旅先の非日常感を体験できる店。ルームナンバーは「kitchen105」。
食べる
2021.08.11
空き倉庫をリノベーションした柏崎の商業複合施設「ハコニワ」。もう行ってみたよ、という方も多いのではないでしょうか。カフェ、ベーカリー、雑貨店、美容室、グリーンショップ、焙煎スタンド、不動産会社が一箇所に集まった施設です。今年の4月、ここに加わったのが「kitchen105」というレストラン。実はThingsで以前紹介した「里山café I’m Home」を手がけた西村さんがオーナーシェフとしてオープンしたお店なんです。今回は西村さんに2度目の取材をさせてもらいました。


有限会社la Luce L’ombra
西村 遼平 Ryohei Nishimura
1984年柏崎市生まれ。仲間たちと始めた模擬店が評判になったのを機に、ケータリングの仕事を始める。ディレクターとして「里山café I’m Home」「焙煎スタンド nibbles(ニブルス)」を手がけ、今年4月に「ハコニワ」内で「kitchen105」をオープンする。その他にも講師やアドバイザーとして精力的に活動している。
どうして「ハコニワ」に出店することになったの?
——ちょっと遅くなりましたけどオープンおめでとうございます。「里山café I’m Home」に続いて2度目の取材になりますが、よろしくお願いします。
西村さん:ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。
——まずは「ハコニワ」で「kitchen105」をオープンしたいきさつについて教えてください。
西村さん:本当は「ハコニワ」がオープンするとき一緒に「kitchen105」をオープンする予定だったんですが、こちらの準備の関係で少し遅れてオープンすることになったんですよ。隣に併設されている「焙煎スタンド nibbles」もうちの経営なんですが、こちらは昨年の10月にオープンしているんです。

——そうだったんですね。どういう流れでスタートアップのメンバーになったんですか?
西村さん:中心となって「ハコニワ」を運営している「八幡開発株式会社」の代表の飯塚さんから誘っていただいたんです。行政の手が入らない、民間が作る「公園」がモチーフになった複合施設という話を聞いて、僕のやりたかったことと同じだったので参加させていただくことにしました。
——西村さんもそういう複合施設を作りたい気持ちがあったんですか?
西村さん:柏崎には残念ながらホットな商業エリアがないんですよ。スポットとしては点在していても、集合している場所ってなかったんですよね。地域の観光のためにも、1日かけて回りたくなるような、いろいろ集まっている場所を開発しないと、この先の発展ってないんじゃないかなって思っていたところだったんです。
——いろいろな店が集まることで人も集まりますもんね。
西村さん:そうですね。あと完全に民間企業だけで運営していて、行政の手が入っていないことで自由度が高いというのも魅力ですね。今計画しているのは「ハコニワ」を使った結婚式なんです。ここにはヘアメイクができる美容室があるし、お花はグリーンショップ、引出物は雑貨店で用意できちゃうんです。新居は「八幡開発」に相談できますし(笑)。各店舗が枠からはみ出しながらやっていくことで、経済循環ができる可能性も期待できます。
店名の由来はホテルのルームナンバー?
——ところで店名の「105」ってどういう意味なんですか?
西村さん:ホテルのルームナンバーをイメージしているんです。「ハコニワ」の左から数えて5番目に当たるので「105号室」っていう意味ですね。お店の会員証もルームキーをイメージしているんですよ。会員になるとコーヒー豆をボトルキープできて、無料でコーヒーを飲むことができるんです。

——徹底したイメージづくりですね。でも、どうしてホテルのルームナンバーなんですか?
西村さん:僕は人生の中で旅行ってとても大切だと思っているんです。旅先でしか味わえない、味、風景、歴史、出会い。日常から抜け出して癒されたり。「kitchen105」はそんな体験ができるような場所を目指しています。

——たしかに窓からのロケーションもいいし、ちょっとした旅気分を味わえますね。
西村さん:ありがとうございます。僕はこの店を「柏崎で一番回転の悪い店」にしたいと思っているんです。お客様にはできるだけゆっくりしていってほしいので、わざと重くてじっくり座れるイスを選びました(笑)。ハンモックも用意していますし、カウンター席ではシェフとコミュニケーションをとっていただくこともできます。
——お客さんの反響はいかがですか?
西村さん:今は新型ウィルスの影響で、旅行どころか外食もままなりませんよね。そんな中でもおかげさまで満席になることもあって、僕が今まで手がけてきたお店の中で最も手応えを感じています。

フレンチとアウトドアの融合で、新しい料理を生み出す。
——料理のおすすめを聞いてもいいですか?
西村さん:お客様にゆっくり食事をしていただきたいので、コース料理で提供させていただいているんです。カップルがふたりきりで大切な時間を過ごせるような店って柏崎には少ないので、そういう、大切な人と記念日を祝えるようなお店にしたかったんです。

——デートスポットとしても使えるわけですね。料理はどんなところにこだわっているんですか?
西村さん:フレンチとアウトドアのイノベーティブフュージョンです。アウトドア料理で使う技法を取り入れながら、しっかりした本格フレンチとして提供することで、この場所でしか食べられない価値を生み出したいと思っています。

——融合が新しい価値を生む、と。他にもこだわりはありますか?
西村さん:柏崎で食事していただいているからには、柏崎でしか食べられないものをお出ししたいですね。だから地元の食材にはこだわっています。それを食べたお客様が「柏崎にはこういう食材があるんだね」とか「この食材ってこういう食べ方もあるんだね」って言ってくれて、柏崎の食材に興味を持ってくれたら嬉しいですね。

——最後に、今後はどんなことをやっていきたいですか?
西村さん:これからも柏崎を拠点として、新潟県を盛り上げられるような活動をしていけたらと思っています。またそのときは取材に来てください(笑)

kitchen105
新潟県柏崎市横山440-1 ハコニワ内
0257-41-5800
11:00-22:00(月曜のみ15:00まで)
火曜休
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