長岡で、中国を感じる。
大手通りのガチ中華「HaoGui」

食べる

2026.05.13

text by Ayaka Honma

みなさんは、「ガチ中華」という言葉をご存知ですか? 本場に近い中華料理を提供するお店のことだそうで、長岡市にある「HaoGui」もそのひとつ。20年以上中華に携わってきた中村さんの作る中華料理は、私たちが想像しているものとは少し違うかもしれません。中村さんが長岡でお店をはじめるまでのことや、料理のことなど、お話を聞いてきました。

Interview

中村 祐太郎

Yutaro Nakamura(HaoGui)

1985年長岡市出身。高校卒業後新潟市の専門学校で調理を学び、横浜や東京で経験を積む。コロナ禍をきっかけに新潟に戻り、越路で「中華バル 酒鬼(ジョウグイ)」を開店。その後「HaoGui」をオープンする。今年の秋は北京に行く予定なんだとか。

中華料理の最先端で経験を積んで、
長岡でお店を出すまでのこと。

――今日はよろしくお願いします。早速ですが、中村さんのこれまでのことを教えてください。

中村さん:高校を出てから、新潟市内の専門学校に通いました。19歳で横浜の中華街で働きはじめて、それからからほぼ中華をやっていましたね。

 

――中華の道に進んだのには、どんな理由が?

中村さん:「飲食店をやりたい」という夢があったわけじゃないんですけど、単純に食べるのがすごく好きだったんです。「飲食の仕事に就いたらうまいものが食べられるんじゃないか」って(笑)。和・洋・中の中で中華にしたのは、料理をちゃちゃっと一気に作れるのが面白かったんです。せっかちな性格も、中華と相性がよかったのかもしれないですね。

 

――学校を出られてからは、横浜の中華街で働かれていました。

中村さん:本当は新潟県内の中華屋さんで働こうと思っていました。でも求人が少なくて、出ていてもラーメン屋さんかホテルくらいで、選択肢がなかったんです。そしたら先生が、卒業生が働いている横浜のお店を紹介してくれたんですよ。最初はそこで働くかちょっと悩みましたけど、今思えば働けてよかったなって思っています。

 

――そう感じられるくらい、とてもいい経験をされたんですね。

中村さん:新潟では経験できないこともたくさんあったと思います。横浜の後は東京でも働いていたんですが、単純に面白かったですし、日本の中華の最前線をいく方たちと一緒に仕事ができたのは、本当にいい経験でした。先輩や同僚の中には雑誌に出ていたりする人もいるので、今でも刺激をもらっています。

 

――新潟に戻ってきたのは、どんな経緯があったのでしょう。

中村さん:東京で働いていたときは、新潟に帰ろうっていうのは1ミリも考えてなくて(笑)。この世界に入ってから、自分のお店をはじめるのがひとつの夢でもあったので、「そろそろお店をやりたいな」って考えていたとき、お店をするなら地方都市にしようと、神戸か仙台に目星をつけていました。それで、仙台に市場調査しに行こうと思ったのが、2020年だったんです。

 

――コロナ禍だったんですね。

中村さん:それで仙台に行けなくなったんですけど、自分の中ではお店をはじめるって決めていたので、東京で働き続けるっていう選択肢はなくて。とりあえず長岡に帰ろうっていうことで、2021年に長岡に戻ってきました。そしたら次の年には越路に「中華バル 酒鬼(ジョウグイ)」をオープンしていましたね。それから2年後に、この場所に移って「HaoGui」をはじめました。

 

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料理からも、お酒からも、
中国を感じてほしい。

――中村さんの作る料理は本場の中華料理、いわゆる「ガチ中華」です。

中村さん:ちょうど20年前に、ひとりで上海に行ったんです。それまで香港には行ったことがあったんですけど、上海ははじめてでした。土地勘も何もないままとりあえずお店に入って料理を食べたら、衝撃を受けました。まず見た目から日本の中華とは違うし、食べればうまくて。そこから現地で作られる中華料理にハマっていったんです。

 

――日本の中華料理は、本場とは違うんですね。

中村さん:日本の寿司がアメリカに行ったら、カリフォルニアロールが生まれるみたいに、他の国に行くとその土地に合わせて変わっていくのは日本の中華も同じで。中国と日本の中華料理はまったく別物だと思ったほうがいいですね。中国の料理の美味しさにハマってからは、年に1度は中国に行っています。

 

――昨年は雲南省に行かれたんだとか。

中村さん:雲南省は、ミャンマーとラオスと接する国境沿いのエリアですね。このエリアで食べられる料理が個人的に好きで、過去に何回も行きました。中国は場所によって食べられているものが全然違うので面白いんですよ。上海は甘じょっぱい味付けの料理、四川だったら辛い料理、この前行った雲南省は、辛みと酸味のある料理が多い、みたいな。

 

――中国は広いから、その土地ごとの食文化がより楽しめそうです。

中村さん:中国は歴史のある国なので、歴史に絡んだ食文化もすごく面白いんですよ。有名なもので言うと、「青島ビール」ですかね。山東省というところで作られているビールなんですが、日清戦争の時代、ドイツの領地だったからビールが作られていたそうなんです。山東省ではワインも作られていて、これも過去の歴史が関係しているかもしれないですね。

 

――いろんな角度から中国を見てきた中村さんの作る料理を、ひとことで表すと?

中村さん:今まで行った中国各地の美味しかったものと、それぞれの土地の代表料理を作っています。お客さんからよく「どこの地域の料理を出しているの」って聞かれるんですけど、地域にこだわりはないんです。せっかくあれだけ広い土地があるんだから、エリアを限定しちゃうと面白くないかなって。中国各地の「のっぺ」みたいな料理を出していると思ってもらえたら、わかりやすいかもしれません(笑)

 

――そんなお料理に合わせたいのが、中国で作られているお酒たちです。新潟ではなかなか味わえない、珍しいお酒がたくさんあります。

中村さん:日本でもおなじみの「青島ビール」はスタンダードなものを含めたら4種類ありますし、北のハルビンで作られたビールも飲めますよ。あとは中国で作られたワインや、紹興酒といった醸造酒、日本の焼酎のような「白酒(パイチュウ)」という蒸留酒、ジンやウイスキーなどのハードリカー系など、中国で作られたお酒をいろいろ楽しめますよ。日本でここでしか飲めないお酒もあるので、いろいろ試してもらえたら嬉しいですね。

 

――お料理からもお酒からも、中国を楽しめますね。

中村さん:うちに来ていただいたら、中国を全身で味わってもらいたいんです。僕は日本人なので本場で作られる料理を完全に再現することは難しいんですけど、出汁や旨みを使った味付けや油の使い方みたいな、中華料理のいいところを取り入れて作るようにしています。

 

人気メニューの「上海黒酢スブタ」。紹興酒に合わせるのがオススメ。
「雲男蒸溜所」で作られたクラフトジン。日本で楽しめるのはここだけなんだそう。

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ここに行けば、
まだ知らない中国がきっと見つかる。

――お話を聞いているだけでも、今まで知らなかった中国の一面を知ることができました。

中村さん:お客さまからも、「中国に行きたくなった」って言ってくださることが多いですね。中国に対して、ちょっと怖いイメージを持っている人もいると思うんですけど、実際に行ってみると、全然違うのがわかると思います。以前、中国のスーパーで買い物をしていたとき、お金が足りなくなったことがあったんです。そのとき店員さんが、その場で日本円と中国の人民元を立て替えてくれて。初対面の外国人旅行者に親切にしてくれました。先入観を持たずに、フラットな状態で一度行ってみてほしいなと思っています。ご飯は美味しいし、お酒は安いし、文化もとても面白い国だと思うので。

 

――私も中国に行ってみたくなりました。最後に、中村さんのこれからの目標を教えてください。

中村さん:いろいろありますけど、将来的には農業もやってみたいなって思うんです。国外からほとんど輸入している中国野菜を自分で作れたら面白いだろうなって思って。作った野菜を使って女性向けの薬膳漢方の中華料理を出すお店もやれたら、もっと楽しくなると思うんです。お客さんに楽しんでもらえるように、自分が面白いと思うことをやっていきたいですね。

 

カウンターには中村さんが撮影した中国の写真があります。当時のエピソードを聞くのも、ここならではの楽しみ方。

localchinabar HaoGui-ハオグイ-

長岡市大手通1丁目3-8 コスモ和第二ビル 2F

営業日はInstagramをご確認ください。

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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