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スポーツサイクルを思いっきり楽しむ専門店「サイクルワークスFin’s」。

今年もゴールデンウィークがやってきます。皆さん、連休はどのように過ごしますか? アウトドアでアクティビティを楽しむ方も多いと思います。サイクリングでもしたいなあ…なんて方もいるのではないでしょうか。というわけで今回は、スポーツサイクルの専門店「サイクルワークスFin’s(フィンズ)」にお邪魔して、自転車についてのお話をいろいろ聞いてきました。

 

 

サイクルワークスFin’s

遠藤 健太 Kenta Endo

1980年長岡市生まれ。埼玉県の大学に在学中からサイクルショップでアルバイト。2004年に新潟に戻り家業の「サイクルワークスFin’s」で働き始め、現在はショップマネージャーとして店を運営している。大の日本酒好き。

 

普通の自転車店が、「スポーツサイクル専門店」に特化していったわけ。

——カッコいいスポーツサイクルがたくさん並んでますね。こちらは以前からスポーツサイクルの専門店だったんですか?

遠藤さん:いえ、もともと父が「エンドウサイクル」っていう自転車店をやっていたんです。当時はまだスポーツサイクルに特化した店じゃなくて、ママチャリなんかを扱っている普通の自転車店でした。でも外国製の安いママチャリがホームセンターで売られ始めてからは、その価格差がすごいもので、ママチャリだけでは太刀打ちできなかったんです。

 

——安いママチャリは本当に安いですもんね。

遠藤さん:でも、その一方でオーダーカスタムの自転車が増え始めていたんです。父は、そういうオーダー自転車が今後成長していくかもしれないと考えて、家の片隅でスポーツサイクルのカスタムやメンテナンスを始めました。それから間もなくキャンプブームが起こって、マウンテンバイクの人気も出始めたんです。そのおかげで遠いところからも多くのお客様が来てくれるようになりました。ただ、当時は店に駐車場がなかったんですよ。近所のキャンプ用品店でもたまたま同じ悩みを抱えていたので、一緒に建物を借りて「アウトドアの基地」としてコラボしようということになったんです。それを機に店名も「エンドウサイクル」から「サイクルショップFin’s」へと変更しました。

 

 

——なるほど。ちなみに店名の「Fin’s」ってどんな意味があるんですか?

遠藤さん:フランス語で「最後」を意味する「Fin」からつけました。「うちで買っていただいた自転車は最後まで面倒をみる」っていう意味なんです。遠藤が英語の「End」とも読めるから、同じ意味のフランス語「Fin」にしたっていうのもあります(笑)。キャンプブームが長く続いたおかげでしばらく順調だったんですけど、その後、キャンプ用品店と一緒に借りていた建物から立ち退くことになったので、今は別々の店舗として営業しています。

 

 

——遠藤さんは最初からお店を継ぐつもりだったんですか?

遠藤さん:いいえ。僕は小中高とスポーツ少年で、高校生のときには強豪校でサッカーをやっていたんです。そのままサッカーをやりたくて、埼玉の大学に進学したんですけど、自分のやりたかったサッカーとは違ったんですね。大学1年のゴールデンウィークに、里帰りした長岡の駅前でたまたまBMXのショーをやっていたんです。BMXのいろいろな技を見て、「こんなにすごい競技があるんだ」って感動して。そしたら、そのイベントは父の店が主催していたんですよ(笑)

 

——(笑)。それまではBMXの競技を見たことがなかったんですね。

遠藤さん:はい。そのカッコよさにすっかりハマってしまって、アルバイトでお金を貯めて10万円のBMXを買ったんです。それがスポーツサイクルを始めたきっかけでしたね。その後はサイクルショップのチェーン店でアルバイトしていました。

 

——長岡に帰って働くことになったのは?

遠藤さん:父から人手不足なので戻ってきてくれっていう電話をもらったんですよ。

 

——自転車の組み立てはアルバイトのときに経験していたんですよね。

遠藤さん:でも「サイクルワークスFin’s」の組み立てはもっと本格的だったので、父から組み立て方を教わりました。組み立てるだけでは乗り心地がわからないので、実際に自分で乗ってみて、ブレーキワイヤーの寿命やタイヤの減り方を確かめたんです。毎朝早起きしてロードバイクのトレーニングをして、帰ってきてから整備するっていう勉強を繰り返していました。

 

「サイクルワークスFin’s」ってどんなサイクルショップ?

——「サイクルワークスFin’s」は、どんなところがウリになっているお店ですか?

遠藤さん:都市にあるサイクルショップはブランドの種類を絞っているところがほとんどなんですけど、うちは45種類くらいのブランドを扱っているんです。扱っていないブランドの方が少ないくらい(笑)。新潟県にはサイクルショップの数が少ないから、お客様の要望に応えている内にどうしても種類が多くなっていくんですよ。ウェアやシューズもフィッティングができるように細かくサイズを揃えるようにしています。

 

——それはお客さんにとっては嬉しいことですね。お店に置くアイテムはどんなふうに選んでいるんですか?

遠藤さん:展示会に出向いて実物を試して、いいなと思ったものをオーダーしています。いろいろなアイテムを扱っているから比較することができて、それぞれの違いがわかりやすいんですよ。

 

 

——ご自身でしっかりと試してから選んでいるんですね。ところで、遠藤さんはサイクリングイベントにも関わっていらっしゃるんですよね?

遠藤さん:「越後長岡チャレンジサイクリング」ですね。2009年からスタートして2019年まで10年間続いてきたイベントです。中越地震でボコボコになってしまった道路を、全国各地の人々の協力できれいに舗装し直すことができたので、「記念に道路を使ったイベントをやろう」ということになったんです。そこでサイクリングイベントをやることになって、自転車に詳しいということで私が協力させてもらうことになったんですよ。お店のお客様にもボランティアで参加してもらって、全国から最大で1.300人も集まるイベントになりました。10年を区切りに今後はもっと小規模なイベントとして続けていこうと思っています。

 

——今は新型ウィルス感染症の影響で、なかなかイベントも開催できませんもんね。

遠藤さん:そうですね。だから「Zwift(ズイフト)」っていうバーチャルサイクリングアプリを使って、全国の愛好家とレースを楽しんだりしています。参加している人たちに新潟のことをもっと好きになってほしいという思いもあって、私がMCとして新潟の美味しい日本酒や料理を紹介しながら開催しているんです。

 

スポーツサイクルにはどんなものがあるの?

——「サイクルワークスFin’s」ではどんな自転車を扱っているんですか?

遠藤さん:メインはクロスバイク、ロードバイク、マウンテンバイクの3つですね。「クロスバイク」はフィットネスとか自転車通勤とかの街乗りに最適な自転車です。もともとは、マウンテンバイクのタイヤが太すぎて街では乗れないので、タイヤを細くしたものなんですよ。

 

——よく通勤で見かけるのがクロスバイクなんですね。「マウンテンバイク」はどんな使い方をする自転車なんですか?

遠藤さん:その名の通り山道を走ることができる自転車です。ただ注意してほしいのは、一般の登山道を走ることはできないってことなんですよ。整備されたマウンテンバイク専用の道を走らなければならないので気をつけてほしいですね。

 

 

——どこを走ってもいいわけじゃないんですね。初めて知りました。では「ロードバイク」はどんな自転車なんですか?

遠藤さん:とにかく走ることを楽しむための自転車です。長い距離をのんびり走ったり、スピードを出して走ったり、峠越えを楽しんだりするのに適しています。めちゃめちゃスピードが出る自転車で、長岡市内にあるうちの店から寺泊の海岸まで1時間かからずに着いちゃうんですよ。ロードバイクもマウンテンバイクも、乗るときにはヘルメット、グローブをしっかり着用するようにしてほしいですね。

 

——最後にスポーツサイクルの魅力を改めて教えてください。

遠藤さん:消費カロリーがハンパないので、何を食べても痩せます(笑)。それから体への負担が少ないので、50〜60代から始める人も多いんです。直接地面に足をつけることがないから、ジョギングと違って膝を痛めることもないんですよね。おすすめは目的を持って走ること。たとえば「あそこの店までラーメンを食べに行こう」とか「海まで写真を撮りに行こう」とか、目的があると走る楽しみも大きくなると思います。ロードバイクは初めて乗ると、自分の力でここまでスピードが出せるものなのかと驚くと思います。その分、安全には気をつけて乗るようにしてほしいですね。

 

 

いかがだったでしょうか?いろいろな種類のスポーツサイクルの特徴や乗り方、魅力について教えていただきました。このゴールデンウィークにサイクリングデビューしたい方は、長岡市の「サイクルワークスFin’s」を覗いてみてください。お気に入りの1台と出会えるかもしれませんよ。

 

 

サイクルワークスFin’s

新潟県長岡市左近2-53

0258-33-8823

11:00-19:30(土日祝日は19:00まで)

毎週水曜、第2・4火曜休

 

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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