鯖石にある「FUFU」は、
やりたいことが、かたちになる場所。
遊ぶ
2026.07.10
柏崎市の市街地から山の方に向かって国道252号線沿いを車で走っている途中、何やら面白そうな建物を見つけました。帰ってから調べてみると、そこには「studio_fufu」というフォトスタジオと、「FUFU茶屋」というカフェがあることが判明。あらためて柏崎市の鯖石にあるお店を訪ね、この場所を作った毛見さんに、その経緯やお店のことなど、いろいろお話を聞いてきました。
毛見 俊夫
Toshio Kemi(studio_fufu/FUFU茶屋)
1976年東京生まれ。4歳から高校卒業するまでは柏崎市で暮らす。その後上京し、バーテンダーなど様々な仕事を経験する。とあるきっかけから柏崎に戻ることになり、家族とともに柏崎に移住。3年前に「studio_fufu」、昨年から「FUFU茶屋」をそれぞれオープンする。最近、ギターの演奏にハマっているんだとか。
柏崎には、何もないと思っていた。
毛見さんが柏崎にUターンしたワケ。
――今日はよろしくお願いします。毛見さんは、東京生まれ柏崎育ちなんですよね。
毛見さん:そうなんです。4歳くらいのときに、親の地元である柏崎に引っ越すことになって、高校卒業まで柏崎で暮らしていましたね。高校を卒業した後は柏崎を出て、また東京に住むことにしたんです。
――再び東京に行くことにしたのには、どんな理由が?
毛見さん:生まれは東京だったので、自分のルーツは東京にあるってなんとなく思っていたんです。あとは、今の若い子も同じかもしれないですけど、「何もないから、ここにはいたくない」っていう思いもあって。東京でやりたいことも、ビジョンもなく、ただ「東京に行きたい」っていう気持ちだけで上京しましたね。今振り返れば、結構遊んでいたかもしれないですね(笑)
――そんな毛見さんが、どうして柏崎に戻ってくることになったのでしょう。
毛見さん:柏崎に帰ったとき、親戚と飲んでたんです。そのとき、これからの話になったのかな、あまり覚えてないんですけど(笑)、飲んでた勢いで「柏崎に戻るよ」って言っちゃったみたいなんです。そのときは、埼玉で水回りのリフォームの仕事をしていて、こっちに戻る気なんてまったくなかったんですけどね(笑)
――勢いで言ったひとことが、現実になってしまったんですね。
毛見さん:奥さんにこのことを話したら、あまりにも急ですごく驚かれたのは覚えています。ちょうど上の子が小学生に上がるタイミングで、家族で柏崎に移住しました。そのときは移住した後の仕事のことは、あんまり考えていなくて。とにかく柏崎に行くぞ、みたいな(笑)
――柏崎に戻ったあと、どんなことをされていたのでしょう。
毛見さん:埼玉でやっていた水回りのリフォームはもちろん、自分のできることをいろいろやっていました。どこかに就職することも考えたんですけど、40歳を過ぎていたし、あてもなかったので自分でできることをはじめようと思ったんです。
――そして、こちらの場所を作られたんですね。
毛見さん:学校や地域の行事に参加していく中で「この地域っておもしろいな」と思ったんです。でも、その思いとは裏腹に、地域の子どもたちはどんどん鯖石から離れていって。僕がこの地域をちょっとでも盛り上げられるような、何かができたらいいなと思ったのが、この場所を作ったきっかけです。


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柏崎の人とものがつながり、
循環する場所に。
――3年前に作られたのが、「studio_fufu」です。
毛見さん:まずは奥さんがやりたいことを実現させようと、みなさんに写真を撮ってもらえる場所を作りました。以前、奥さんと「写真を撮って、撮影したデータを渡すようなスタジオをやってみたいね」って話していたんです。そこから、今はカメラ持っている人も多いから、カメラマンなしのスタジオでもいいかもしれない、ということになり、このかたちに落ち着きました。
――このスタジオでは、セルフフォトの撮影ができると聞きました。
毛見さん:ここを作ったとき、ちょうどセルフフォトが韓国で流行っていたので、ここでもやってみようって思ったんです。柏崎でもセルフフォトができる場所があるっていうのは、実はまだあまり知られていないので、もっといろんな人に知ってもらえるようにしたいなって思っています。あとこのスタジオには、もうひとつ大きな特徴があって。
――いったいどんなものなのでしょう。
毛見さん:スタジオの中に美容室があるんです。奥さんが美容師の資格をもっているので、ヘアカットはもちろん、撮影前のヘアアレンジもできます。撮影前のメイクやヘアアレンジをするためのスペースとしてもお使いいただいています。
――その後、スタジオの隣に「FUFU茶屋」を作られました。
毛見さん:最初はテイクアウト専門店、みたいな感じで小さいお店をやっていたんですけど、「ここで食べたい」っていう要望をたくさんいただいて、今年の4月にお店を広げてイートインスペースを作りました。冬場はたい焼き、夏場はかき氷をメインに販売しています。今年は新しく、パンケーキもご用意しますよ。
――イートインスペースのほかにも、古着や本が置いてあるスペースもありますね。
毛見さん:ここは地域の人はもちろん、市外や県外からも人が集まって、柏崎とつながれる場所にしたいと思っているんです。それで、「はやじん書店」さんが選んでくれた古本や、「no奥」さんの古着を販売しています。「柏崎にこんなお店がある、こんな人がいる」っていうのを知ってもらったり、もう使われなくなった古いものを次に使う人につないだりできたらいいなと思います。


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あなたの「やりたい」を叶えて、
鯖石をもっと、面白くしていく。
――「studio_fufu」と「FUFU茶屋」を作ってみて、毛見さん自身に変化はありましたか?
毛見さん:地域の人や知り合いが、この場所でイベントやパーティーをしてくれると、僕の知らない人が来てくれて、新しいつながりが生まれるようになって。こういうのがもっと広がったらいいな、と思います。「あなたの『やりたい』を叶える場所」というコンセプトを掲げてこの場所を作ってきたのもあって、最近はイベントをしたいって相談に来てくれる人と出会えるようにもなったんです。
――じゃあこれまで、いろんな人の「やりたい」を叶えてきたんですね。
毛見さん:マッサージや美容系のイベントをやったり、DJを呼んでみんなでお酒を飲んだり、いろいろやってきました。うちは「やりたい」という気持ちをかたちにする場所なので、今までやったことがないようなイベントでも、まずは一緒に考えて作っていきたくて。
――そこまでして、「やりたい」を叶えようとしてくれるのには、どんな思いが?
毛見さん:大人だけじゃなくて、高校生や大学生もここで自分のやりたいことを実現してほしいんです。僕がビジョンもやりたいこともないまま東京で暮らしてみて、いくらでも堕落できるなってすごく感じて。夢や目標があって東京に行くなら応援したいですけど、そうじゃないなら柏崎に残ってもいいんじゃないかなって思うし、柏崎に残っても楽しいと思ってもらえる場所にしていきたいんです。
――毛見さんのこれからの目標を教えてください。
毛見さん:僕自身のやりたいことだけを、ここでかたちにしていって、それを見たこの地域の若い子たちが「面白そう」って思ってくれたり、イベントに参加してくれるようになったらいいなと思いますね。僕のやりたいことが、地域が盛り上がるようなきっかけになったら嬉しいですね。この地域の若い子が、「鯖石が地元なんだ」って誇れるような、そんな場所をつくっていけたらいいなと思っています。


studio_fufu/FUFU茶屋
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