あんこをそのまま食べてほしい。
上古町にできた、「山本あん子商店」
食べる
2026.02.21
今月、上古町商店街に新しいお店がオープンしました。「山本あん子商店」は複合施設「SAN」の中にできた、あんこの専門店です。このお店の山本さんご夫婦は、新しいあんこの楽しみ方を提案してくれます。中でも注目したのは、あんこをそのまま食べるためにつくられた「そのままあんこ」という商品。今回はおふたりに、お店をはじめたきっかけや、「そのままあんこ」のことなど、いろいろお話を聞いてきました。今日からあなたもあんこ派になる、かも?
山本 裕
Yutaka Yamamoto(山本あん子商店)
1979年新潟県出身。会社員として経理に携わる仕事をしているとき、淳子さんと出会い結婚する。その後、淳子さんの父親に誘われ製餡の仕事をはじめる。別の製餡会社に勤めながら、今年の2月に「山本あん子商店」をオープン。お店では製餡やメニュー開発を担当する。
山本 淳子
Junko Yamamoto(山本あん子商店)
1983年新潟市出身。実家の家業が製餡を営み、小さい頃からあんこに親しんで育つ。社会人として働く中で、豊さんと結婚する。「山本あん子商店」では販売を担当。
あんこが大好きなふたりが、
あんこの専門店をつくるまで。
――今日はよろしくお願いします。早速ですが、淳子さんのご実家は製餡所を営まれていたと聞きました。
淳子さん:本町で「岡田製餡所」という屋号であんこをつくっていました。今は別の屋号であんこをつくり続けていて、新潟県内の和菓子屋さんやパン屋さんにあんこを卸したり、あんこを使った商品を販売したりしています。私自身はそこで働いているわけではなく、旦那さんがそこで製餡の仕事をしています。
――裕さんは、どんな経緯で製餡の仕事をすることに?
裕さん:もともとは経理の仕事をしていたんですけど、奥さんと結婚した後、製餡の仕事をしていたお義父さんに「一緒にやらないか」って声をかけられたのがきっかけです。今までやったことのない仕事で、迷いもあったんですけど、ものをつくる仕事には興味があったし、何よりお義父さんのつくるあんこが本当に美味しくて。僕、もともとあんこが食べられなかったんですけど、お義父さんのつくったあんこは美味しく食べられたんです。
――それから、製餡の仕事をはじめられたんですね。おふたりでお店をはじめたのには、どんな経緯があったのでしょう。
裕さん:今勤めている製餡の会社にいると、和菓子屋さんやパン屋さんにあんこを卸すことが多くて、お客さまに直接美味しいあんこを届ける機会がないんです。その機会をどこかでつくれたら、と思っていたときに、僕の身体にがんが見つかって。
淳子さん:そのとき、あとどれくらい一緒に過ごせるかはわからない、っていうことに気づいて。ずっとやりたいと思っていた、あんこを売るお店を一緒にやろうと決心したんです。ご縁あって、「SAN」の一角でお店をはじめることになりました。
――気になっていたのですが、お店の名前が「あんこ」ではなく「あん子」ですね。
淳子さん:お店をつくるとき、「hickory03travelers」の迫さんと「駄菓子っていいよね」って話になって、それで。以前はこのあたりに駄菓子屋さんが結構あったんですけど、今はなくなってしまったんです。駄菓子屋さんって、子どもが自分のお金で買い物をする、社会の窓口みたいな存在だと思っていて。そんなお店が古町にもあったらいいな、と思って駄菓子も販売することにしました。
――こちらのお店では、何もつけずに、そのまま食べることができるあんこがあると聞きました。
淳子さん:あんこってお団子やモナカみたいに、何かと組み合わせて食べることが多いと思うんですけど、私はあんこをそのまま食べるのが当たり前だったんです。小さい頃、大きな釜に入った炊きたてのあんこを、そのまま味見させてもらったときの美味しさが忘れられなくて。皆さんにもこの美味しさを知ってもらいたいな、と思って「そのままあんこ」という商品をつくりました。


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甘さ控えめで、食材にこだわった、
そのまま食べられる、あんこ。
――甘さが控えめとはいえ、そのままあんこを食べるって、ちょっと勇気がいるかもしれません。
淳子さん:無性に甘いものが食べたくなるときってあるじゃないですか。そういうときにチョコレートをたくさん食べると、次の日のお肌に影響が出るし、罪悪感もすごいあると思うんです。でも、あんこはたくさん食べてもそんなことなくて。カリウムが入っているのでむくみに効果がありますし、ポリフェノールも入っているので身体にいいんですよ。
――たくさん食べても罪悪感はないですね。
淳子さん:もちろん、それなりに砂糖も入っているので、食べ過ぎは身体に良くはないんですけどね(笑)。あんこは乳製品を使っていないので、産後の方にもおすすめしたいです。
裕さん:うちでつくるあんこは、着色料や保存料を使っていないので、どんな方にも安心して食べていただけると思います。使う食材にもこだわっていて、小豆と砂糖は北海道でつくられたものを使用しています。砂糖はビート大根からつくったものを使っていて、食べやすい甘みで、腸内細菌にも効果があるのが特徴です。
――あんこをそのまま食べる、「そのままあんこ」には、いろんな味を楽しめます。
裕さん:新潟でつくられた食材を使うことは大事にしています。どれも市場には出回らない規格外の食材を使っています。かぼちゃや紫いもは、味はもちろん鮮やかなあんこの色もぜひ楽しんでほしいですね。「そのままあんこ」のラインナップは今後も増やしていけたらいいな、と思っています。
――おふたりのおすすめのあんこ、教えてください。
裕さん:お正月に期間限定で販売していた「黒蜜きなこあん」ですね。西区の「サンクスファーム黒鳥」さんの黒崎茶豆をきな粉にしたものに、黒蜜を使ったちょっと豪華なあんこです。お正月にお餅を食べるとき、あんこ派かきなこ派か、みたいな話ってあるじゃないですか。そのふたつを一緒にしてみようと思ってつくってみました。
淳子さん:期間限定のつもりで販売していたんですけど、ありがたいことにすごく好評をいただいて。「また買いたい」っていうお客さまの声もあったので、レギュラー入りしたあんこです。「そのままあんこ」の中でも、いちばん「そのまま」で食べてほしいあんこのひとつです。
――こちらでは新しいあんこの楽しみ方も提案されていますね。
淳子さん:あんこを溶いてつくる「アンコユ」というものをご用意しています。日によってメニューを変えていて、今日は「かぼちゃあん」を使ってポタージュ風にしたものをご用意しています。私のおばが、甘くないあんこをお湯に溶いて砂糖を入れたものを寝る前に飲んでいたのを思い出して、つくってみたんです。おしるこより軽く楽しめるので、白山神社に向かう途中のお供や、ランチの後のちょっとした甘いものにぴったりかなと思います。


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和菓子だけじゃない!
新しくて美味しい、あんこの世界。
――新しいあんこの楽しみ方がたくさんあって、いろいろ試したくなっちゃいました。
裕さん:そう思ってもらえると嬉しいですね。新しいあんこの楽しみ方はもちろん、これまでやってきたことも続けていきたくて。甘くないあんこも、予約販売というかたちでご用意しているんです。「いとこ煮」みたいにお料理にあんこを使いたい人や、自分の好みの甘さであんこをつくりたい人にぜひ使ってもらえたら、と思っています。
淳子さん:小豆からあんこをつくろうと思うと、すごく手間がかかるんです。でも、ここで甘くないあんこを買っていただければ、あとは砂糖とお水を入れて煮るだけなので、手軽に自分の好みの甘さであんこがつくれますよ。白インゲンのあんこを使えば、フルーツ大福がつくれたり、お菓子づくりの幅が広がると思います。
――製餡のお仕事をしているからこそ、できることですね。おふたりが今後、「山本あん子商店」でやってみたいことは?
裕さん:まずは、あんこをそのまま食べるっていう楽しみ方を知ってもらいたいんですけど、他の和菓子屋さんや生産者さんとコラボして、新しいメニューも出していきたいです。あんこがたっぷり乗ったお団子とか、氷よりもあんこのほうが多いかき氷とか(笑)。商店街のお店ともコラボして、新しいあんこの可能性を見つけていきたいですね。
――最後に、おふたりのおすすめのあんこの食べ方、教えてください!
淳子さん:そのまま食べるのはもちろん、クラッカーにのせればオードブルのひとつとして楽しめます。あと、うちでも販売している、小豆の蜜漬けをパンの上にのせて、その上にチーズをかけて焼くのはおすすめです。甘じょっぱさがたまらないんですよ。
裕さん:そうそう。あと、「かぼちゃあん」も乳製品と相性がいいので、これもチーズに合いますね。あんこの甘さが優しいので、組み合わせ次第でデザートにもおつまみにもなると思います。あんこがもっと自由に楽しめるような食べ方をもっと提案できるように、いろんな組み合わせを試していこうと思います。


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