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八百屋の新鮮フルーツで作る「カミムラ」のフレッシュジュース。

近頃、下田方面に出かけるときになんとなく感じていた違和感……。その正体が最近やっとわかりました。「カミムラ」という小さな八百屋さんの店頭に、いつの間にかフレッシュジュースの売り場ができていたんです。しかも店頭には、バナナの角を生やしたカモシカの看板が掲げられています。今回は「カミムラ」の店主・山本さんとその娘さんに、八百屋のこだわりやフレッシュジュースをはじめたいきさつを聞いてきました。

 

 

カミムラ

山本 勝 Masaru Yamamoto

1948年燕市生まれ。工業高校卒業後、洋食器工場に勤める。三条市の青果市場で働いているときに奥さんと出会い結婚、子どもが生まれたのを機に製造業に戻る。10年ほど前に25年間勤めた鉄工所を定年退職し、「カミムラ」を開業。庭いじりが趣味。

 

25年勤めた鉄工所を定年退職後に、八百屋を開業。

——山本さんは、このお店をはじめてから長いんですか?

山本さん:この店をはじめたのは10年くらい前ですかねぇ。その前は鉄工所で25年働いていたんです。

 

——定年退職されてから八百屋をはじめたってことですか?

山本さん:そうですね。若い頃には青果市場で働いたこともあったけどね。八百屋で働いていた奥さんとは、その頃に知り合ったんですよ。結婚して子どもが生まれたから、収入が安定している洋食器の工場に勤めたんです。

 

——でも、退職を機に八百屋を。

山本さん:奥さんはずっと移動販売の八百屋を続けていたんです。俺も自分で商売をやってみたかったから、借金してこの土地を買って、奥さんとふたりで八百屋をはじめたんですわね。

 

 

——失礼ですけど、自営業をはじめるのって不安じゃなかったですか?

山本さん:心配はありましたね〜。このあたりにはタバコ屋、海産物屋、酒屋といろんなお店があったけど、みんな辞めてしまってたからね……。あと身体を壊したらお店を開けられなくなっちゃうから、酒をやめたりして健康には気を使うようになりました。お店で酒を売る代わりに、自分が酒をやめたんですわね(笑)

 

——本気の覚悟を感じますね。八百屋をやる上で、他にも気をつけていることってありますか?

山本さん:やっぱり野菜や果物の鮮度ですね。うちはエクアドル産のバナナを量り売りしているんだけど、置いておくと大きいから重みで下の方が傷んじゃうんですて。だから、ああやってぶら下げて売っているんです。大きいまま売っている店は少ないから、贈り物にも喜ばれていますね。

 

 

——扱っているのが生ものだから、鮮度には気を使うんでしょうね。

山本さん:そうですね。お店で売っているだけではフードロスが出てしまうから、週5回は車で移動販売をしているんですよ。遠くまで買い物に行けないような80〜90代の高齢者ばかり住んでいて、まわりにお店のない地域ではとても喜んでもらえてますわね。

 

——確かに、買い物が不便な人たちにとっては助かりますよね。お店のフードロスも解消されますか?

山本さん:それでもフードロスは出てしまうので、娘がフレッシュジュースと大判焼きの店をはじめたんです。娘のやることを半信半疑で見ていましたけど、ひっきりなしにお客さんが来てくれるのでびっくりしてます。

 

孝行娘がはじめた、フレッシュジュース。

——今度は娘さんにお話をお聞きしますね。いつから「カミムラ」を手伝っているんですか?

娘さん:少し前に母が体調を崩して、父がひとりで八百屋をやっていた時期があったんです。私は普段、会社勤めをしているんですけど、両親が大変そうだったので何とか助けたくて、空いている時間にお店を手伝うようになったんですよ。

 

——とても親孝行なんですね。

娘さん:私はお父さん大好きっ子なんですよ(笑)

 

——いわゆるファザコ……いえ、失礼しました(笑)。ところで、フレッシュジュースをはじめることになったのはどうしてなんですか?

娘さん:お店で売られているフルーツの、フードロスが多いのを見かねてはじめました。特に「カミムラ」自慢のエクアドル産バナナが傷んでいくのを見ていられなかったんです。以前、うちの店が卸しているバナナで、ジュースを作っていた喫茶店があったんですよ。そこのバナナジュースがとっても美味しかったので、ぜひ多くの人に味わってもらいたいと思って、昨年の10月にこのお店をはじめました。

 

 

——なるほど〜。お店の準備は大変でしたか?

娘さん:店舗の増築は建築業の主人がやってくれました。お店のロゴマークは、知り合いから紹介してもらったデザイン事務所で作ってもらったんです。カモシカの角がバナナになっているんですけど、バナナの形や色にはこだわりましたね。カモシカが父に似ているみたいで「お父さんがモデルなの?」ってよく聞かれます(笑)。この看板と一緒に写真を撮って行くお客さんが多いですね。

 

——下田といえばカモシカですもんね。フレッシュジュースのいきさつはわかりましたけど、大判焼きはどこから出てきた発想なんですか?

娘さん:お店に来るお客さんのほとんどは年配の方なんです。年配のお客さんには何が喜ばれるのか考えてみたら、大判焼きが頭に浮かんだんですよね。でも暖かくなると大判焼きの需要は減ってきそうだから、別の商品も検討中なんです。

 

 

——おっ、どんな商品を考えているんですか?

娘さん:八百屋ならではの、旬のフルーツでシロップを作ったかき氷とか、あんバターサンドとかを考えています。

 

——それは楽しみですね。他に何かやってみたいことってあるんですか?

娘さん:地元企業とコラボしながら、下田地域を盛り上げるお手伝いができたら嬉しいですね。あとは地元のお客さんを大切にしながら、お店を続けていけたらいいと思っています。下田の人たちって、みんな優しいんですよ。これも母が長い間培ってきた信頼からきているんだろうなって思いますね。

 

 

これから少しずつ暖かくなり、ドライブに出かける機会も増えると思います。下田方面にお出かけの際には「カミムラ」のフレッシュジュースで喉を潤してみてはいかがでしょうか。お店のアットホームな雰囲気に、気持ちも潤うと思いますよ。

 

 

カミムラ

三条市荒沢1172-1

0256-47-4209

7:00-19:00/ジュース&大判焼きは11:00-15:00(土日祝日のみ営業)

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