と接することができるのが飲食業だろうと思って、この仕事をはじめました。
——飲食のお仕事とこれまでのお仕事、何か違いはありますか?
植木さん:アパレルの仕事をしていた頃は「できあがっているところに入る」って感じだったんですよね。店舗も商材も、完成されたものがある環境というか。今はメニューや食器を考えたり、いちからお店を作っていくところに面白さを感じています。会社で内装も手がけていて、壁紙も自分たちで選ぶんですよ。飲食の世界は「ソフトもハードも両方大切」と言われているんですけど、その両方に携われていてすごく楽しいです。
——店名の「和馳走」というのは?
植木さん:和食のごちそうを出すお店だから「和馳走」という言葉を使っています。カジュアルに和食を楽しめて、個性的な店内は隠れ家感があると思っています。ちなみにこのお店、店長の松本さんのためにオープンしたお店なんですよ。
——というと?
植木さん:松本さんご自身もお店をやっていたんです。でも去年の夏頃、そのお店を閉めてご実家の農家を手伝うと聞いて。「松本さんには料理の腕があるのにもったいない」「せっかくだから松本さんが作るお料理を出すお店を作りたい」と思っていたら、ちょうどよいタイミングでこの場所にあったお料理屋さんが撤退することになって。物件は確保できそうだし、松本さんという逸材を逃すわけにはいかないと、「神風」をオープンしたんです。
——じゃあ、松本さんの得意なお料理が和食なんですね。
植木さん:松本さん、料理に一切手を抜かないんですよ。こちらからすると「もう少し早く提供してよ」って思っちゃうくらい(笑)。盛り付けひとつにもこだわって、真剣に料理に向き合っている人なんです。
——どんなメニューがあるんですか?
植木さん:お刺身、焼き魚、お肉料理、おひとりずつ提供する鍋メニューが定番です。カニクリームコロッケは人気がありますね。おすすめを日替わりもしくは週替わりでご用意しています。これからの季節、鍋料理は水炊きから蒸ししゃぶに替わります。山菜メニューも増えていくのでお楽しみに。
——さきほど話題に出た通り、店内の造りがすごく個性的ですよね。
植木さん:限られたスペースを有効に使うため、天井と床部分を改装して2階と地下を作りました。それが隠れ家感につながっているのかなと思います。掘りごたつの個室、テーブル席、座敷があって、2階スペースは貸切可能です。個室以外も半個室みたいな造りなので、くつろいでいただけると思います。
——おしゃれな雰囲気なので若い方が多く来るのでは?
植木さん:30〜40代の会社員さんが多いですよ。女子会を楽しむ方もいらっしゃって、わいわいしているというよりお酒を楽しむ方が多いでしょうかね。ウイスキーのソーダ割をふたりで飲んでいる、みたいな。
——しっかりとお酒を楽しんでいるわけですね。いいですねぇ。
植木さん:皆さん、少し前と違ってあまり2次会には行かれないみたいですね。その代わり、同じ会場で2次会分も楽しまれている印象があります。食事をしてから、ゆっくりお酒を楽しむバーの延長みたいにここで過ごしてもらえているのかなと思っています。
——これからはどんなお店づくりをしたいと思っていますか?
植木さん:飲食業が働く場所としてもっと注目されればいいなと思っているんですけど、近頃、料理の世界を目指す人は少ないみたいですよね。いずれは松本さんの料理の腕、私の接客ノウハウをどなたかに受け継いで欲しいと思っているので、この仕事の魅力を何かしらのかたちで伝えていきたいです。
和馳走ダイニング 神風
新潟市中央区東大通1丁目11−12
パルコミニオンビル1階
営業日:月曜日〜土曜日、祝日:17時〜23時(LO22:30)
定休日:日曜日