1リットルのビッグサイズ「横渡家のプリン」が評判、阿賀野市「瓢家」。
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2025.04.18
阿賀野市で約80年続く「瓢家(ひさごや)」。冠婚葬祭やスポーツ大会の打ち上げ、会議後の宴席などを得意とする料理店が、1リットルサイズのプリンを販売しています。その名は「横渡家のプリン」。横渡親子に「瓢家」の歴史や、ビッグサイズプリンを作りはじめたきっかけなど、いろいろとお話を聞いてきました。

瓢家
横渡 真彦 Masahiko Yokowatari
1967年和歌山県生まれ、阿賀野市育ち。「瓢家」3代目。調理師学校を卒業後、半年ほど新潟市内の寿司店で働き、家業の「瓢家」に入る。

瓢家
横渡 あずさ Azusa Yokowatari
1993年阿賀野市生まれ。多忙な家業をサポートするため「瓢家」で働きはじめる。親子ともどもディズニーが好き。
阿賀野市で3代続く料理店。ルーツは、洋食にあり。
――「瓢家」さんは、どれくらいの歴史があるんですか?
あずささん:はっきりとした記録があるわけではないんですが、おおよそ80年くらいだと思います。
真彦さん:私のじいちゃんが「瓢家」の初代です。中学卒業後に東京に行って、麻布の精肉店で働いていたようです。そのとき、近場の「ひさごや」という洋食店に出入りしていたみたいで。そこでとんかつやカレーライスを習って、暖簾分けしてもらったんでしょう。同じ名前の「瓢家」を地元の阿賀野市ではじめました。ちなみにじいちゃん、イギリス大使館でコックとして働いていたこともあるみたいで、その当時の写真があるんですよ。

――初代は洋食店で経験を積まれたんですね。
真彦さん:「瓢家」は、今でも洋食ベースの料理店です。私が「瓢家」に入った頃は、まだあまり洋食が浸透していませんでした。「料理はどうせ既製品だろう」と思われていたほどで。お客さまは、はじめて見るメニューが多かったんでしょうね。客間で何度もメニューの説明をしましたよ。
――今はどんな営業スタイルなんですか?
真彦さん:冠婚葬祭や会議後の宴会、スポーツクラブの会合など宴席を予約制で承っています。少人数にちょうどいい個室もあるし、120名が利用できる大広間もあります。

遊び心から誕生した、1リットルのドデカプリン。
――そんな「瓢家」さんが、プリンの販売をはじめたのはどうして?
あずささん:あのプリンは、祖父の味なんです。祖父は、私が小さい頃から、家族やお手伝いさんにお手製プリンをふるまってくれました。まかないというか、おやつというか、お客さまには出さない特別なプリンでした。できたての温かいプリン、懐かしいな。
真彦さん:それを私がビッグサイズにアレンジして、宴会料理の最後に出したんですよ。遊び心があるデザートとしてね。そしたら、お客さまから「このプリン、売ってないの?」とリクエストされるようになって。
あずささん:宴会料理の締めとして楽しんでもらっていた味を、2017年に「横渡(よこわたり)家のプリン」という名前で販売することにしたんです。

――それから、口コミでじわりじわりと広がっていったんですか?
あずささん:しばらくは思ったほどは売れなかったよね。最初のひと月は、10個売れたかどうかってくらい。それが新聞で紹介されてからは、あれよあれよと注文が殺到して。多い月は、500個は作ったと思います。
真彦さん:「五頭山麓 うららの森」さんで販売しているんですけどね。納品が間に合わないときは、「うららの森」のスタッフさんがお客さまに「『瓢屋』に直接行ってみてください。そこならプリンがありますから」って言うわけ。それで、うちに買いに来てくれる方が増えたんですよ。
あずささん:今は「道の駅あがの」や県内のスーパーさんにも「横渡家のプリン」を置かせてもらっています。事前にご注文をいただければ、いくつでも作りますよ。

シンプル素材で作る、ちょっと固めなレトロ味。
――料理店のプリンだって、知らずにいる方もいるでしょうね。
真彦さん:プリンは「瓢家」のいい宣伝をしてくれています(笑)。プリンを買い求めに「瓢家」まで来られて、「お菓子屋さんじゃないんだ」「料理屋だったのか」と驚かれる方はたくさんいます。
――「横渡家のプリン」という商品名からは、まさか「瓢家」さんが作っているなんて想像できませんもんね。
あずささん:商標登録するためにプリンの名前をたくさん考えたんですよ。たぶん、50個は候補を考えたと思います。私としては80年の歴史がある「瓢家」の看板はとても背負いきれない。「荷が重い」と思っていて。それで、ちょっと変わった「横渡」という名字をプリンにつけたんです。

――大きさ以外にどんな特色があるんでしょう?
あずささん:最近流行っている固めのプリンですよ。純喫茶で出てくるような。材料は砂糖、牛乳、卵の3つ。シンプルで懐かしい味がすると思います。
――あずささんにとっては、小さい頃から親しんだ味が、今「瓢家」さんの看板になっているんですね。
あずささん:「横渡家のプリン」がきっかけで「瓢家」をたくさんの方に知ってもらえました。まさかこんなことになるなんて、予想していなくて。もっといろいろな場所でプリンを販売したい気持ちもあるんですけど、まだまだ阿賀野市で頑張ろうかなと思っています。地元でも「横渡家のプリン」をご存知ない方は、たくさんいらっしゃいますから。

瓢家
阿賀野市笹岡252
0250-62-3476
※横渡家のプリンは、事前予約推奨
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