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こだわりが詰まった隠れ家のようなお菓子屋さん「HARU」。

新潟市東区にある「寺山公園」には、親子連れやカップル、犬の散歩をする人などたくさんの人たちが集まります。その公園の目の前に今年オープンしたのが、マフィンやタルト、クッキーなどの焼き菓子が並ぶお菓子屋さん「HARU」です。「目の前」といってもまるで隠れ家のようで、ちょっとわかりにくい場所にあるお店。そこにオーナーの広井さんを訪ね、お菓子への思いを聞いてきました。

 

 

HARU

広井 千春 Chiharu Hiroi

1984年長岡市生まれ。食品会社や障がい者就労施設で働いた後、2021年9月に焼き菓子の店「HARU」をオープンする。子どもと一緒に遊びに行くプールが今一番の楽しみ。

 

小学生の頃からの夢だったお菓子屋さん。

——ちょっと隠れ家みたいなお店ですね。まさかこんなところに、こんな可愛いお菓子を売っているお店があるとは思わなかったです。

広井さん:わかりにくい場所ですみません(笑)。大きな公園に近い立地に惹かれて、ここでお店をはじめることにしたんです。

 

——通りがかりに見つけて立ち寄るお客さんはあまりいないと思うので、ほとんどのお客さんが「HARU」さんを目指してやって来るっていうことですよね。

広井さん:今はSNSで告知ができるおかげで、とっても助けられているんです。SNSがなかったらチラシを作って、1軒1軒ポスティングして回らなければならないですもんね。

 

——確かにそうですね。広井さんは以前からお菓子屋さんをやりたいという気持ちはあったんですか?

広井さん:はい。もともとお菓子作りが大好きで、小学生の頃からプリンやチーズケーキを作っていたんです。幼なじみの家がお菓子屋さんをやっていたので、「大人になったら一緒にお菓子屋さんをやろう」なんて話していました。

 

——じゃあ子どもの頃からの夢が叶ったわけですね。お菓子作りはどこかの専門学校やお店で勉強したんですか?

広井さん:いえ、今まではお菓子とは関係のない食品会社で品質管理の仕事をしたり、障がい者就労支援施設で作業のサポートをしたりしていました。ただ、仕事をしながらプライベートでお菓子作りは続けていて、作ったお菓子を江南区の農産物直販所で販売したりしていたんです。

 

——お菓子屋さんをはじめることになったのは、何かきっかけが?

広井さん:食品会社に在籍していたとき、育児休暇中に女性研修を受けたんです。「どんなキャリアを積んでいきたいか」というテーマで、研修生それぞれが自分の夢を書いたんですけど、そのときに「お菓子屋さん」という自分の夢を思い出したんですよ。その後は何度か諦めかけたんですけど、最終的にはどうしてもお菓子のお店をやりたいという気持ちが抑えきれなくなったんです。

 

お店をはじめてみて、大変なことやうれしいこと。

——念願のお菓子屋さんをはじめてみて、いかがでしたか?

広井さん:小さなお店なんですけど、意外とやることが多くて忙しいなって思いました(笑)。あと家事や育児をしながらなので、お客様には大変申し訳ないんですけど、営業は16時までが限界なんですよ。

 

——お子さんが小さいうちはいろいろ大変ですよね。

広井さん:そうですね、子どもの具合が悪くなればやむなくお店を休まなければならないときもありますし……。

 

 

——逆にお店をはじめてよかったと思うことはありましたか?

広井さん:「農産物直売所で買ったお菓子が美味しかった」とか「知り合いに勧められて食べたら美味しかった」とか、そう言って買いに来てくれる人がいるのは本当にありがたいし、うれしいです。特に農産物直売所で私のお菓子をずっと買ってくれていたお客様が、お店に来てくださってはじめてお会いすることができたのは感激しました。今までは間接的にしか聞けなかったお菓子の感想を、直接顔を見て聞けるようになったのはうれしいですね。

 

——お客さんと直接対話できるって大きいんですね。

広井さん:「HARU」をはじめてからは、よく来てくださるお客様の好みを考えながら、お菓子作りをするようになりましたね(笑)。以前よりもとてもやり甲斐を感じるようになりました。

 

お菓子作りは難しいからこそ、面白い。

——広井さんはどんなお菓子を作りたいと考えていますか?

広井さん:自分の子どもたちに食べさせてあげたいと思うようなお菓子です。だから、美味しいのはもちろん、安心して食べていただける材料を使っています。それから素材の味を生かすように心がけていますね。

 

——それで愛情のこもったお菓子ができるわけですね。素材の味を生かすためには、どんなことに気をつけているんですか?

広井さん:例えばバターは味が強いから、使うときは砂糖の量を多くしないと味がバランスよくまとまらないんです。あと卵を使わずに作ると他の素材の味が強くなるんです。それに気づいてから、バターや卵は必要なとき以外はできるだけ使わずに作るようにしています。あと、使っているフルーツやナッツの味を引き立てるために、生地もそれぞれの素材に合わせて作っているんです。いろいろ試行錯誤してみて、一番美味しい組み合わせで作っています。フルーツは時期によって味や状態が変わってくるので、その都度合わせた生地を作っているんです。

 

 

——え、 素材に合わせて全部生地を変えているんですか? めちゃめちゃ大変じゃないですか。

広井さん:私は専門学校やお菓子屋さんで勉強したり修業したりしたわけじゃないから、専門的な知識がない分、毎回試行錯誤しながらなんですよね(笑)。子どもが寝たのを見計らって、1日1回はお菓子の試作をしています。お菓子作りはとても難しいんだけど、難しいからこそ面白いんですよね。

 

——その努力がお客さんに伝わるんでしょうね。お店をはじめたばかりですけど、将来の夢ってあるんですか?

広井さん:ゆくゆくは障がいを持った人を応援できるようなお店にしていけたらと思っています。それからお菓子作り教室やワークショップも開催してみたいですね。お母さんがゆっくり過ごせるイートインスペースも作ってみたいし……。やりたいことはいっぱいあるんですけど、今は自分のことで精一杯で手が回りません(笑)

 

 

「お菓子屋さんになりたい」という夢を叶え「HARU」をオープンした広井さんは、育児に奮闘しながら次の夢に向かって頑張っています。初めて訪れた人は隠れ家みたいでちょっと戸惑うかもしれませんが、思いきってガラス戸を開けてみてください。ほんわかしたムードの広井さんと、こだわりの詰まった美味しいお菓子が待っていますよ。

 

 

HARU

新潟市東区寺山1-19-30

050-8883-0168

11:00-16:00

日月火曜、祝日休

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