生活の一部になれるパンを目指す、豊栄の「Akari Bakery」。
食べる
2023.01.30
昨年11月、豊栄駅南口にオープンした「Akari Bakery(アカリベーカリー)」。定番の食パンやバゲットをはじめ、いろいろな種類のパンが並んでいます。お店にお邪魔して、オーナーの幸野さんからパンのこだわりについて聞いてきました。


Akari Bakery
幸野 健太郎 Kentaro Kono
1979年滋賀県生まれ。建築系専門学校を卒業後、全国チェーンのベーカリーで21年間働き、転勤で奥さんの実家がある新潟に移住。2022年11月に独立して豊栄で「Akari Bakery」をオープン。ワインやビールなどのお酒が好き。
新潟に骨を埋める決心をして、パン屋さんをオープン。
——オープンおめでとうございます。幸野さんはこのあたりのご出身なんですか?
幸野さん:僕は滋賀県の生まれで、奥さんの実家が豊栄なんです。6年前、新潟三越にあったベーカリーへ店長として赴任したことをきっかけに、新潟で骨を埋める決心をして家を買いました。
——そうだったんですね。いつ頃からパン作りを仕事にされているんですか?
幸野さん:最初は設計の仕事がしたくて建築系の専門学校に入学したんですけど、勉強しているうちに自分のやりたかったこととは違うと感じたんです。そこで専門学校を卒業してから、全国チェーンのベーカリーでアルバイトをはじめました。

——数ある仕事のなかから、どうしてベーカリーの仕事を選んだんでしょう?
幸野さん:僕はどちらかといえば朝型なので、早朝から始めて早めに終わるような仕事がしたかったんです。でもベーカリーの仕事をやっていくうちにパン作りの面白さを知って、アルバイトから正社員にしてもらい、21年間勤めました。
——ずいぶん長く勤められたんですね。
幸野さん: 21年間勤めているなかで、千葉、富山、福井、京都と系列店をあちこち回って、最後は新潟三越店で店長として働いていました。

——新潟に来てみてどんな印象を受けました?
幸野さん:奥さんの実家があるのでそれまでも何度か来たことがあったんですけど、とにかく空気が美味しくて人が優しいという印象でしたね。それもあって新潟で暮らそうと決心したんです。
——新潟で暮らしはじめるのと同時に、独立して自分のお店をオープンすることにされたんですね。
幸野さん:そうなんです。でも豊栄で条件に合った場所がなかなか見つからなかったので、物件探しに半年以上かかっちゃいました。毎週、休日になると空き物件を探して回りましたね。駐車場がなかったので迷いましたけど、最終的にこの物件でお店をオープンすることにしたんです。

おすすめは、食パンやバゲットなどの食事パン。
——順調にオープンすることはできたんですか?
幸野さん:いやぁ〜、何しろはじめて自分のお店をオープンするので、不安なことばかりでしたよ。オープン日が近づくにつれて、だんだんプレッシャーに押し潰されそうになりました。でも、うちのパンを気に入ってくれて、オープン日から毎日買いに来てくれる高校生の男の子がいるんです。ちゃんとベーカリーを営業していけるのか不安しかなかったんですけど、その子のおかげでとても勇気づけられたんですよ。今でも毎日来てくれますけど、僕は一生彼のことをおぼえていると思います。

——そうしたファンに支えられながら、営業していくんでしょうね。
幸野さん:午前中はパンを作っているんですけど、午後からはお店に立って接客をしているんです。そのときにお客様とお話しすることも多いんですけど、うちのパンを「美味しい」と言っていただけるたびに勇気づけられますね。
——それってやりがいにつながりますよね。反対にお店をはじめてみて大変なことってありますか?
幸野さん:お客様のサイクルが読めないっていうことですね。想像しているよりも早くパンが売り切れちゃったり、閉店時間になってもたくさん売れ残っちゃったり……。自分が一生懸命作ったパンを捨てなければならないのは、とても辛いし葛藤があります。
——それはなかなか難しい問題ですね。幸野さんはどんなことに気をつけてパンを作っているんですか?
幸野さん:そのときの気温や湿度でパンの品質は変わってくるので、まったく同じパンを作り続けることは難しいんです。そこをいかに自分が理想とするパンに近づけられるのか、毎日挑戦している感じですね。焼き上がったパンを見ては喜んだり反省したりを繰り返しています。
——そんなふうに作っているなかで、幸野さんがオススメしたいパンってありますか?
幸野さん:あまり凝ったパンではなくて、老若男女誰もが食べてくれるような食パンやバゲットといった食事パンをオススメしたいんです。うちのパンがお客様の生活の一部になってくれたら嬉しいですね。
——「Akari Bakery」の食パンやバゲットにはどんな特徴があるんでしょうか。
幸野さん:食パンはそのまま食べるよりトーストしてから食べていただくことで、美味しい香ばしさを楽しめるものになっています。バゲットは生地を長時間じっくりと発酵させて小麦の風味や甘みを引き出した自信作なんですけど、あまり買ってもらえないんです(笑)

——じゃあ、お客さんにはどんなパンが人気なんでしょうか?
幸野さん:あんことバターをサンドした「あんバタタブレット」や、量り売りの「チョコマカダミア」が人気ですね。
——どちらも間違いない感じのパンですね。オープンして間もないですけど、今後はどんなお店にしていきたいですか?
幸野さん:お客様に新鮮なパンを召し上がっていただきたいので、焼きたてをどんどん出していきたいんですよね。でも僕ひとりで焼いているのでなかなか難しいんです。スタッフを増やしたり工程を工夫したりして、いつか実現したいと思っています。

Akari Bakery
新潟市北区白新町2-2-1
025-384-0273
7:00-17:00
月曜休
Advertisement
関連記事
食べる
カオスな味に出会えるカレー店「Side by Side Spice Stand」
2022.03.23
食べる
割烹料理をカジュアルに楽しめる、新潟市西区の「くずし割烹 涼鈴」。
2024.03.20
食べる
地元で愛されて40年、誰もが気軽に入れる食堂「かもめ亭」。
2024.12.10
食べる
楽しくハッピーな空間でイタリアンが楽しめる「Pizzeria da Ruffo」。
2024.01.18
食べる
土蔵を利用した発酵スイーツの店「くらざしきスイーツ」。
2024.07.25
食べる
店舗開始!キッチンカーのクレープ屋「South DINING AND CREPE BOY」。
2021.04.13


