Fashion Snap 服と人。:#30 阿部 温知

fashion snap

2026.08.16

みんながいつも身につけている「服」。服は日常生活の当たり前の存在であると同時に、自分を表現する存在のひとつでもあります。新潟の街で生活する人たちのファッションにフォーカスするシリーズ『服と人。』。今回は「特別編」として、本企画の企画・プロデュースを担当する北澤凌が制作したZINE(自由なテーマや形式で作る自主制作の小冊子)の中から、インタビューの一部を抜粋したスピンオフ企画をお届けします。特別編の第二回に登場してくれるのは、自身の生活や身体感覚に馴染むスタイルを大切にする阿部温知さんです。

 

企画/プロデュース・北澤凌|Ryo Kitazawa
ロケーション・新潟市

Brand:
T-shirt – Velva Sheen
pants – Taiga Takahashi
hoodie – JELADO
shoes – Hender Scheme
glasses – Lunor
camera – Leica MD


Please tell us about your fashion:

 

Harutomo Abe

 

Q. 洋服を好きになったきっかけは? – H.A.短大に入った頃ですね。好きなアーティストのイベントがあって、古町に行ったのがきっかけです。そこで大人のコミュニティをはじめて見て、知り合った服屋の人と交流するうちに服への興味が深まっていきました。特に「gourmet jeans」の変形デニムと、ブランドが発信していた写真やスタイルに強く惹かれて。当時は自分の中で体型にコンプレックスがあって、それを服で覆い隠せそうな感覚から入ったのが正直なところです。/Q. 洋服を選ぶ上での今の基準はありますか? – H.A.サイズ感、生地の硬さ、身体との相性ですね。学生時代はコンプレックスを隠すために大きい服を選びがちだったけど、就職して「服で変わるより、自分自身が変わる必要がある」って思って。そこから身体管理や生活そのものへ意識が移りました。今は大きすぎず小さすぎないサイズ感や、生地の硬さを確かめながら本当に着たいものだけを選んでいます。/Q.スタイリングを組むうえで大切にしていることは? – H.A.シンプルで装飾の少ない服が好きで、ミニマル志向というより、身体や生活に自然に馴染むことを重視しています。動きや振る舞いが自然に見える状態に惹かれますね。アメリカ的な実用性や健康的な強さに魅力を感じていて、お洒落に見えることよりも、自分自身の生活や身体と服がちゃんとつながっていることの方が、俺にとってはよっぽど大事ですね。/Q. カメラに本格的にハマったきっかけも教えてください。 – H.A.爺ちゃんが持っていた「Leica」を引き継いだことが大きいですね。弟と共有で使っていて、お互いの写真を見せ合いながら刺激を受けて、自分のやりたい写真のスタイルを固めていきました。何かを残したい感覚って誰にでもあると思うけど、俺の場合は「私的ドキュメント」っていうスタイルが写真を撮っていていちばんしっくりきて。自分が見たものや、過ごした時間を残しておきたい気持ちが強いです。/Q. 洋服の経験は、今の写真にもいきていますか? – H.A.確実にそうですね。自分の見た目にフォーカスした経験がなかったら、自分なりの良し悪しを判断する「批評性」みたいなものが備わっていなかったはず。その軸がないと、「こうは撮るべきではない」という基準も生まれなかったと思います。経済的な部分で多少無理して服を通ってきたからこそ、今自分が良いと思える写真が撮れるようになりました。

 

 

NAME CARD

洋服って、僕にとっては「名刺」みたいなものだ——言葉を交わさなくても、「僕はこういうものが好きなこんな人間です」と一瞬で伝えてくれる。これまで、僕はそんなふうに洋服を名刺代わりにして、たくさんの人と出会ってきた。北澤凌が、「洋服」という共通言語を通じて出会った8人の親しい友人たちにマイクを向けた、名刺代わりのZINE。

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