秋葉区でクラフトビールを醸造する
「ムギノミツ.」の挑戦。
食べる
2026.03.17
1994年に新潟市西蒲区の「エチゴビール」が全国初のクラフトビールを醸造してから、新潟では「日本のクラフトビール発祥の地」として多くのブルワリーが誕生しました。今回紹介する「ムギノミツ.」もそのひとつ。秋葉区で初めてのブルワリーとしてクラフトビールの製造に挑むのは、今までビールどころか醸造に携わったことのない小林さん。タップルームの営業前にお邪魔して、醸造をはじめたいきさつや将来の夢などを聞いてきました。
小林 一行
Kazuyuki Kobayashi(ムギノミツ.)
1976年阿賀野市生まれ。医療関係の仕事に携わってきて、2025年6月に「ムギノミツ.」をスタート、同年8月にはタップルームをオープンする。中学時代からバスケットボールを続けている。
未経験者がたったひとりで
クラフトビールの醸造をはじめる。
――小林さんは、昔からクラフトビールがお好きだったんですか?
小林さん:実はそんなに前からではないんですよ。2020年くらいから酒屋さんに国内外いろいろなクラフトビールが並びはじめたときに、興味本位で飲んだ「BREWDOG(ブリュードッグ)」の魅力にハマってしまったんです。それから、いろいろな商品を飲み比べて楽しんでいました。
――そのクラフトビールを、ご自身の手でつくろうと思ったんですね。
小林さん:家庭の事情で前職を辞めることになって、これから何をしようかと考えたときに、せっかくだから今までとは違った新しいことに挑戦したいと思いました。ものづくりの仕事に興味があったので、好きだったクラフトビールをつくってみたいと思ったんです。
――クラフトビールをつくった経験なんてなかったんですよね。
小林さん:そうなんです。だから、自分にもつくれるものなのか調べるところからはじめたんですが、想像していた以上の資金や設備が必要と知って諦めかけたんです。そんなときに栃木のブルワリーと出会って、ひとりでもクラフトビールの醸造が可能だと希望を持つことができました。
――おお、それはよかったですね。
小林さん:できることをすべて自分でやることで、お金をかけず小規模なブルワリーをはじめることができると教わりました。ひと月研修を受けさせていただき、ブルワリー開業に向けての手続きもすべて自分でおこないました。
――すべてひとりでやるのって、かなり大変だったんじゃないですか?
小林さん:大変でしたね。再提出を7〜8回繰り返した書類もありました。私が醸造の未経験者だったことも、手続きに時間がかかった要因でしたね。でもお金をかけられない代わりに手間がかかっても仕方ないと思っていましたし、いい勉強になったと思っています。

Advertisement
酵母という生き物を相手に
試行錯誤しながら醸造を続ける。
――開業前にかなり苦労があったと想像できます。でもそこからがようやくスタートなんですもんね。
小林さん:そうなんですよ。栃木の研修先に教わりながら設備を整えたものの、どう使えばいいのかわからない機械もありました。そこで最初だけ研修先に来てもらって、教わりながら仕込みをしたんです。その後はメールや電話で相談しながら醸造しました。
――最初に完成したクラフトビールを飲んだときのことを覚えていますか?
小林さん:大きなトラブルなく完成したことに安心したのと同時に、完成品が正解なのかわからず不安な気持ちもありました。
――二回目以降はおひとりで醸造に取り組んでいるんですよね。どんなことにこだわっています?
小林さん:とにかく経験が足りないので、試行錯誤を繰り返しながら経験を積んでいるところなんです。だからまだ「こだわり」なんて言える段階じゃないんですよ。強いていえば、丁寧につくっている、ということですかね(笑)
――醸造する上で難しいと感じることはありますか?
小林さん:難しいことしかないですね。酵母という生き物を相手にしているので、予測できないようなことが起こるんです。研修先にメールや電話で相談しているんですけど、直接携わっていないとわからないことも多いんですよ。そこで研修先からは考えられる原因をいくつか教えてもらって、自分で状況とつき合わせながら原因を導き出して対処するようにしています。
――どんなクラフトビールをつくっているのか教えてください。
小林さん:豊かで華やかな香りが特徴の「ペールエール」、フルーティーでクリーミーな白ビール「ヴァイツェン」、ホップを大量に使って香りや苦みがとても強い「IPA(インディア・ペールエール)」の三種類です。

Advertisement
ビールを味わえるタップルームと
多くの人たちに届けたい瓶ビール。
――タップルームは、最初から併設しようと考えていたんですか?
小林さん:はい、そのつもりでブルワリーの物件を探しました。最初は中央区で探したものの条件に合う場所が見つからず、ようやく今の物件に巡り合ったんです。JR新津駅の徒歩圏内で、ちょうどいい広さだったのが決め手になりました。
――リノベーションしたのか、新しくて綺麗ですね。
小林さん:そうなんです。建築事務所から「ビールの琥珀色が映えるように白を基調にした方がいい」とご提案いただき、カウンターやテーブルも白っぽい木調で合わせてもらいました。インテリアも白やベージュで合わせるよう気をつけています。
――確かにビールの色が綺麗に映えますね。タップルームをオープンしてみて、まわりの反応はいかがですか?
小林さん:地元の人たちも「町内に飲める店ができて嬉しい」と喜んでくださり、よく足を運んでくれますね。初対面でもお客様同士で打ち解けて会話がはじまるんですよ。フードの持ち込みができるので、お互いに持ってきたおつまみをお裾分けし合ったりして(笑)。何度か顔を合わせるうちに、すっかり知り合いになってしまいます。人と人をつなぐ場所になったらいいですね。
――それは素晴らしい。あと瓶ビールの販売もしているんですよね。
小林さん:こちらのタップルームまで来られない方にも、うちのビールを飲んでいただきたいという思いで、昨年の12月に瓶ビールの販売をはじめました。醸造所で販売している他、秋葉区内の酒屋さんでも販売していただいています。これからもいろんなところに置いていただいて、たくさんの方々に味わっていただきたいですね。
――酒屋さんへは直接売り込みに行ったんですか?
小林さん:はい、地元に初めてできたブルワリーということで、皆様応援してくださるんです。その応援に応えるためにも、より精進して品質の良いクラフトビールを製造していきたいですね。いつか地元の原料を使った「秋葉区のクラフトビール」として、広く認知していただくのが夢です。

Advertisement
関連記事
食べる
東京で20年腕を磨いた店主が営む、角打ちワインショップ「LUCE」。
2025.04.06
食べる
1リットルのビッグサイズ「横渡家のプリン」が評判、阿賀野市「瓢家」。
2025.04.18
食べる
新鮮な魚沼ホルモンと面白いソーセージが食べられる「全力ソーセージ」。
2021.07.18
食べる
オーガニック食品の楽しさを届ける、燕市吉田の「Mother Organic」。
2023.08.04
食べる
目に見えないところを大切にする「割烹 千渡里」の料理やおもてなし。
2023.09.14
食べる
「茶館きっかわ 嘉門亭」で、村上の文化を感じる特別な時間を過ごす。
2023.02.18
新しい記事
食べる
新しい武器は、手打ち蕎麦。
新発田駅前の「ながしま」
2026.08.07
RSS非表示, その他
新潟初開催のファッションイベントに、
Things編集部が潜入しました。
2026.08.07
食べる
長岡では珍しい鶏清湯スープで勝負。
「麺の風 祥気」のしおそば。
2026.08.06
その他
日常を忘れるような空間で、癒しを。
「asian relaxation villa 新潟東店」
PR | 2026.08.05
食べる
ハルビン出身の店主による
本場の味が楽しめる「正味 麻辣湯」
2026.08.04
食べる
ちょうどいい、町のお寿司屋さん。
村上にオープンした「旬彩 皐月」
2026.08.03


