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生活を絵に落とし込む、イラストレーター「Abby Fukunosuky」。

東京を拠点に活動する新潟出身のイラストレーター、Abby Fukunosuky(アビー フクノスキー)。8月3日より、沼垂の「atelier gallery mo」で個展を開催すると聞いて、準備中のところへお邪魔することに。今回の個展のテーマは「Gospel」。どのような作品が並ぶことになるのか、お話を聞いてきました。

 

 

イラストレーター

Abby Fukunosuky

1992年新潟市生まれ。東京都在住。高校卒業後、イギリスの大学で美術を学ぶ。新潟へ戻ってからは長岡造形大学に入学。イラストレーターとして活動をはじめ、絵に限らず音楽、詩など、幅広い手法で表現する。

 

ずっと続けてきた音楽。

――Fukunosukyさんは学生の頃から芸術に興味があったんですか?

Fukunosukyさん:高校のときは美術部だったんですけど、興味があったのは音楽でした。高校を出た後、ロンドンの美術大学に行ったんです。外国人向けのファウンデーションコースがあって。毎度美術館とかに集合して、そこで各々好きな絵を見つけて模写してくるんですよ。それで次の日にはその絵を自分流に描いてくるみたいな。

 

――すごく刺激になりそうな授業ですね。

Fukunosukyさん:あとはヌードデッサンとかもやりましたね。でも僕は「バスキング」っていう路上ライブみたいなものなんですけど、それをやりたくて。留学っていう名目で大学に入ったけど、ほとんど路上でギター弾いている、みたいな。それが19、20歳くらいのときですかね。新潟に帰ってきてからは、長岡造形大学に入り直して絵を描きはじめて。バンドもずっとやっていて、「mothercoat」というバンドでギターを弾いていたんですよ。そのときのグッズとかジャケットは僕が作っていました。そこから自然とイラストレーターとして活動するようになりましたね。

 

 

――イラストレーターとして活動をはじめるときに、目標にしたアーティストはいたんですか?

Fukunosukyさん:めっちゃ好きなアーティストがいて。「ジェフ・マクフェトリッジ」っていうイラストレーターなんですけど、アップルウォッチの顔のデザインになっている文字盤も、彼のデザインです。昔の「RIP SLYME」のCDジャケットとかも手掛けています。

 

――アップルウォッチの文字盤、見覚えあります。

Fukunosukyさん:90年代とかからストリート系のグラフィックを作っているんですけど、シンプルでかっこいいんですよ。あと、「フィリップ・ワイズベッカー」っていうフランス人のイラストレーターなんですけど、この人も超かっこいいんですよね。

 

 

――Fukunosukyさんはどういうものをモチーフに描くことが多いですか?

Fukunosukyさん:人を描くことが多いかもしんないです。演奏している人とか、自分が見てきた人を無意識にめっちゃ描いちゃいますね。手を描くのもすごく好きなんすよ。

 

――人を描くときって、今まで出会った人のことを思い浮かべて描いているんでしょうか。

Fukunosukyさん:一昨年ぐらいに沼垂の「ISANA」で、「ISANA通信」っていう通信紙の絵を描いていたんです。でも毎月描いているとネタ切れになってくるんですよ(笑)。しかも自分でいろいろルールを作っちゃったから、「この人を描かないと」みたいなのがいろいろあって。そういうふうに自分の周りの人とか、行った場所とかを描くことが多いかもしれないですね。

 

 

――日常生活の出来事を作品に落とし込むことが多いと。

Fukunosukyさん︰そうですね。前に、水道代を払っていなくて水道が止まったことがあったんですよ。それを友達に相談したら、「それを描けばいいじゃん」って言われて。そういう感じですよね。まあそもそも水が出なかったんで、絵は描けなかったんですけど(笑)

 

個展に並ぶのは「Good spell(良い知らせ)」を描いた作品。

――8月3日から、こちらの「gallery mo」で個展を開かれるそうですね。

Fukunosukyさん︰絵を何枚かと、あとはこのギャラリーを運営している川名萌子さんの器に僕が絵を描いたものをいくつか展示します。

 

――今回の個展のテーマってあるんでしょうか。

Fukunosukyさん︰「Gospel(ゴスペル)」です。ゴスペルって「黒人が歌うもの」とか「宗教の歌」とか、そういうふうにイメージされることが多いんですけど、そもそもの語源が「Good spell」なんです。「いい知らせ」みたいな意味。だからいいことが起こる前兆の絵を描いています。

 

――お皿に絵を描くときって、キャンバスに描くときとは描くものも変わるんでしょうか?

Fukunosukyさん︰んー……どうかな。でも皿に絵を描くのって楽しいですよね。あえて絵を完成させないでおいて、子どもが余白にミニトマトとか豆とかを置いたら面白いんじゃないかなとか、考えます。

 

 

――音楽活動の方だと、去年は「TOKIMEKI」という曲を出されましたよね。今後も曲を出していく予定なんですか?

Fukunosukyさん︰曲を出したのは久しぶりでしたね。バンドメンバーが集まったし、今がいちばん楽しくて。もうちょっとしたら4、5曲くらいのEPを出そうかなって思っています。

 

――これから新しく挑戦してみたいことはありますか?

Fukunosukyさん︰映画を撮ってみたいです。映画を撮っている友達を見て、めちゃ羨ましいなって思ったんですね。イメージを何でアウトプットするかの違いかなって。関わる人の数もすごいし、お金も時間もかかるし。それでも撮ってみたいですね。

 

 

 

Abby Fukunosuky

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