子どもも大人も美味しく栄養が摂れる「Quiche Party」のキッシュ。
食べる
2024.02.26
新潟市東区にある「Quiche Party(キッシュパーティー)」は、県内では珍しいキッシュの専門店です。こちらのお店をオープンした店主の伊藤さんは、長年助産師として働いていたという経験の持ち主。「効率よく栄養が摂れるキッシュを、子どもたちに食べてもらいたい」という思いからキッシュの専門店をはじめたんだとか。お店をはじめてからのことや、キッシュへのこだわりについてお話を聞いてきました。


Quiche Party
伊藤 麻里子 Mariko Ito
新潟市生まれ。助産師として20年近く勤める。2023年10月、新潟市東区にキッシュ専門店「Quiche Party」をオープン。
助産師さんから、キッシュ専門店の店主に。
――キッシュの専門店って珍しいですよね。どんなきっかけがあって、こちらのお店をオープンされたんでしょうか。
伊藤さん:キッシュって、子どもたちに効率よく栄養価の高いものを摂ってもらうのにすごくいい食品だなっていうことに気づいたんです。それでまずは作ったキッシュを自分の子どもたちに食べさせていたんですけども、ゆくゆくそれを広めていって、いろんなお子さんにキッシュを食べてもらえるようになればいいなと思ってお店をはじめました。
――確かに、キッシュっていろんな具材を一度にペロっと食べられちゃいますもんね。
伊藤さん:具材に何を入れても大丈夫なので、バリエーションが豊富なんです。ものによってはキッシュ1個の中に5大栄養素が全部入ることもあります。

――こちらのお店をはじめられるまで、長く助産師さんをされていたそうですね。
伊藤さん:去年の8月まで助産師をしていました。20年弱働いて、助産師が天職だと思っていたので「ずっと続けるのかな」と思っていたんですけど、自分で何か立ち上げてはじめるとなったら違うのかなって。それでいったんきりをつけることにしました。
――ご自身でいちから立ち上げる経験をしてみたかったんですね。そこで思いついたのがキッシュの専門店と。お店の準備はいつからはじめたんですか?
伊藤さん:助産師を辞める2年前くらいから、働きながらコツコツお店の準備をしてキッシュをかたちにしていきました。お店の計画と、商品開発ですね。

素材の味を感じられる、味変も楽しめるキッシュ。
――いろんな種類のキッシュがあるんですね。
伊藤さん:「ほうれん草パーティー」「サーモンパーティー」「ミートソースパーティー」「カレーパーティー」の4種類はレギュラーで置いています。あとは期間限定メニューを1、2個置いていて、今日は「えびキャベパーティー」と「いもブロパーティー」です。
――全部のメニュー名に「パーティー」が付いているのがかわいいですね(笑)。期間限定の2種類は季節の食材を使って作っているんでしょうか。
伊藤さん:そうですね。「いもブロ」は今時期に美味しいさつまいもを入れていますし、「えびキャベ」には柔らかくて甘い春キャベツを入れています。

――卵や小麦など、キッシュに使っている材料にもこだわりはありますか?
伊藤さん:国産で、できれば地産地消で県産のものを使うようにしています。卵に関しては五泉の「キムラファーム」さんの卵を使っていますし、薄力粉も県産ですね。全粒粉やバター、生クリームは北海道のものを使っています。
――「お子さんに食べてもらいたい」っていうこともあって、できるだけ安心安全な材料を使われているんですね。
伊藤さん:ただ卵も小麦も乳製品も使っているので、アレルギーのお子さんは食べられないんですよね。だからいつかは米粉とかを使って、アレルギーフリーのキッシュを作れればいいなと思っています。卵を使わないでどう作るのかっていうところなんですけど、いつかクリアできればいいですね。
――卵を使わないキッシュって、なかなか難題ですね……。味付けでも気を付けていることはありますか?
伊藤さん:お子さんが食べられるように、あまり濃い味にはしていません。卵も美味しいものなので、卵の味や野菜の味が分かるように少し薄めにしています。これだけの厚みがあって、しかも生クリームが入るのでくどくなりやすいんですけど、重く感じたり飽きたりしてしまわないように味を調節しながら作っています。

――それぞれのメニューに「おすすめ味変」と書かれているように、食べながら味変してみるのも楽しそうですね。
伊藤さん:大人の方は、お酒に合わせようと思ったらもうちょっと味が濃い方がいいのかなと思うので、お好みで味変を楽しんでいただくのもおすすめです。私は最近、「ミートソースパーティー」にタバスコをかけて食べるのにハマっています(笑)
――美味しそう……大人の楽しみ方ですね。それにキッシュって朝昼晩、いつ食べてもいいから食卓で活躍しそうです。
伊藤さん:焼いた翌日中までなら食べられるので、うちは子どものお弁当にしています。キッシュをアルミホイルに包んで渡すだけ。寒い時期は常温で戻ってちょうどよく食べられるし、お弁当箱いらずなんです(笑)。それに焼いた次の日の方が卵に味が馴染んで美味しくなるんですよ。
――美味しくて手軽に栄養も摂れて、お弁当にはいいですね。他にもおすすめの楽しみ方ってありますか?
伊藤さん:自分用にひと切れずつ買われる方も多いんですけど、うちの店名が「キッシュパーティー」ですので、イベントのときにみなさんでホールのキッシュを囲んでいただくこともおすすめしています。ホールは受け取りの2日前までにご連絡いただければ用意しますし、カットは当日のご連絡でも大丈夫です。

「ありがとう」の気持ちを忘れずに、続けていきたい。
――前のお仕事とはまったく分野の違うお仕事ですが、お店をはじめてみて感じたことはありますか?
伊藤さん:前職は責任感がついてまわる仕事なので、「ありがとう」って言われることが当たり前になっていたところがちょっとあったんです。感謝される方の立場だったんですけど、今は逆になって私がお客様に「ありがとうございました」って言えていて。それにどのお客様も「ありがとうございました」って言ってくださるんです。「いやいや、こちらが『ありがとうございます』です」って思うんですけど(笑)。こんなに私が感謝しているのに、お客様からも感謝されるんだなっていうことが驚きでした。
――「ありがとう」という言葉の感じ方が変わったんですね。
伊藤さん:前よりも素直に「ありがとう」って言えるようになったっていうか。素直に人に感謝するっていうことが、できていたつもりでできていなかったのかなって今気づかされていますね。本当にいろんな方のおかげでここまで来たので、ありがとうの気持ちを忘れずに、ちゃんといつか恩返しができるようにしたいです。

Quiche Party
新潟市東区竹尾3丁目20-14
TEL:025-383-6974
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