長岡にできた「Tarco」で味わう、
季節を感じるフルーツが主役のタルト。
食べる
2026.07.04
個人的にとても楽しみにしていたお店がついにオープンしました。長岡のタルト専門店「Tarco」の店主・藤崎さんは、以前ご紹介した「おやつショップdabo」でドーナツを作られていた方なんです。「いつか自分のお店を持ちたい」と昨年から準備をすすめ、5月にお店をオープンしました。今回も、お店のこと、タルトのことなどを中心に、いろいろとお話を聞いてきました。
藤崎 妙子
Taeko Fujisaki(Tarco)
1985年長岡市出身。高校を卒業後、東京の製菓専門学校に進学。卒業後は東京のタルト屋さんで働き、ワーキングホリデーを利用してフランスのチョコレート専門店へ。その後、高校の同級生である高坂さんに誘われ「おやつショップdabo」の立ち上げに携わり、今年の5月に「Tarco」をオープン。最近はフルーツの熟し方の研究に熱中している。
キラキラしたタルトに憧れて。
東京とフランスで働いた修行時代。
――藤崎さんにお話を聞くのは「おやつショップ dabo」以来ですね。
藤崎さん:あのときはもう「おやつショップ dabo」を卒業することが決まっていたタイミングでしたね。あの後、高坂さんにサポートしてもらいながら、お店の物件や内装を決めていって、今年の5月にお店をオープンすることができました。オープンするまでも、高坂さんはいろんなイベント出店に誘ってくれたし、ポップアップイベントを開催する機会も作ってくれたんですよ。
――前回は深堀りできなかったのですが、藤崎さんは専門学校を卒業した後はタルト屋さんで働かれていたんですよね。
藤崎さん:東京の専門学校で製菓を学んだ後、都内にある「キルフェボン」というタルト屋さんで働いていました。はじめて「キルフェボン」に行ったとき、ショーケースに並んでいるタルトがすごくキラキラ輝いて見えたんです。そこでケーキを作っている人も、販売している人も輝いていて「ここのケーキに囲まれて働いてみたい」と思ったのがきっかけです。
――実際に働いてみて、印象に残ったことはありますか?
藤崎さん:ハードな毎日だったんですけど、振り返ってみると楽しかった記憶しかないかもです。最初は販売の仕事をしていたんですけど、お客さまにケーキの説明をしたり、何気ない会話をしたりするのが本当に楽しくて。でも、ある程度働くとどこかに行きたくなっちゃう性分で(笑)、その後、ワーキングホリデーを使ってフランスに行くことにしました。
――フランス行きには、どんな理由が?
藤崎さん:実は私の実家は、ホームステイ先として外国人を受け入れていて、長岡花火の期間になるとよく新潟県内の留学生が1週間くらい泊まりに来ていたんです。それで、いろんな留学生が自分の母国語ではない日本語で将来のビジョンを話している姿を見て、それに影響されて、高校のとき1年間フランスに語学留学もしていました。当時からフランスで働きたいって思っていたんです。
――フランスでは、有名なチョコレート専門店で働いていたそうですね。実際に働いてみて、いかがでしたか?
藤崎さん:スタッフやお客さまの感覚が日本とは全然違って、最初はとても戸惑いましたけど、新鮮でしたね。よく「フランスでは休みがしっかり取れる」って聞いていたんですけど、本当にそうで。毎日午後5時になったら仕事を終えてみんな帰るし、時間に間に合わなそうな人がいれば、上の人が終わるようにフォローしてくれるんです。自分の時間が取りやすかったのは、すごくよかったですね。
――お客さんの感覚が違う、というのも気になります。
藤崎さん:お店では、気になったチョコレートをひとつ試食できるんです。お客さんが試食をして気に入れば、説明をしなくてもたくさん買ってくれるところは、日本とは違うと思いました。あと、形が少し崩れていたり欠けたりしていても、ひとつの商品として販売していたのも面白かったですね。


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長岡でケーキをイチから学び、
自分のお店を出すまでのこと。
――その後、藤崎さんは長岡に戻ってきます。
藤崎さん:長岡市内のケーキ屋さんで働くことにしました。ご家族でやっているケーキ屋さんだったんですけど、ここでケーキ作りを基本から教えてもらったんです。というのも、「キルフェボン」で働いていたときは、フルーツのカットや最後の盛り付けのお仕事がメインだったんです。長岡のこのお店では、最初の粉の計量からケーキ作りに関わらせてもらっていました。フランスと違って夜遅くまで働くこともあったんですけど、ケーキとタルトのことをたくさん学ばせてもらいましたね。
――子育てや「dabo」での経験を経て、いよいよご自身のお店「Tarco」をはじめます。
藤崎さん:ここは以前カフェがあった建物で、出入り口の扉や椅子、机、照明なんかは当時からあったものを使っています。店内の床や天井は自分たちでDIYして作ったんですよ。私自身、DIYをしたことがなかったので、高坂さんやお手伝いしてくれる方に教えてもらいながら、なんとか作業を進めていました。私ひとりだったら、お店はオープンできていなかったと思います(笑)
――自身も関わったお店の中の内装で、こだわったことは?
藤崎さん:この建物が持つ、レトロでアンティークな雰囲気が活きるようにしています。最初は「キルフェボン」みたいに華やかにしようと思ったんですけど、ここに残っていた椅子や机を見て、色のイメージを落ち着いたものに変えました。それに合わせて、ディスプレイの什器に古道具を使ったりしています。
――ちなみに「Tarco」という名前は、どんなふうにつけられた名前なんでしょう。
藤崎さん:「タルト」と私の名前である「妙子」が合わさった名前です。お店を出す前にタルトを作って食べてもらったとき、「妙子さんのタルトが美味しい」って言いたいのに、混ざって「タルコさんのタルトが美味しい」って言う方が多くて(笑)。それをそのままお店の名前にしました。


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いちばん美味しいフルーツだけを使った、
フルーツが主役の、タルト。
――「Tarco」では、どんなタルトが楽しめるのでしょう。
藤崎さん:フルーツタルトをメインに、ショーケースを見るだけで季節を感じてもらえるようなタルトを作っています。お店を出す前はフィンガータルトを作っていたんですが、店舗ができて「大きいタルトも作りたいな」と思ったので、今はホールのタルトを中心にご用意しています。
――確かに、タルトには季節のフルーツがたくさんのっていますね。どれもキラキラしていて、宝石みたいです。
藤崎さん:私は、旬のフルーツを美味しく食べてもらうためにタルトを作っているんです。タルト生地ではなくて、あくまでもフルーツが主役のタルトを作りたくて。だから、タルト生地の厚さにはすごく気を使っています。食べたときに、生地が主張しすぎず、割れないくらいの厚さを目指して何度も試作しましたね。
――ということは、主役であるフルーツにもいろいろこだわりがありそうです。
藤崎さん:フルーツがいちばん美味しいタイミングで使うことは大事にしています。仕入れたフルーツをすぐ使うんじゃなくて、いちばんいい状態になるまで追熟させてから使うのですが、これがすごく難しくて。例えば、その日マンゴーを使ってタルトを作ろうと思っても、まだ完全に熟していないから使えなかったり、バナナなんかは熟しすぎて使えなかったりすることもあるんです。
――フルーツの状態を見極めるのは、とても難しいんですね。
藤崎さん:でも、そこにはどうしてもこだわりたくて。いちばん美味しくて熟したフルーツだけを使ってタルトを出したいので、ラインナップはその日になるまでわからないんです。でも、お店をやっていく中で、常にご用意できるタルトも作れるようになったので、最近は予約の受付をはじめました。これからは、その季節のフルーツを使ったタルトの情報も、Instagramで発信していこうと思っています。


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新たなスタートラインに立った
藤崎さんに聞く、これからのこと。
――お店をオープンして、藤崎さんご自身の手応えはいかがでしょうか。
藤崎さん:子育てや仕込みの関係もあって、毎週日曜日だけ営業しているのですが、「dabo」の頃から応援してくださっている方や、イベントで「Tarco」のことを知ってくれた方にたくさん来ていただけて、とても嬉しいですね。待ち時間があっても、待ってくださる方ばかりで。優しいお客さまばかりで感謝しかないです。
――これから「Tarco」でやってみたいことはありますか?
藤崎さん:いつかここで、イートインができるスペースがつくれたらいいな、と思っています。私自身、タルトを食べてくれたお客さまの反応を見てみたいっていうのもありますし、ゆっくりタルトが楽しめる場所がお店にあるともっといいのかなって。駐車場のこととか、お店の中のスペースのこととか、解決しないといけないことは多いですが、実現できたらいいなと思っています。あとは、タルト屋さんならではのものも作ってみたいんです。
――それはいったい、どんなものなんでしょう。
藤崎さん:タルトを使ったスムージーを作ってみたくて。タルト生地を焼いているとき、生地が割れてしまって、お店にはならべられないものがあるんです。味はお店で出しているものとは変わらないので、それを飲み物として楽しんでもらえたらいいな、と考えています。「Tarco」のタルトの美味しさをそのまま感じてもらえるような、ここでしか味わえない一杯を作りたいですね。


Tarco
長岡市三和3丁目6-2 みくにマンション T101
10:00-16:00
営業日:日曜日
※不定期で土曜日も営業。詳しくはInstagramをご確認ください。
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