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パンとカフェで地域コミュニティの拠点を目指す「Farmer’s kitchen black bird」。

新潟市西区の「Farmer’s kitchen black bird」は、パンの販売とカフェ営業を軸にした地域コミュニティの拠点として、今年9月にオープンしました。今回は代表の本間博明さんと、パン作りを担当している本間峡さんに、お店のコンセプトなど、いろいろなお話を聞いてきました。

 

Farmer’s kitchen black bird

本間 博明 Hiroaki Honma

1967年新潟市西区生まれ。「本間商事」3代目社長。生産法人「黒鳥枝豆研究所」と飲食業を展開する「越信商事」の代表も務める。狩猟免許を持っていて、冬場は趣味と実益を兼ねた鴨猟を楽しむ。本間さんの鴨料理はどれも絶品で、ホームパーティでも大人気だそう。

 

Farmer’s kitchen black bird

本間 峡 Kyo Honma

1962年新潟市中央区生まれ。博明社長の妹さんの旦那さんで、パン作りを担当。趣味は音楽でバンドも組んでいる。

 

ただのカフェではない、地域コミュニティとしての拠点に。

――以前「ホンマベーカリー」のお話を聞かせていただきました。今回の「ブラックバード」は、そのときお話しされていた「新しいこと」ですね。

博明さん:そうです。でもここはパン屋であり、カフェでもあり、地域のコミュニティであり、発信する拠点としての機能を持たせようと思って作りました。

 

――このオープンの構想はいつくらいから考えていたんですか?

博明さん:だいぶ前からあたためてはいました。パンの売り上げが伸びているっていうのと、小麦の自家栽培を始めたっていうのがちょうどマッチしたので、自分が考えていたことを皆に話したら賛同してくれて。それから打ち合わせをする中でコンセプトがかたちになってきました。

 

自家栽培の小麦や枝豆をふんだんに使ったパン。

――まずは、パンのこだわりについて教えてください。

博明さん:パンは、自分たちで栽培した小麦や枝豆を具材として使っています。それ以外の材料も、なるべくこの黒鳥で採れたものを使うようにしていて、物販スペースに置いてある野菜なども黒鳥で採れたものを並べています。

 

峡さん:基本的には材料まで自分たちで作ろうっていう方向性で進めています。社長が野菜を作っているので、例えばハーブにしても、すべて手作りのオリーブオイルを使ってバジルソースを作ったりしながら、できるだけ他にないものを作っています。調理面では、美味しい素材をいかに提供するかっていうのがこだわりですね。自家栽培した小麦がどうやってブレンドしたら一番ひき立つかっていうのを考えたり。

 

 

――ちなみに、自家栽培した小麦を使うとどう違うんですか?

峡さん:作った小麦を製粉してもらった時点で、水分量、香りや甘みが違います。

 

博明さん:大きな製粉機で製粉しようとすると、どうしてもロットが多くなってしまうんですよ。そうするとよその生産者さんの小麦も一緒に混ざっちゃうんです。でもうちは自家栽培の小麦だけを使いたかったので、そうなると小ロットの石臼でひくしかないんです。石臼でひいてもらったものをうちが買い戻してそれを使っているような感じですね。

 

――へ~、石臼でひいているんですか。それだけでもだいぶ手間暇かかっていますね。

博明さん:自家栽培の小麦を配合するようになってから、パンのパリパリ感と香りがすごく良くなったと思います。あとは売れ行きが大きな指標ですよね。美味しいから皆さん買ってくれるわけなので。

 

――パンのラインナップはどのように変えているんですか?

峡さん:今は季節的に枝豆が取れているので、枝豆を使った商品が多いです。季節で採れる野菜だったり作っているものを使ってメニューを考えています。

 

 

博明さん:枝豆の餡にしても、これだけ贅沢に使えているのは自社生産だからなんですよ。見た目が悪いだけで出荷できないけど、味は綺麗なものと同じで美味しいんです。しかも採れたてを加工用として使っているからすごく贅沢な使い方をしています。枝豆のプロとしては、枝豆にもいろんな味があるから、そこのブレンドも考えながら餡を作っています。毎度同じ枝豆を使用するのではなくて、季節や状態やパンに合わせながら変えていってます。

 

カフェの枠にとらわれない夜営業や、鴨料理の提供。

――今後のメニュー展開としてはなにか構想がありますか?

博明さん:今はまだオープンしたてで珍しいから、パンとカフェでお客さん来てくださいますけど、それだけじゃすぐ飽きられてしまうと思っているので、モーニング、ランチとか少しずつメニューを増やしていきたいとは思っています。

 

――まだまだいろいろアイディアがありそうですね。

博明さん:11月になったら週末2日限定で夜営業もしたいですね。この辺の人たちに、歩きとか自転車で気軽に来てもらえて、飲み食いできるようなスペースにしたいですね。コロナでみんな飲みに行けないし、行くにしても黒鳥は不便な場所だからこの近辺でそういうことができたらいいなって思います。お酒飲めるよって言うと、みんな喜んでくれるから(笑)

 

 

――新しく、今具体的に考えている料理とかはありますか?

博明さん:月1でやってる直売所のイベントで鴨汁と鴨飯と鴨肉を売ったら大盛況だったんです。商品になるかなと思ってやってみたらバカ売れだったんですよ(笑)。うちらは鴨猟師でもあって、うちの親父の代から猟師で40年やっているので、美味しい鴨の食べ方がわかるし、目利きもできるんです。猟期が来月から始まるので、ランチは鴨汁と鴨飯、ディナーは鴨料理みたいな展開で考えてます。

 

――おおー、ここで鴨料理も食べられちゃうんですね。

博明さん:ジビエとか鴨って特に高いイメージあると思うんですけど、うちは自分たちで捕っているから価格も自分たちで決められます。肉をメインに販売したらやっぱそれなりの値段になっちゃいますけど、鴨汁とかであれば一羽の鴨で料理たくさんできるじゃないですか。焼きにしても、例えば2切れと、うちでこだわって作ったネギをたくさんつけて提供したり。鴨肉と一緒になって脂がついたネギっていうのも美味しいですし。そういうことをやろうかなと思っています。

 

――うわあ、美味しそう。

博明さん:美味しい部位とか食べ方っていうのもあります。ジビエの内臓っていうのはなかなか扱える人が少ないと思うんですけど、うちらは自分で締めているからもう抜きたてのハツとかレバー、せせりとかをお客さんに少量だけど出してあげることはできます。脂がのってちょっと白くなっているレバーと胸肉を一緒に食べたらどんな高級品より最高に美味いですよ。

 

――提供する料理の幅がとても広くなって、お客さんにとっての楽しみも増えそうですね。

博明さん:12ヵ月同じようなメニュー展開の営業はするつもりないですね。季節によって旬なものをどんどん出していこうと思っています。冬は鴨が旬だから鴨とネギと秋冬野菜。手間暇をかけて作る・獲る・育てるをコンセプトにしています。逆に、「この前、あれが美味かったからあれ出して」って言われても、「もうないです」ってなる場合もあるんですけどね(笑)

 

 

――今後の展開を楽しみにしています。

博明さん:農林業業は一次産業とか、そういう区分で分けるんじゃなくて、うちはこういうスタイルの農業と商売をやっていることを、他の生産者とかシェフとかに見直してもらっています。この拠点を作って会社としての生きざまを見せることによって、私たちにとっては求人にもつながるんです。ほら、見てもらっても分かるように、若い子が多いでしょ。ただ作業だけやっていたら農業って地味かもしれないけど、こういうスタイルで営業して、収穫の後は着替えてカフェに立つ、とかがあると働く側のモチベーションにもつながるんです。「これも農業のかたちなんですよ」って伝えながら、地域の活性化ができればいいなと思っています。

 

 

Farmer’s kitchen black bird

025-378-0871

営業時間:8:00~15:00

定休日:火、水、不定休

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