24時間いつでもトレーニングできる
岩船の漁師がはじめたジム「ARKFIT」
その他
2026.07.09
身体を鍛えたいけど、運動する時間が……。そんな人のために最近は24時間営業のジムが増えています。村上市の岩船エリアに登場した「ARKFIT(アークフィット)」もそのひとつ。トレーニングマシンがズラッと並ぶジムにお邪魔して、オーナーの渡邉さんからお話を聞いてきました。
渡邉 裕太
Yuta Watanabe(ARKFIT)
1985年村上市生まれ。瀬波温泉の観光ホテルや配送業を経て2019年に漁師へ転向。2025年に24時間フィットネスジム「ARKFIT」をオープンする。趣味はキャンプ。
フィットネスジムのオーナーは、
村上市岩船地域の漁師さん。
――Tシャツにデザインされているのは「ARKFIT」のロゴじゃないですか。
渡邉さん:そうなんです。自分は漁師をやっているので、船をモチーフにしたロゴになっています。人々を救う「箱舟」の意味も込めました。
――代々漁師のおうちに生まれたとか?
渡邉さん:ひいおじいさんは底曳き網漁、おじいさんは遠洋漁業をやっていたようですが、おやじはサラリーマンでした。自分も瀬波温泉にある観光ホテルへ勤めて、館内設備のメンテナンスをやっていたんです。
――それがどうして漁師に?
渡邉さん:もともと釣りが好きだったので、海で働きたいと思っていたんです。そんなときに漁業の担い手を育成する事業があることを知って応募しました。先輩漁師のもとで働きながら研修を受けて、1年半くらいで独立することができたんです。
――漁師の仕事をやってみて、いかがでした?
渡邉さん:はじめたばかりの頃は船酔いがきつかったけど、今ではなんとか慣れました(笑)。とにかく船に乗って慣れるしかないんですよ。
――1年半での独立って、早くないですか?
渡邉さん:ちょうどその頃に、先輩が船を乗り換えることになったので、それまで使っていた船を譲り受けたんです。ところがかなり年季の入った船で、修理代の方が高くついてしまいました(笑)。今は中古だけど、がっつり修理した船に乗っています。
――渡邉さんはどんな漁をしているんでしょうか?
渡邉さん:板びき網を使った、ヒラメ、カレイ、タイ、スズキの漁がほとんどです。これからの季節はアマダイ、秋はサワラ漁ですね。素潜りで牡蠣を獲ったり、刺し網でサケを獲ったりすることもあります。
――いろいろな漁のやり方があるんですね。ちなみに、危ない目にあったことなんてあるんですか?
渡邉さん:一度だけ沖まで出たときに大時化にあって、死ぬ思いをしました。それ以来、少しでも危なそうなときは漁に出ないよう気をつけています。
――無事でよかったです。それでも漁師をやってよかったですか?
渡邉さん:憧れていた海での仕事ですからね。秋におこなわれる岩船大祭では、漁師の家の玄関や船に大漁旗を掲げるんです。それが誇らしいですね。

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トレーニングを積むことで、
肉体だけでなく精神も鍛えられる。
――漁師さんとあって、さすがにいい身体をしていますね。
渡邉さん:20歳くらいからダイエットのためにランニングや体育館通いをしていたんですけど、まだそれほど一生懸命やっていたわけではなかったんです。
――では、いつ頃から?
渡邉さん:漁師をはじめてからですね。冬の間は身体が鈍るので、休んでいた筋トレを復活させたんです。ベンチとダンベルを購入して、自宅でトレーニングするようになりました。
――トレーニングは我流だったんですか?
渡邉さん:愛知にあるジムのトレーナーが配信しているYouTube動画を参考にしました。次第にそのトレーナーへの憧れが強くなって、そしたら「この人のような身体になりたい」と思うようにもなって、愛知のジムまで日帰りでパーソナルトレーニングを受けに行ったほどです(笑)
――ずいぶん遠くまで行ったんですね。しかも日帰りとは……(笑)
渡邉さん:それからどんどんハマっていってボディビルの大会を目指すようになり、新発田にあったジムに入会しました。ところが、その矢先に椎間ヘルニアと座骨神経痛を併発してしまったんです。ジムを退会しようとしましたが、会長から「できるトレーニングだけ続ければいい」と言われたので、痛み止めを飲みながら一年間トレーニングを続けて、ボディビルの大会に2度出場することができたんです。
――やっぱり身体を鍛えて得るものは大きいんでしょうか?
渡邉さん:トレーニングを積むことで、肉体だけではなく精神も鍛えられるような気がします。以前の自分は人と積極的に話すことはもちろん、ひとりで店に入ることもできなかったんです。そんな自分が変われたのはトレーニングのおかげだと思いますね。

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これからも理想のジム目指して、
夢を実現していきたい。
――「ARKFIT」をオープンしたいきさつを教えてください。
渡邉さん:自分の理想とするトレーニングジムを、地元につくりたかったんです。だから信頼できる有名ブランドのトレーニングマシンを揃えました。
――24時間利用できるようにしたのは、どのような思いがあったんですか?
渡邉さん:自分は漁師という仕事柄、時間がなかなか読めないんです。同じように、仕事が不規則な人でもトレーニングできるよう、24時間いつでも利用できるジムにしました。あと、無料でパーソナルトレーニングをおこなっていて、ケガなく無理なく続けることができるよう、正しいフォームでのトレーニングをご提案しています。
――安心して利用できますね。マシンも充実していますし。
渡邉さん:でも、なかなか計画通りにはいかなくて。まだ自分が思い描いていた半分くらいしか実現できていないんです。今後は少しずつ充実させていきたいと思っています。
――え、これでもまだ半分なんですか?
渡邉さん:ボディビル出場者のためにもタンニングマシンを置きたいんですよ。あといつかはサウナ設備一式を導入するのが夢なんです(笑)。なかなか時間がないんですけど、自分の身体づくりもしなければなりません。それが「ARKFIT」のPRにもつながりますからね。
――まだ夢の途中ということなんですね。
渡邉さん:私の夢はもちろん、「ARKFIT」がいろいろな方の夢を叶えるための「ノアの箱舟」みたいな場所になったらいいなと思っています。

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