Things

庭の竹林を眺めながら、寛ぎの時間が過ごせるカフェ「絵のある風景」。

新発田市の米倉地区に「絵のある風景」というちょっと変わった名前のスポットがあります。青々とした見事な竹林に囲まれ、たくさんの骨董品が並べられる古民家。いったいどんなスポットなんでしょうか。オーナーの肥田野さんにお店のことや骨董品についてお話を聞いてきました。

 

 

ギャラリー&カフェ 絵のある風景

肥田野 隆三 Ryuzo Hidano

1950年新発田市生まれ。薬品会社やスーパーの勤務を経て、53歳のときに脱サラし自宅を使った「ギャラリー&カフェ 絵のある風景」をオープンする。お客さんの影響で興味を持ち始めた骨董品の収集が趣味で、2匹の飼い猫を可愛がっている。

 

肥田野さんがギャラリーやカフェを始めた理由。

——肥田野さんは「絵のある風景」を始める前、どんなことをしてたんですか?

肥田野さん:まあ……いろいろな会社に勤めていましたね。薬品会社とかスーパーとか……。でも昔のことです。「絵のある風景」を始めたのは、会社勤めに疲れたっていうのもあったんだけど、自分で何かやってみたいという思いもあったんです。お金をかけないように自宅を使って何かやってみようと思って、最初は離れでギャラリーを始めてみたんですよ。

 

——ギャラリーではどんな作品を展示してたんですか?

肥田野さん:地元の作家さんの個展をやったり、海外から持ってきた絵を展示したりしてましたね。でもギャラリーだけでは商売としては厳しかったので、カフェも始めることにしました。そうしたら、クチコミでいろんな人が来てくれるようになりましたね。年に6回くらいはイベントも開催してきました。三味線、ボーカル、アコーデオン、大正琴、オカリナ、落語……。出演者の関係者やファンの人が来てくれたし、その人たちがいろんなところでこの店を紹介してくれたから、少しずつお客様が増えていきました。

 

今はコーヒーや、ドクダミを乾燥させて作る薬膳茶を楽しめる。

——カフェではどんなメニューを出してるんですか?

肥田野さん:自宅で料理教室を開いている方が協力してくれることになって、予約制でランチを提供していたんです。とても評判が良かったんですが今はランチをお休みして、コーヒーや薬膳茶を飲みながらゆっくり過ごしていただくって感じですね。

 

——ランチはお休みですか、それは残念です。ちなみに薬膳茶ってなんですか?

肥田野さん:ドクダミを乾燥させて作るお茶です。乾燥させることで癖がなくなって飲みやすくなるし、万病に効くって言われているんです。

 

——へ〜、珍しいお茶ですね。ところで骨董品がたくさん並んでいますけど、これは販売してるんでしょうか?

肥田野さん:はい。ある日カフェに来たお客様から「和の雰囲気のカフェだから骨董品が合うんじゃないか」ってアドバイスをいただいたんです。そこで、以前ここに住んでいた庄屋さんが残していった骨董品を展示してたんですよ。そのうちお客様の中から協力してくれる人が現れて、競りで骨董品を仕入れてきてくれるようになったんです。カフェに並べてみたら結構売れたんですよ。

 

 

——てっきり肥田野さんの趣味なのかと思ってました(笑)

肥田野さん:私は新しいもの好きだったので、古いものにはまったく興味がなかったんです(笑)。でもカフェで扱うようになってからは骨董品のよさがわかるようになったし、詳しくなりましたね。

 

カフェに使っている古民家は、実は国の有形文化財。

——そもそもこの古民家はどういう建物なんですか?

肥田野さん:私が生まれ育った家で、大正10年から続いている古民家なんです。昨年、国の登録有形文化財に指定されたんですよ。新発田市の職員さんたちがいろいろと協力してくれましたね。

 

——おお、生まれ育った家が文化財になるってすごいですね!

肥田野さん:ありがたいことですよね。昔の家屋って2年くらい時間をかけて丁寧に建てているから、100年経ってもしっかりしてるんですよ。もともとこの辺りの庄屋さんが住んでいたんですが、うちの本家が分家のために買い与えたんです。庭はそのまま残して家だけは建て替えたから、庭は江戸時代から続いていて250年以上の歴史があるんですよ。

 

——あの、この少し先にある「豪農の館 肥田野邸」って、もしかして……。

肥田野さん:うちの本家があった場所です。本家は新発田から東蒲原にかけて広い農地や山林を持っていた地主で、造り酒屋もやっていたんです。今は他の方の手に渡って「東北民芸館」っていう名前の博物館として利用されてます。私は分家の生まれで4代目になるんですよ。

 

地元のために役立つ取り組みをしていきたい。

——お客さんはどんな方が多いんですか?

肥田野さん:地元の方々が多くて、コミュニケーションの場になっていますね。毎日午後からご近所の方がやってくるんです。年配になってくるとまわりに知り合いが少なくなって、おしゃべりできる場がないんですよね。でもここに来れば気軽におしゃべりすることができるんです。カフェをやっていることで少しは地域に貢献できてるのかなって思いますね。

 

——なるほど、地元の方にコミュニケーションの場を提供しているわけですね。

肥田野さん:近所の農家さんの野菜やハンドメイド作品の販売なんかもしています。

 

 

——これからやっていきたいことはありますか?

肥田野さん:この米倉地域は3年前から空き家が目立つようになったんですよ。そこで私が空き家を買い取って、蕎麦屋や骨董品店として営業してもらい、町おこしみたいなことを始めてみたんです。今後もその活動を続けて、地元の米倉地区を盛り上げていきたいと思ってます。

 

 

古民家や骨董品といった「失われていくもの」にスポットを当てながら営業している肥田野さんは、今の時代に失われてつつある「人と人とのコミュニケーション」をとても大切にしているように感じました。古民家や骨董品に興味がある人はもちろん、のんびりした時間を過ごしたい人はぜひ訪れてみてください。懐かしい大切なものを思い出せるかもしれませんよ。

 

 

ギャラリー&カフェ 絵のある風景
〒957-0036 新潟県新発田市米倉2905

0254-28-5952

10:00-17:00

月曜休

  • She
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード


TOP