自分らしく過ごせる居場所に。
丸潟にできた「Nolla Mura」。

その他

2026.03.16

text by Ayaka Honma

江南区丸潟に今月オープンした、「Nolla Mura(ノーラ ムラ)」。この場所は、カフェ、シェアアトリエ、ライフデザインルームという3つの機能を持ち、日本茶を楽しんだり、シェアアトリエとして使ったり、キャリアのことを相談できたり、様々な使い方が可能です。この場所を作った山口さんは、「日本の文化を発信したい」と、東京や鹿児島、長野で宿泊のお仕事に携わってきました。今回は「Nolla Mura」のプレオープンにお邪魔して、山口さんのこれまでのことや、この場所でできることなど、お話を聞いてきました。

Interview

山口 真奈

Mana Yamaguchi(Nolla Mura)

1997年関川村出身。高校卒業後は、東京で学生時代を過ごす。インターンでの経験がきっかけとなり、その後は全国規模で宿泊施設を運営する会社に就職し、東京、鹿児島、長野で働く。昨年新潟に戻り、古民家を使った居場所「Nolla Mura」をはじめる。藤井風が好き。

東京で感じた、人のつながりの大切さ。
「Nolla Mura」ができるまで。

――山口さんは、以前は宿泊関係のお仕事をされていたそうですね。

山口さん:学生のとき、外資系のホテルのインターンに参加していたんです。そこで海外のお客さまが日本の食文化を楽しんでいる姿に感動して、日本の文化を伝えることができる仕事に惹かれました。

 

――山口さんの社会人としてのキャリアがスタートした頃は、感染症の拡大がありましたね。

山口さん:感染症は仕事にも影響しました。海外からのお客さまがほとんどだったので、仕事ができなくて、家にずっといるようになって。同期が近くに住んではいたんですけど、なかなか会えなくて、より孤独を感じていたかもしれません。そんなときに、鹿児島でお仕事をすることになったんです。

 

――鹿児島へは、どんな経緯で?

山口さん:東京で仕事ができなくなってから、稼働が伸びはじめていた熱海の施設へ短期異動しました。それまで東京という場所にこだわっていたんですけど、熱海で働いてみて、そうじゃないことに気づいて。そのタイミングで、鹿児島で新規開業する系列の施設の公募があり、東京に戻る選択はせず、そこに応募して鹿児島に異動することにしました。

 

――東京から鹿児島の異動は、環境の変化が大きかったと思います。

山口さん:そのときは「知らない土地に行ってみよう」みたいな軽い気持ちでした(笑)。でも鹿児島での経験は私にとってすごく大きくて。いろんな人とつながって、地域づくりに関わることができたのが鹿児島なんです。私がすごく尊敬している経営者の方とのご縁がきっかけで、鹿児島で地域づくりに関わるプレイヤーさんを紹介してもらいました。そこから最終的には地域での大きなマルシェを運営したり、資源を循環する地域づくりに取り組んだりできましたね。

 

――その後は長野で人事のお仕事をしていらしたんだとか。

山口さん:鹿児島では、最初その地域の魅力発信や、地域のつながりに重きを置いて仕事をしていました。働いていくうちに、いい発信をするためには、働く環境を整えることが不可欠だということに気づいて。それで、人事を希望して長野に異動しました。

 

――県外で長く働かれていた山口さんが、新潟に戻ってきたのには、どんな経緯があったのでしょう。

山口さん:いつか独立したいっていう思いが学生の頃からあって、「古民家を使ってなにかできないかな」って考えていたんです。そのときに、ちょうど知り合いからこの物件を紹介してもらったんです。すごくいいタイミングで紹介してもらえて、建物の状態も良かったので、ここを借りることに決めました。

 

――そうしてつくられたのが「Nolla Mura」という場所なんですね。

山口さん:「Nolla」はフィンランド語で「0」を表します。北欧には「大人のための民主主義学校」と呼ばれている「フォルケホイスコーレ」というものがあって。就職する前に自分が何をしたいか、対話を通して考えるための場所なんです。ここで大切にされている「余白」の考え方を「Nolla Mura」に落とし込もうと思ったんです。「0」の丸い形が資源やつながりの循環や、「Nolla Mura」のある丸潟にも通じていたので、この言葉を使うことにしました。

 

――「余白」を大事にするという場所、ということですね。

山口さん:自分がこれからどうなりたいかを見つめてもらうための、「余白」の時間を過ごしてもらえたらいいなと思います。それと、この場所は人とのつながりも大事にしたくて。日本の文化である「むら」のようなコミュニティをつくる場所にもしていきたかったので、ふたつの言葉をあわせて「Nolla Mura」という名前にしました。

 

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人とつながり、自分を見つめる。
この場所でできる、3つのこと。

――こちらは、どんなことができる場所になっているのでしょうか。

山口さん:カフェとシェアアトリエ、ライフデザインルームという3つの機能を持った場所になっています。カフェは各地の日本茶をご用意していて、飲み比べを楽しんでいただけますよ。村上のお茶はもちろん、鹿児島の日本茶もあるので、それぞれの味を比べてもらえたら嬉しいです。ここは人とつながりやすい空間にしたくて、L字のカウンターにしてみました。お客さま同士でコミュニケーションが生まれたら嬉しいですね。

 

――空間の内装やお茶からも、日本の文化を感じることができますね。

山口さん:急須や湯呑の中には、「もえぎ陶房」さんにお願いしてつくっていただいたものもあります。お茶や茶器から新潟らしさを感じてもらいやすいですし、お茶という日本の文化を体感できる場所になっていると思います。シェアアトリエは、ヨガのレッスンやワークショップができる場所です。今日も「己書(おのれしょ)」の先生がワークショップを開催してくれています。

 

――「アトリエ」って聞くと、何か作品制作のための場所なのかと思っていました。

山口さん:自分を表現したり、これからの暮らしのことを考えたりする機会を「創る」場所にしたくて、アトリエという言葉を入れました。和室の雰囲気がいい「床の間ルーム」とヨガやサロンの利用に向いている「フローリングルーム」のふたつのお部屋がありますよ。

 

――いろんな「やりたい」がかたちにできそうです。最後のライフデザインルームというのは……?

山口さん:前の職場では働く環境のあり方を労務の面から考える傍ら、副業で個別のキャリア相談も行っていました。「キャリアコンサルティング」って堅苦しいイメージを持っていらっしゃる方もいると思うんです。カフェに行くくらいの気軽さで、これからのことについて何でも相談できる場があればいいなと思ってつくった場所なんです。

 

――そういった相談って、転職先を探すときにするものだと思いこんでいました。

山口さん:そんなことないんですよ。私は転職先を紹介してないですし、ここでは今抱えているモヤモヤを整理して、これからどうなりたいかを一緒に考えていくんです。次のキャリアを決める前に、今の自分の棚卸しをして、これからの働き方や生き方を見つめてもらえる場所になっていると思います。「今悩んでいることがあるけど、社内の人には相談しづらい」みたいな悩みがある方が、気軽にふらっと来てもらえる場所にしていきたいですね。

 

お漬物がついてくるのが嬉しい、日本茶の飲み比べセット。

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ふらっと行ける、地域の居場所。
ここからはじまる、新しい「むら」。

――これから「Nolla Mura」をどんな場所にしていきたいですか?

山口さん:気軽にふらっと来てもらえるような、地域の居場所みたいにしていきたいです。何も用事がなくても来てもらって、その場にいる人たちで会話が生まれて、つながれるような場所になればいいなと思っています。地域の方はもちろん、日本の文化も体感できるので、外国の方にも観光がてら来ていただけると嬉しいですね。

 

――こちらの場所で今後、どんなことをやっていきたいですか?

山口さん:キャリアにまつわるワークショップは定期的に開催していきたいですね。過去にはこれまでの自分を整理しつつ、今年一年の抱負を書いてもらったり、「ライフキャリアレインボー」を使ってこれからのキャリアを考えたりしました。あと、私自身の目標になっちゃうんですけど、どんどん横のつながりを増やしていきたいとも考えています。

 

――横のつながり、といいますと?

山口さん:鹿児島にいた頃は、地域づくりに関わりやすいなって感じていたんです。でも新潟ってとても広いじゃないですか(笑)。新潟に戻ってきてまだ一年経っていないのもあって、どこでどんな方が活動されているかをまだまだ知らないんです。これからは、そういった方とつながりが持てたらいいなと思っています。

 

日本茶と一緒に楽しめるお茶菓子。この日はグルテンフリーのティラミスでした。

Nolla Mura

新潟市江南区丸潟1-4-17

11:00-17:30

営業日はInstagramをご確認ください。

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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