近年、キャンプ人気が高まってきていますよね。皆さんの中にも最近になってキャンプデビューされた方は多いんじゃないでしょうか。新発田市の「滝谷森林公園キャンプ場」は、山や川に囲まれてキャンプサイトも整備されている、お手頃なファミリーキャンプ場として人気のアウトドアスポットです。そんな「滝谷森林公園キャンプ場」の近くにひときわ目立つログハウスが建っています。今年の5月からこのログハウスに「フォレイジハウス」という名のアウトドアショップがオープンしました。今回は店長の本間さんに、アウトドアの魅力についてお話を聞いてきました。
フォレイジハウス
本間 忠幸 Tadayuki Honma
1981年新発田市(旧加治川村)生まれ。ホームページを制作する会社で営業やWEBディレクターを担当。今年の5月に新発田市滝谷でログハウスを利用した「フォレイジハウス」をオープンし、店長として運営を任される。趣味は山菜採り、きのこ狩り、釣りなどアウトドア全般。
——素敵なログハウスですね。ここはどんなお店なんですか?
本間さん:アウトドア用品を取り扱っている他、ハンドメイド作品、旬のシーズンには山菜やきのこの販売も行っています。
——このログハウスはもともと建てられていたものなんですか?
本間さん:そうなんですよ。僕には、山の遊び方を教えてくれる師匠がいるんです。その師匠はとても顔が広くて、このログハウスのオーナーとも知り合いだったんですよ。そのオーナーがログハウスの有効活用に悩んでいたので「えちご四駆村」というキャンプ場を運営している黒田君を紹介したんです。
——黒田さんって、以前「Things」でも「えちご四駆村」の記事で取材に協力していただいていますよね。本間さんは黒田さんとどういうお知り合いなんですか?
本間さん:彼とは高校の同級生なんです。黒田君が中古車販売を始めた頃に再会して、一緒に山菜採りやきのこ狩りに行くようになったんです。
——アウトドア仲間なんですね。相談を受けた黒田さんが「フォレイジハウス」をオープンしたんですか?
本間さん:黒田君がオーナーになって、まわりの山仲間たちの持ち寄ったアイテムを販売するアウトドアショップを始めることになったんです。山仲間には、山菜博士、きのこ博士、山野草博士、釣り名人、ハンターといろいろなスペシャリストがいるんです。僕は店長としてお店を任されています。
——お店では、具体的にどんなアイテムを扱っているんですか?
本間さん:キャンプやバーベキューに使う道具はもちろんですけど、その他にもアウトドアっぽいグッズをいろいろ扱っています。たとえば、ガスバーナーに使うガスの空きカセットを再利用して作った灰皿とか、熊のツメやキバで作られたアクセサリーなんかもあります。レザーで作られているハンドメイドの「大人のてるてる坊主」はインスタ映えするということもあって人気商品なんです。
——結構コアなグッズを売っているんですね(笑)
本間さん:旬の時期に販売する山菜やきのこも、なかなかコアですよ。なにしろ山菜やきのこを極めた人たちが採ってくるものですから(笑)。もう少ししたら販売を始めようと思っているのが、イタリア料理に使われる夏きのこのポルチーニ茸です。春はモリーユ茸や山菜など、季節に応じた食材を販売したいと考えています。
——本間さんはどんなきっかけでアウトドアに目覚めたんですか?
本間さん:僕は今までWEB制作の仕事をしてきて、いろんなホームページを手がけた中で、ECサイトも担当したことがあったんです。そのサイトでは自然農法や有機栽培で作った米なんかも扱っていました。山菜の通販も始めることになったので、詳しい人を探しているうちに、山の師匠と出会ったんです。僕は商品を扱う際には必ず作っているところに行って見学してみたり、自分で体験したりしていたので、そのときも山菜採りに連れて行ってもらったんですよ。
——その体験でアウトドアの魅力に目覚めたわけですね。
本間さん:普通は初心者を連れて行くときって、簡単なコースに案内するじゃないですか。僕の場合はいきなり片道4時間もかかるような、ハードな山深い場所に連れていかれちゃったんですよ(笑)。慣れない山歩きのおかげで、両足にできた豆がつぶれて血まみれになってしまいました。
——うわぁ……それは大変でしたね。そんな思いをしても山に魅せられたんですか?
本間さん:日常生活の中では体験できないことがたくさんあったんですよね。たとえば、ビギナーズラックといっていいのか……最初の山菜採りでツキノワグマに遭遇してしまったんです。川を挟んで3分間くらいにらみ合いっこしてました。この道20年のベテランでも熊とはまだ出会ったことがなかったそうで「持ってる」って言われましたね(笑)
——それはすごいですね……。一生のうちに野生の熊を見る機会なんて、そうそうないですもんね(笑)
本間さん:他にも山鳥とアオダイショウの壮絶なバトルを目の当たりにしたこともありました。当時は1日中パソコンと向かい合う日々を過ごしていたので、1発目の体験で自然の非日常的な魅力にハマってしまったんです。いきなりハードなコースに連れて行ってくれた師匠に感謝しています(笑)
——でも、魅力にハマるのはいいですけど、危険な目に遭うことも多いんじゃないですか?
本間さん:そうですね。今まで怖かったのは、崖下何十メートルもある谷にかかっている橋が、角材1本分くらいの幅だったときですね。思わずひるんでいると、慣れているおじいちゃんがひょいひょいと渡っていくんですよ(笑)。他にも実際に斜面で足を滑らしたり、落ちそうになった経験もあります。
——そんな橋、私は絶対に渡れません(笑)
本間さん:(笑)。あとサルの大群と出くわして試しに笛を鳴らしてみたらサルたちが急に怒り出したり、川の中に入って釣りをしていたら、毒蛇のヤマカガシが自分に向かって泳いできたりしたこともありました。毒蛇の中でもヤマカガシは血清がないので特に危険なんです。
——……やっぱりいろいろと危険はあるんですね。
本間さん:だから山菜採りやきのこ狩りで山に入るときは、慣れるまで詳しい人と行くべきなんです。そのためにも「フォレイジハウス」みたいな場所があった方がいいと思うんですよ。
——アウトドアの魅力をまとめると、どういうところだと思いますか?
本間さん:山菜採りにしてもきのこ狩りにしても釣りにしても、宝探しの冒険みたいな楽しさがあるんじゃないでしょうか。普段とは違った非日常を味わえるのも魅力ですね。ただ自然の中では危険と隣り合わせですから、くれぐれも準備をしっかりして慣れている人と一緒に行動していただきたいです。
——最後に、今後「フォレイジハウス」でやっていきたいことってありますか?
本間さん:ログハウスの裏にずっと使っていない露天風呂が眠っているので、整備して開放したいです。あとは良質な薪や薪ストーブの販売も始めたいと思っています。これからも、アウトドアの魅力を多くの人に伝えられる施設として続けていきたいですね。
普段はできない非日常体験を楽しむことができるアウトドア。でも専門的な知識がないと危険な目に遭うこともあります。アウトドアを楽しむ際には、しっかり準備してから自然の中に出かけましょう。新発田方面でアウトドアを楽しむときは「フォレイジハウス」に立ち寄って、準備を整えてはいかがでしょうか。いろいろなことを教えてくれると思いますよ。
フォレイジハウス
新潟県新発田市滝谷 ログハウス朴名
070-2424-2191
10:00-17:00(土日祝日のみ営業)