Things

変化を大切に、ひとつひとつを丁寧に仕上げる「dessert café marutoshikaku」のデザート。

西堀通りの「SEIRANKAN」に昨年12月にオープンした「dessert café marutoshikaku(デセールカフェ マルトシカク)」。ここでは、東京や神奈川、中国でパティシエとして経験を積んできたオーナーの長尾さんがつくる、絵画のような美しいデザートを楽しむことができます。長尾さんが新潟でお店を出した理由や、デザートについて、いろいろ聞いてきました。

 

dessert café maru to shikaku

長尾 駿介 Shunsuke Nagao

1983年神奈川県出身。専門学校を卒業後、パティシエの道へ。東京や中国で製菓やサービスの経験を積んだ後、子育てをきっかけに新潟に移住する。2024年に「dessert café maru to shikaku」をオープン。新潟にきて3年目で、雪には慣れたそう。

 

パティシエ一筋、長尾さんのこれまで。

――長尾さんのこれまでを教えてください。

長尾さん:中学校のときからパティシエになりたいと思っていたので、高校は製菓の専門学校が合わさっている学校に進学しました。そこで学んだ後、横浜の結婚式場や東京のカフェレストランやパティスリーで製菓とサービスを学んでいました。

 

――パティシエになりたいと思ったきっかけは、どんなものだったのでしょうか。

長尾さん:昔からよく、母がお菓子を作ってくれていたんですよ。クッキーとか、ショートケーキとか。それを見ていて、とても楽しそうだと思ったのがきっかけでしたね。そこからパティシエになって横浜や東京で働いた後に、中国に行ったこともありました。

 

 

――海外でも働かれたことがあるんですね。

長尾さん:専門学校の同級生に誘ってもらって、企業のコンサルをさせてもらうことになったんです。中国で働いている間は、パティシエとしてスタッフに指導したり、製菓も担当したりしました。 その後、コロナが流行りはじめたのをきっかけに、東京に戻って、京都で働いたり……。

 

――様々な経験を積まれてきたんですね。長尾さんは、いつからご自分のお店を持ちたいと思っていたのでしょうか。

長尾さん:ずっと前から漠然と思っていましたね。飲食を目指す人の多くが最初にそう思うような、そんな感じです。この思いがあったから、パティシエだけじゃなくてサービスも経験しないとなって思って。東京のお店ではお客さまへの説明やワインの仕入れ、アルバイトさんの管理といった、いわゆる店長業務もしていました。

 

――新潟にはどんなきっかけで住みはじめたのでしょうか。

長尾さん:妻が燕市の出身なんです。子育てがきっかけで、新潟に住むことになりました。そこから知り合いに「SEIRANKAN」のこの店舗を教えてもらって、お店を出すことになったんです。

 

丁寧につくられた、マルとシカク。

――お店をこの場所に出した決め手はどんなものだったのでしょうか。

長尾さん:お店をつくるなら、コンクリートと木目を組み合わせた内装にしたいなってずっと思っていたんです。ここは僕のイメージにすごく近かったんです。それもあって、内装はほとんど変えていません。あとは、ここが複合施設だったのもひとつの決め手になりましたね。

 

――ふむふむ。

長尾さん:僕は新潟が地元じゃないので、 知り合いが多くいなかったんです。こういう場所であれば、このお店のことを知ってもらえる機会が増えるかなっていうのも、とても魅力的でしたね。

 

――「dessert café maru to shikaku」の由来を教えてください。

長尾さん:丸いものと四角いものを出そうと思ったからです。これはなぜかというと、カフェで出されるケーキってホールケーキを切り分けた、三角形のものが多いですよね。ここはそうじゃなくて、ひとつひとつ丁寧につくられたものを提供したくて。

 

 

――ここで食べられるのは、切り分けられていない、丸と四角のデザートだけということなんですね。

長尾さん:ずっとパティシエをしていたっていう経験があるので、他のお店がしていないような、ひとつずつのデザートをつくりたいなって思ったんです。せっかく自分でお店をやるなら、見た目と味を重視できるようなかたちにしました。

 

――デザートプレートのメニューは4種類あるんですね。

長尾さん:季節やフルーツにあわせてメニュー変えています。だいたい1,2ヶ月でどれかひとつのメニューが変わっていくので、オープン当初に出していたメニューはないですね。あ、でも「パリブレスト」は季節によってクリームやフルーツを変えてるんですけど、名前は「パリブレスト」として残そうと思っています。

 

 

――「パリブレスト」とは、どんなお菓子なのでしょうか。

長尾さん:フランスのお菓子で、フランスの都市であるパリとブレストが由来になっています。昔このふたつの都市をつなぐルートを使った自転車の競技をしていたんです。とあるパティシエがそこにお菓子を出すために、車輪をイメージしたシュー生地をつくったのがはじまりだそうですよ。

 

一皿に、面白さを。

――お菓子をつくる中で、長尾さんがこだわっていることを教えてください。

長尾さん:甘さと食感に気をつけてレシピをつくっています。甘くなりすぎないクリームを使っていて、お客さまからも軽くて食べやすいと言ってもらえています。食感でいうと、ひとつのお皿の中にいろんな食感を楽しんでもらえるように意識していますね。

 

 

――いろんな食感を、どのように実現しているのでしょうか。

長尾さん:フルーツだけではなくマカロンやメレンゲなどで、サクッとした食感や、しゅわっとした食感を感じてもらえるようにしています。そういった食感をいちばん良い状態で食べてもらうために、つくりたてを食べていただきたくて。うちではホールケーキ以外、お持ち帰りはご遠慮いただいています。

 

――一皿にいろんな発見ができるんですね。ソースやお花の配置も、アート作品のような美しさですね。

長尾さん:ありがとうございます(笑)。とにかく美しく盛ることは心がけています。あと、うちは1枚1枚、お皿が違うんです。お客さんやお皿に合わせて盛り付けを変えています。ふたりで来たときに、違うお皿でも同じ盛り方だったら、面白くないじゃないですか。

 

 

――それができるだけ、デザインの引き出しがとても多いんですね。

長尾さん:今までの経験から思いつくのもありますし、ふとデザインが浮かんだときにやってみて、よかったらそのまま採用しています。面白いと思ったことをやっていきたいので、もしかしたら今の盛り付け方やソースの置き方も変わっていくかもしれないですね(笑)

 

――「dessert café maru to shikaku」のこれからを教えてください。

長尾さん:オープンからこれまで、ありがたいことに楽しく仕事をさせてもらっているので、今後はもっといろんな人に来てもらえるように周知をしていきたいです。新メニューや最近はじめたお菓子教室の情報をInstagramで更新しているので、ぜひ見てみてください。

 

 

 

dessert café marutoshikaku

新潟市中央区西堀通4番町259-58

11:00〜18:00(Lo17:00)

定休日 火・水

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP