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うどん県香川で修業した店主が腕をふるう「綾歌うどん」。

ある週の「情熱大陸」で香川県の人気うどん店が取り上げられていました。それを見てから「本場のうどんが食べたい」という気持ちが抑えられなくなり、新潟市で食べられるところがないかとインターネットで検索。見つけたのが西区にある「綾歌(あやうた)うどん」です。なんと店主の小野さんは、番組で取り上げられていた香川の名店「純手打ちうどん よしや」で修業をした経験を持つ方だったんです。

 

綾歌うどん

小野 圭一 Keiichi Ono

1980年新潟市生まれ。高校を卒業後、様々な飲食店で経験を積む。30歳半ばで本場のうどんを学ぼうと香川県へ移住。5年弱の滞在期間に3店舗のうどん店で修業をする。2020年2月に「綾歌うどん」をオープン。

 

飲食業で通用する確固たる技術を身につけるため、単身香川県へ。

——小野さんは香川県でうどんの修業をされたそうですね。

小野さん:ずっと飲食店で働いていて、自分でもお店をやりたいと思っていたんですよ。でも飲食って難しい業界だから「今のままじゃ何をするにも勝てないな」と思ったんです。それでまず「うどんの技術を覚えよう」と思い立ちました。

 

——どうしてうどんの道を選んだんですか?

小野さん:よく聞かれるんですけど、たまたまうどんだったんですよ。ピロシキを思いついていたらロシアに行っていたかもしれないです(笑)。決心してから、すぐに車に積めるだけ荷物を積んで香川に向かいました。

 

 

——展開が早い(笑)。それでどうしたんですか?

小野さん:ネットで求人を調べたら、情熱大陸にも出た「純手打ちうどん よしや」でスタッフを募集しているのを見つけたんですよ。香川に行く道中の琵琶湖あたりで電話で問い合わせたんですけど、「もう募集していない」と言われて。でももう新潟を出ちゃっていたから「まぁ、行けばどうにかなるだろう」って、その足で丸亀市の職安に行きました。香川では3店舗お世話になって、最後は「よしや」で働かせてもらったんです。なんだかんだ「よしや」とはご縁があったのかな。

 

——香川での修業について教えてください。

小野さん:香川では5年弱修業したんですけど、その間に公共職業訓練のさぬきうどん科でも勉強しました。修業先の店主がその学科の卒業生で「うどん職人になりたいんだったら勉強しておいで」って言ってくれたんです。3ヶ月間みっちりうどん打ちを学んだり、店舗実習をしたり。しばらくしてその店主さんが「もううちの店で覚えることないんじゃない」って、「よしや」を紹介してくれたんです。僕がもともと「よしや」で働こうとしていたことを知っていたから「今ならスタッフに欠員があるみたい」って口を利いてくれたんですね。

 

——まさかテレビで見たお店で修業されたなんてびっくりしました。

小野さん:「よしや」は弟子期間が2年間って決まっているんですけど、僕は1年弱くらいいましたかね。父から「寂しいからそろそろ帰ってきてくれ」と言われたので、それで新潟に戻ったんです。

 

香川でも珍しい、機械をまったく使わない、手ごね手打ちの「綾歌うどん」。

——「綾歌うどん」さんは、どんなことにこだわっているんですか?

小野さん:うちはすべての工程にまったく機械を使っていない、手打ち手ごねのうどんを提供しています。すべて手作業のうどんは香川でも珍しいと思いますよ。あとは本場と同じく長いうどんに仕上げています。香川でうどんは縁起物でもあるので、長くなくちゃいけないんですよ。

 

——手打ちだと、どんなうどんになるんですか?

小野さん:麺がよれよれっとした感じになるのが手打ちの特徴です。食感が楽しいし、お出汁によく絡みます。

 

——先ほどうどんをご馳走になりましたが、小麦の甘さと風味が感じられてすごく美味しかったです!

小野さん:ありがとうございます。独自の方法でブレンドした小麦を使っているんですよ。新潟の人って美味しいお米を召し上がっているから風味に敏感なんでしょうね。小麦の風味を感じてくださるお客さまが多いです。

 

——ちなみに、お出汁はどんなふうに仕上げているんですか?

小野さん:いりこを使った出汁をベースにしています。香川では地域によっていりこの風味が強い、弱いといろいろあるんですよ。独特の癖があるから「いりこベースで大丈夫かな」と迷ったこともありましたけど、新潟では魚介系のラーメンも人気だし、香川風にいりこの出汁にすることにしました。

 

 

——香川で暮らしていた頃って、やっぱりうどんを食べる機会が多かったんですか?

小野さん:ほぼ毎日うどんでしたね(笑)。賄いでうどん、休日はうどん屋さん巡りでした。香川ではうどん屋が700〜800店舗あって、コンビニの数より多いと言われています。もともと水が乏しく狭い土地だから米作には向かなかったみたいですね。でも瀬戸内海が近くて塩田がある。それでうどん文化が発展したようですよ。

 

——そもそも香川のうどんってどんな特徴があるものなんですか?

小野さん:う〜ん。僕が覚えてきたものが「うどん」だと思っているので、他のうどんと比べるのが難しいなぁ……。香川にはいろいろなうどん屋さんがありますけど、天ぷらやおでん、おにぎりなんかも置いてあるお店が多いですね。もちろん「綾歌うどん」でも天ぷら、おでん、おにぎりを揃えています。あとは、冷たい麺に温かいお出汁で食べる「そのまま」っていう食べ方をする方が多いんです。「そのまま」って注文して、3分くらいでササっと食べて帰る、みたいな。

 

——香川の人は食べ方もちょっと違うんですね。

小野さん:うちでも「きっと香川の方だな」っていうお客さまがいましたよ。どこが違ったか表現しにくいんですけど、「これは香川でよく見た食べ方だ」って。思わず「もしかして香川の方ですか?」って声をかけました。そしたら「そうです」と。

 

コロナ禍とともにオープンしたお店。お世話になった人のためにも諦めないで続けたい。

——そういえば、お店のオープンはコロナ禍の2020年2月だそうですが……。

小野さん:スタートからコロナ禍ですから、正直「やらなきゃよかった」とも思いました。オープンが半年先だったら、店を出していなかったかも。でも香川でたくさんの人のお世話になったし、すぐに諦めるわけにはいかないですよね。

 

——どんなお店にしようと考えていたんですか?

小野さん:「ここは香川か?!」と思ってもらえるような、本場にありそうなお店にしたいと思っています。原料の輸送費などがあるので、値段だけは香川並みとはいきませんけれど。いろいろなスタイルのうどん屋さんがあるとはいえ、「香川のうどん屋といえばこんな感じ」というのを「綾歌うどん」に反映しています。

 

 

——ご苦労もあったかと思いますが、「やっていてよかった」と思うのはどんなときでしょう?

小野さん:これまで何十人も香川の方に来ていただいたんです。新潟にいる香川の方はほとんど来たんじゃないか、と思うくらい。それがすごく嬉しかったです。あとはよく来てくれる小学生が「好きな食べ物」というテーマの作文で、「『綾歌うどん』のうどんとおでんのこんにゃくが好き」って書いてくれたと聞いたときは泣きそうでした。それで夏でもおでんは出そう、って決めました。

 

——最後に今後の目標を教えてください。

小野さん:これまでたくさんの人に一生懸命教えてもらって、やっと自分のお店を持つことができました。なので「綾歌うどん」を続けられるだけ続けたいです。うちのうどんがきっかけで、新潟の人が「本場のうどんを食べに香川に行きます」なんてことになったら嬉しいですね。その場合は僕に一声かけてくれれば、完璧な讃岐うどんツアーを教えますよ。朝6時から1日5件はうどん屋さんを巡ってもらわないと(笑)

 

 

綾歌うどん

新潟市西区平島1-17-8

TEL:025-201-9776

 

<営業時間>

月曜日:11:00〜14:00

火曜日:定休

水曜日〜金曜日:11:00〜14:00、18:00〜20:30

土日祝日:11:00〜15:00

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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