今シーズンから日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)への参入が決まった「アルビレックス新潟レディース」。新潟県民にはお馴染み、オレンジのユニフォームに袖を通した女子サッカーチームです。今回はアルビレックス新潟レディースに所属するMF(ミッドフィルダー)川村優理選手に、プロリーグのことやプレイスタイルについていろいろお話を聞いてきました。
アルビレックス新潟レディース
川村 優理 Yuri Kawamura
1989年新潟市生まれ。MF。青山サッカー少年団からサッカー人生がはじまり、アルビレックス新潟レディース、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース、ベガルタ仙台レディースなどに所属。2010年には「なでしこジャパン」に初招集され、2015年カナダ女子W杯準優勝。
――今日はよろしくお願いします。まずお聞きしたいのは、今季から参入することになった日本女子プロサッカーリーグについてです。今までとは、どんな点が違ってくるんですか?
川村選手:WEリーグでは、各クラブ15名以上のプロサッカー選手登録がリーグの規定で定められています。なので、働きながらサッカーをしていた選手の多くは、プロサッカー選手としてしっかりと生計をたてられるようになりましたね。また、プロとしてサッカーの質(ファンの方が楽しんでもらえるプレーをする)という点も重視されてきます。
――そうか、働きながらサッカーをしていた選手もいたんですね。
川村選手:そうなんですよ。雇用形態はそれぞれですけど、スポーツ協会や病院、地元の企業など、いろんな組織に所属しながらサッカーをしていましたね。
――選手の雇用形態以外に、チーム体制の変化もあるんですか? 例えばコーチの人数が増えたとか。
川村選手:ありますね。これもリーグの規定に沿っての変化で、フィジカルコーチなどのコーチスタッフが増強されました。あとは今までと同じで、選手は去年と同じ25名でのスタートです。
――ちなみに、リーグの開催スケジュールって?
川村選手:あ、それも今までとは違いますね。これまでは3月下旬からスタートして、11月頃に閉幕していたのが、9月スタート、翌春に閉幕へと変わりました。なので、4月末からプレシーズンマッチ(ホーム2戦、アウェイ2戦)が開催されて、オリンピックがあってからのリーグ開幕ですね。
――それではチームについても教えてください。「アルビレックス新潟レディース」は、どのようなサッカースタイルのチームですか?
川村選手:サッカーの本質である「ゴールを守る」「ゴールを奪う」、このふたつから逆算して考えたプレーをしています。「ボールを回すのはゴールを奪うため」のような考え方ですね。あとはゴールまでのパス本数を少なくするために、ボールを持っている選手以外も前に出るといったスタイルもチームの特徴です。
――オフザボール(ボールに関与していないプレイヤーの動きなど)の動きも重要になるってことですね。ふむふむ。普段の練習って、どんなスケジュールで行われているんですか?
川村選手:私の場合は午前中をゆっくり過ごして、17:00からはじまる練習前に2時間ぐらいジョギングや筋トレをします。全体練習は60~90分で、終わったらチームで夕食を食べます。あとはお風呂に入ったり、ストレッチをしたりして、「24:00には寝たいな~」って毎日考えています(笑)
――基本的には午後の時間帯に練習をしているんですね。普段の生活で気を付けていることってあるんですか?
川村選手:ん~……甘い物を食べないようにしているとかはないけれど、90分の試合を戦えないとだから、夕食ではバランス良く食べながら、なるべく白米を多く摂取するようにはしています。
――白米ですか。やっぱりパワーになるんですね。
川村選手:そうですね。試合前は不安になるから、意識的に白米を食べますね(笑)
――川村選手って、試合ではどんなプレーが得意なんですか?
川村選手:MF(ボランチ)でもあり、ピッチ上では真ん中にいるポジションです。試合の流れを感じてゲームコントロールすることが私の役割でもあり、全体を把握するのが大事なんです。なので、意識的にまわりをよく見てプレーするようにしています。
――なるほど。練習ではどんなことを意識していますか?
川村選手:試合でのミスが失点につながるとチームを苦しめてしまうので、「どうして上手くいったのか」「どうして出来なかったのか」を練習から考えるようにしています。だから練習でチャレンジして、そこでのミスを修正するよう意識していますね。
――練習でのトライ&エラーが試合でのプレーにつながるんですね。ちなみに川村選手って、いくつからサッカーをはじめたんですか?
川村選手:2歳上に兄がいて、サッカーの練習について行ったんです。そしたらコーチから「一緒にやるか」って誘われて、男の子たちに混ざって小学2年生からはじめました。負けず嫌いな性格もあって、サイドハーフとして楽しくプレーしていましたね。
――小学生からはじめられたんですね。では最後に、川村選手のようにプロサッカー選手を目指している小学生たちにひとことお願いします。
川村選手:嫌なこと、苦しいことがあったけど、サッカーが好きだから乗り越えられました。「やりたい」「好き」があるなら、どんな壁でも乗り越えたときには、きっと楽しいことが待っています。だから、大好きなサッカーを続けてください!
アルビレックス新潟レディース