村上市の「日用雑貨 おりにふれ」は、
新しい雑貨を見つけられる場所。
その他
2026.08.26
最近、インターネットで買い物をすることが増えました。というのも、お店に入るとなんとなく「何か買わないと」と思ってしまうのです。そんな私に、「何も買わなくていいから、お店に来てほしい」と話してくれたのが、村上市にある「日用雑貨 おりにふれ」の店主、杉田さんです。今回はお店をはじめるまでのことや店内に並ぶ雑貨のこと、そして「何も買わなくていい」という言葉に込められた思いについて、いろいろお話を聞いてきました。
杉田 淳子
Sugita Junko(日用雑貨 おりにふれ)
1986年五泉市出身。専門学校を卒業後、介護福祉士として介護施設で働く。父の体調不良をきっかけに小さい頃からの夢である雑貨屋さんを開きたいと考えはじめる。2024年に「おりにふれ」をオープン。温泉が好きで、最近行った村杉温泉の足湯に感動したのだとか。
人生は、一度きり。
小さい頃の夢を、叶えるまで。
――今日はよろしくお願いします。杉田さんは、これまで介護のお仕事をされてきたんですね。
杉田さん:高校生のとき、デイサービスで職場体験をしたことがあって。そこで介護の仕事に興味を持って、専門学校で介護を学びました。卒業後は介護福祉士として、老人ホームや病院などで働いてきました。
――そんな杉田さんが、どうして雑貨屋さんをはじめることに?
杉田さん:小さい頃から雑貨屋さんになることが夢でした。地元である五泉の駅前に大好きな雑貨屋さんがあって、お店の中にびっしり並んだ雑貨をひとつひとつ見るために通い詰めていました。小学校から高校まで一緒だった幼馴染に「小さいときからそう話していたよね」って言われるくらい、雑貨屋さんが好きだったんです。でも、大きくなっていくごとに、「雑貨屋さんになる」っていう夢を忘れてきてしまって。
――その夢を思い出したのには、どんなきっかけがあったのでしょう。
杉田さん:介護の仕事をする中で、結婚と出産を経験して、気がつけば30代も後半に差し掛かっていたときに、「このまま介護の仕事を続けていいのかな」ってふと思ったんです。ちょうどそのタイミングで、父が体調を崩してしまって。そのときに「人生は一度きりだし、好きなことをしたいな」と思って、昔の夢だった雑貨屋さんをやってみたいと思うようになりました。
――介護の仕事とはまったく違うお仕事だったと思います。オープンまでにどんな準備をされてきたのでしょう。
杉田さん:村上で起業したい人に向けたセミナーに参加して、お店をはじめるのに必要なことを学びました。それと並行して物件を探してもいたんですけど、そのあとコロナ禍になって雑貨屋さんをはじめるという計画自体はストップしたんです。でも、「やっぱりやりたい」と思って。今思えば無計画だったし、不安を抱えながらの準備にはなりましたが、後悔はしてないんです。「やればよかった」って後悔するより、やってみて「違ったな」と思うほうがいいじゃないですか。

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何も買わなくてもいい。
まずは雑貨を知ってほしい。
――店内は広々していて、スッキリしている印象です。
杉田さん:近くにあった病院が移転して、この物件が空いたときからずっと気になっていたんです。何もないこの物件を外からじっと覗いて、「ここにはこれを、あそこにはあれを置きたい」って勝手に想像をしていたこともありました(笑)。この物件の隣には、ここよりも小さい物件もあって。どっちにするか悩みましたけど、大きなほうを選びました。
――それには何か理由があったのでしょうか。
杉田さん:小さいお店だと、お客さまとの距離が良くも悪くも近くて、「お店に入ったら何か買わなきゃいけない」みたいなプレッシャーを感じることもあるんじゃないかなと思うんです。実際、私もそう感じることがありました。でも、お店をやっている側としては、何も買わなくても、雑貨を見るだけでもいいから、お店に来てほしいんですよね。
――「何も買わなくていい」と言われても、なかなか、そういうわけには……、と思ってしまうものです。
杉田さん:その気持ちも分かります。でも、お客さんには自由にお店の中を見て回ってほしいんです。できることなら、私は透明人間になりたいです(笑)。お店に来て「こんな雑貨があるんだ」って知ってもらうだけで十分だなって。
――雑貨を買うためではなく、知るためにお店に来てほしいと。
杉田さん:今はネットで何でも買えるようになりましたけど、大きさや重さは、お店で手に取ってもらわないと分からないじゃないですか。あと、うちで取り扱いさせていただいているポテトチップス専用のお箸とか、ちょっと変わった雑貨なんかは、お店にこないと見つけることができないと思うので、そういう新しい発見もお店ならできるのかなと思っています。


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杉田さんが選ぶ、
あたたかみのある、個性的な雑貨たち。
――「おりにふれ」には、どんな雑貨があるのでしょう。
杉田さん:私が好きなものとか、愛用してきたものを中心に置いています。ずっと雑貨屋さんが好きで、いろんなお店を巡っていく中で感じた、「こういうのが好き」っていうのを頭の片隅に置いてあって、それをお店としてかたちにしています。
――このお店に来たら、杉田さんの好みを知ることができるんですね。
杉田さん:来てくださるお客さまも、私と好みが似ている方が多い気がするんです。以前、あるお客さまに「スーパーやドラックストアには商品がありすぎて、どれを選べばいいか分からないけど、ここは杉田さんが良いと思うものしかないから、選びやすい」って言ってくださったんです。
――たくさんの選択肢の中から商品を絞ってくれるのも、雑貨屋さんのいいところかもしれません。ちなみに、お店に置いてある雑貨を選ぶとき、どんなことを大切にされていますか?
杉田さん:見た目や質感にあたたかみを感じるものが好きなので、そういうものを選んだり、遊び心がある雑貨も好きなので、お店で取り扱うようにしています。さっき、ポテトチップス専用のお箸がありましたけど、実はカップラーメン専用のお箸もあるんですよ。普通のお箸でも美味しく食べられますけど、専用のお箸があれば、よりワクワクして食べられますよね。そういった遊び心は大切にしています。
――オブジェや文房具は、ちょっと個性的なものもありますね。
杉田さん:これも好みなんですが、洗練されすぎない、垢抜けていない感じのものを多く取り扱っています。どこか昭和や平成を感じるようなデザインのものとか、あたたかみのあるものを選ぶようにしていると思います。


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誰でも気軽に入れて、
宝探しをしているかのようなお店に。
――お店の名前である「おりにふれ」の由来を教えてください。
杉田さん:日本の四季に合わせて、商品を変えていきたいなと思ってこの名前にしたんです。子供の頃、春には桜を、夏には蛍を、秋には紅葉を見に行っていたんです。その影響で、今でも四季を感じる行事が好きで、それをお店で表現したいと思ったんです。商品を全部季節に合わせるのは難しいので、季節ごとに新しい商品を出したり、店内の内装をちょっと変えたりしています。
――今月で、お店のオープンから2年が経ちました。ご自身で振り返ってみていかがでしょう。
杉田さん:実際お店をはじめてみて、商売って難しいんだなとあたらめて感じています。雑貨は今は100均でも買うことができますし、安いから100均で十分っていう方もいると思うんです。でも、同じ用途でも自分のお気に入りのものを選ぶと、毎回使うたびにワクワクしますよね。そういうものが置いてあるのが雑貨屋さんだと思っているので、「100均じゃなくて、『おりにふれ』で選ぼう」って思ってもらえるようなお店にしていきたいです。
――最後に、杉田さんのこれからの目標を教えてください。
杉田さん:商品をもっと増やして、宝探しをしているかのようなお店を目指しています。今はまだスッキリとしていますけど、お店が「きちきち」になるくらい商品をいっぱいにしていきたいんです。いずれはオンラインショップも立ち上げたいと思っています。でも、まずは皆さんに気軽に入っていただけるようなお店を作っていこうと思います。
――雑貨を見るだけでも、大丈夫でしょうか……?
杉田さん:もちろん(笑)、見るだけでも大歓迎です。お待ちしています。


日用雑貨 おりにふれ
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