Things

見た目も味も驚きを与えるお菓子「aretosore」。

三条市にある「bistrot CLEO」を間借りして焼き菓子を販売している「aretosore(アレトソレ)」。カヌレ型を使って焼いた「柑橘ガトーショコラ」や「エスプレッソメレンゲ」、クロワッサンのようなかたちのクッキー「ルゲラ」など、見た目も味もちょっと変わったお菓子が並びます。店主の小片さんに、作っているお菓子へのこだわりについて聞いてきました。

 

 

aretosore

小片 真理子 Mariko Ogata

1979年三条市生まれ。東京で18年ほど働き、様々な飲食業を経験。妊娠をきっかけに新潟へ戻る。2023年3月より三条市の「bistrot CLEO」内で「aretosore」として焼き菓子の販売をはじめる。

 

いろんな食材を混ぜ合わせて作るから「アレトソレ」。

——小片さんはこれまでも飲食のお仕事を?

小片さん:18年くらい東京にいて、カフェ、クレープリー、居酒屋、パン屋さんで働いてきました。特にクレープリーでの経験が今作っているお菓子のベースになっていますね。フランス人がたくさん働いていて、フランスの話を聞かせてくれたり、ちょっとしたお菓子をササっと作ってくれたり。すごく楽しかったんです。そこで「私はこういうものが好きなんだな」って気が付いて。

 

——「こういうものが好き」というのは?

小片さん:いろいろな食材と食材を組み合わせることが好きなんです。それで今も「あれこれいろんな素材を混ぜ合わせる」っていう意味で「アレトソレ」という名前でやっています。

 

——どんなきっかけで「aretosore」をはじめることになったんでしょうか。

小片さん:うちの主人が、この「bistrot CLEO」のオーナーと仲がよくて。お店は夜しかやらないから昼間にお店を使う人を探していたみたいで、そこで主人が「じゃあうちの嫁が」と言って私がやることになった次第です(笑)

 

 

——こちらではどんなお菓子を置いているんでしょうか。

小片さん:ちょっと普通とは違うような、見た目のインパクトがあるようなお菓子を揃えるようにしています。例えばガトーショコラをカヌレのかたちにしてみたり、マフィンには黒と白のチョコレートをかけてみたり。フィナンシェはよくあるものとは違って、スパイラル型を使って焼いているんです。あとは食材の組み合わせを面白くしようと思って意識しています。

 

——例えばどんな組み合わせを?

小片さん:フィナンシェにはスパイスをきかせていたり、ガトーショコラは中に柑橘の洋酒とオレンジピールを入れて、上のアイシングにはレモンチェッロっていうレモンのお酒を使ったりしています。

 

 

——そういう食材の組み合わせって、どうやって思いつくんですか?

小片さん:いつもそういうことしか考えていないんです(笑)。使ってみたい食材があったら、東京でやってきたこととかも思い出しながら、その食材に合うものをいろいろ考えます。

 

——じゃあ今も東京で働いていた頃の経験が生かされているわけですね。

小片さん:そうだといいんですけどね(笑)。お菓子を作っているとき、東京で働いていた頃のことを思い出すんです。バナナブレッドはパン屋さんから貰ったレシピで作っているので、バナナブレッドを焼くときはパン屋さんのことをすごく思い出しますし。いろんな食材を使っていると「あの人はあの食材を使っていたな」とか、クレープリーのことを思い出しますし。元気かなって考えながらやっています。それが楽しいんです。

 

 

——「aretosore」さんで人気のお菓子を教えてください。

小片さん:ウィークエンドシトロンとプレーンスコーン。あとカヌレ、バナナブレッド、メレンゲですね。

 

——カヌレは小さいんですね。かわいいサイズ感です。

小片さん:1袋に5個入りのミニカヌレなんです。大きいカヌレも出すことがあるんですけど、重さは同じなので「大きいのと小さいのとどっちがいいですか」ってお客さんに聞くと、「小さいのがいい」って言う方が多くって。子どもにもあげやすいですしね。それにカヌレって外側の溝のポコポコが美味しいんですけど、ひとつが小さいとそれが一度に口の中に入るから、カヌレの美味しいところを一気に味わえるんです。

 

——インスタで見て気になっていたんですけど「ルゲラ」っていうのはどんなお菓子なんですか? クロワッサンみたいなかたちですよね。

小片さん:アメリカンクッキーなんです。生地にクリームチーズを練り込んで、中にはドライフルーツとナッツとスパイスシュガーを入れて、クロワッサンみたいにぐるっと巻いて作ります。もともとはユダヤの人たちの食べ物だったらしいです。そういう、他のお店があまり作っていないものを作ろうと思っています。

 

目指すのは、ひと口食べて目が覚めるようなお菓子。

——お菓子の販売をはじめてから、印象に残っていることってありますか?

小片さん:オンラインショップをやっているんですけど、以前働いていたパン屋さんの方がお菓子を頼んでくれたことがあって。どうして頼んでくれたんだろうって不安もありましたけど(笑)。自分の作ったものを師匠みたいな人に食べてもらえて、しかも「すっごく美味しかったよ、味も食感もパーフェクト」って言ってもらえて。それがウィークエンドシトロンなんです。</p

 

——じゃあウィークエンドシトロンは、小片さんにとって思い入れのあるお菓子なんですね。

小片さん:あと、小学生の子どもがいるんですけど、同級生の子が私の作ったお菓子を家で食べてくれたみたいで、その子が「美味しかったよ」ってわざわざ言いに来てくれたって子どもから聞いて。子どももすごく嬉しそうだったので、「お母さん頑張るわ」って気持ちになりましたね(笑)

 

 

——お子さんからしたら自慢のお母さんでしょうね。これから先、どんなお菓子を作り続けていきたいですか?

小片さん:見た目も味も、びっくりしてもらえるお菓子を作りたいです。お店に来たお客さんがひと口食べて「わあ、美味しい!」って言ってくださると、やっぱりすごく嬉しいんです。そういう、美味しくて目が覚めるようなものを作りたいですね。

 

 

 

aretosore(アレトソレ)

三条市西裏館2-13-9-4 bistrot CLEO内

定休日 火水土日祝

営業時間 10:00-14:00

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP