ビルボードプレイスの1Fにある、セレクトショップ「RATO(ラトゥー)」。店内にはこだわってセレクトされた国内外のブランドのアイテムが揃っています。アパレルの知識豊富なスタッフさんが、コーディネートの提案をしてくれるのも魅力のひとつ。今回は店長の関さんに、お店に置いているアイテムのことなどについてお話を聞いてきました。
RATO
関 太一 Taichi Seki
1981年魚沼市生まれ。新潟会計ビジネス専門学校在学中から「RATO」でアルバイトをはじめる。卒業後「有限会社ラトゥー」に入社。店長を務める。趣味はサーフィン。
――関さんは「RATO」で働きはじめてどのくらい経つんでしょう?
関さん:22年目になります。専門学校時代に「RATO」でアルバイトをはじめて、卒業してから入社しました。店長になったのが入社して4、5年目ぐらいのときで、その頃からバイヤーとして商品のセレクトもするようになりました。
――卒業後も働き続けることにしたのは、お仕事が面白かったから?
関さん:そのときの上司の方に、仕事の楽しさをいろいろ教わったのが大きかったですね。専門学校では販売とか接客マナーを学ぶコースだったので、ものづくりというよりも販売員がスタートだったんです。そっちに興味があって。
――その頃からお店はこの場所にあったんですか?
関さん:当時は駅南の「PLAKA」の中に1号店がありまして、古町の「WITHビル」に2号店があったんです。自分はその2号店で働いていました。WITHビルがなくなった後はPLAKAに移って、そこで5年。この場所に移転したのは7、8年前です。
――長年アパレルショップで働いていると、ファッションの移り変わりを肌で感じると思います。
関さん:最近だと、昔に流行ったものがまた流行っていますよね。例えばハーフジップもそうですし、「Clarks」のワラビーも、俺たちが若い頃はみんな履いていたし。だから次はこれが流行るんだろうなって、なんとなく分かりますね。それに、こんなに早く流行が入れ替わるのは日本独自だと思いますよ。
――へ〜、海外だとこんなに早く流行が変わることはないんですね。
関さん:あと新潟の人は車移動がほとんどなので、ダウンって前はなかなか売れなかったんですよ。でも流行りでダウンがファッションとしてよく着られるようになって、ここ数年はよく売れましたね。
――こちらはメンズファッションのセレクトショップなんですよね?
関さん:メンズのセレクトショップなんですけど、やっぱり今の時代、オーバーサイズが多いので、女性の方も買いに来られますね。「〇〇系」っていうふうにジャンルで絞らず、「カジュアル」という大きな括りで、コーディネートや合わせも自由に合わせられることをコンセプトにしています。
――お店に置く商品をセレクトするときに、意識していることってありますか?
関さん:トレンドとか、ブランドのネームだけで取らないようにはしています。ブランドの人気が上がったときに取って、下がったら切るっていうやり方があんまり好きじゃなくて。「いいな」って思ったら取りますし、そのブランド独自のものをオーダーすることが多いです。だからお付き合いの長いメーカーさんも多いですよ。
――お客さんも、長く通われている方が多いんですか?
関さん:長年来ていただいているお客さんもいますね。だからコーディネートとか任せてもらっているのかなって思います。
――常連さんはもちろんだと思いますが、来店が初めてのお客さんでもスタイリングの提案はしてもらえるんでしょうか。
関さん:もちろんです。そういうところでうちは強いですね。
――お客さんにはどういうふうにアイテムを提案するんですか?
関さん:その日に来たお客さんの格好を見れば、「これが足りないんじゃないか」とか「こういう服が好きなんだろうな」って分かるので、そこから提案するのが基本ですね。まずは「こういうのが似合うんじゃないかな」って、第三者目線で分かってあげることだと思います。
――お客さんへの伝え方も難しいんじゃないかなと思うんですけど……。
関さん:「こういう服を着たらきっと似合うのに、着ないのはもったいない」っていう言い方をします。やっぱり同じようなアイテムを選んでしまいがちな人もいるので、それってもったいないよなって。その視野を広げてあげるのが俺らの仕事なのかなと思っています。
――自分が選べる服の幅が広がると、ファッションがもっと楽しくなるでしょうね。
関さん:新しい発見みたいな。そういうふうに「俺もこんなのが似合うんだな」って思っていただけると、リピートにつながるんですよね。買った服を着てみて、それが周りから好印象だったら嬉しいはずですから。
――「RATO」で働きはじめた頃と今とで、感じる面白さに違いはありますか?
関さん:ある程度自分のやりたいことがやりやすくなりましたね。自分でオリジナルの商品を作ったときとか、考えたものがかたちになったときはたまらなく気持ちいいです。
――オリジナルの商品も作られているんですね。
関さん:最初の頃は別注で作っていたんですけど、今は生地とかサイズ感も全部自分で決めて作っている商品も出てきていて。その辺も面白いですね。
――商品はお客さんの好みとか、お店の雰囲気を意識して作っているんですか?
関さん:いや、作っているのは自分が着たいものです(笑)。でもそういうものを作ると、おのずとお客さんも欲しがってくれたりするんですよね。
――今後も「RATO」を続けていく上で、どんなことを大切にしていきたいですか?
関さん:定期的にイベントとかも企画しているんです。ただ服を売るだけじゃなくて、おしゃれをして出かけられる場所も提供していきたいし、作っていきたいなと思います。
RATO
新潟市中央区八千代2丁目1−2 万代シテイビルボードプレイス1F
TEL: 025-240-4643