新潟市北区では毎月「葛塚市(くずづかいち)」が開催され、建ち並んだ露店で新鮮な農産物が販売されます。その通り沿いに、昨年「ラグーナスクエア」という施設がオープンしました。いったいどんな施設なのか、運営を担当する水澤さんからお話を聞いてきました。
ラグーナスクエア
水澤 好花 Sumika Mizusawa
1992年新潟市北区生まれ。早稲田大学卒業。新潟に戻ってハウスメーカーで働いた後、父親の会社で事業を手伝いはじめ、2023年に地域交流複合施設「ラグーナスクエア」をオープン。愛犬である2匹のヨークシャテリアと遊ぶことが心の癒し。
——早速ですけど、こちらはどういう施設なんでしょうか?
水澤さん:老舗割烹だった建物をリノベーションした、カフェやフリースペース、レンタルスペース、大学のまちなかキャンバスが集まった複合施設なんです。「地域交流プラットホーム」というコンセプトの下、「学び」「食」「癒し」を入口として集まった様々な人たちがつながっていくことで、地域が発展してくれることを目指しています。
——ここって以前は割烹だったんですね。
水澤さん:はい、「中常楼(なかつねろう)」という歴史ある割烹で、婚礼や仏事をはじめとした会合や宴会では地元の人たちにお馴染みのお店だったんですよ。できるだけ以前の面影を残したまま、壁や床を貼り直す程度にリノベーションしました。
——たしかにこの広さは宴会場の名残を感じますね。そもそも、どうしてこの施設を作ろうと思ったんですか?
水澤さん:私の父は土木工事を中心としたいろいろな事業を展開していて、不動産事業なんかもやっているんですよ。「中常楼」のオーナーさんから閉業後の建物や土地についてご相談をいただいて、当初は建物を壊して住宅分譲地にしようと考えていたんです。
——でもそうはならなかった。
水澤さん:父の会社と関わりのある「株式会社まちづくり豊栄」という第三セクター企業で理事を務めている方から「ここに地域交流のためのスペースを作りませんか?」と相談を持ちかけられたんです。それをきっかけに市役所の方々も交えて話し合いがおこなわれました。父は豊栄で長く生活や仕事をしてきて、いつか地元に貢献することで恩返しをしたいと思っていたので、このお話を引き受けることにしたんです。
——そういういきさつだったんですね。水澤さんは今、お父さんの会社で働いているんでしょうか?
水澤さん:はい、不動産からメガソーラー、米づくりにいたるまで色々な事業に携わっています。
——その上「ラグーナスクエア」の運営もこなすのは大変なんじゃないですか?
水澤さん:私ひとりでやっているわけではありませんから……。あと、私が以前営業スタッフとして働いていたハウスメーカーは、当時かなりの体育会系だったんですよ。若手を鍛えるために、契約が取れるまでは自転車で営業まわりをさせられていて、夏場は熱中症寸前になることもありました。それで精神的に鍛えられて、根性がついたと思っています(笑)
——「ラグーナスクエア」でカフェをはじめたのは、人が集まる場所にしたかったからなんでしょうか?
水澤さん:そうですね。でも最初は地元の大学生たちから、チャレンジショップをやってもらう予定だったんです。北区にあるふたつの大学でアンケートをとったら、学生と地元の人との交流が薄いことがわかったんです。そこで地元の人たちと交流できる場として、大学生にチャレンジショップをやってもらおうと思ったんですけど、実現することはなかなか難しかったんですよね。
——あらら……残念でしたね。それで水澤さんたちがカフェをはじめたんですね。メニューも水澤さんが考えているんですか?
水澤さん:北区のお店では食べられないようなメニューを集めました。だからユッケジャン、タコライス、ポキ丼、チュロスというように、ジャンルがバラバラなんですよ(笑)。ちなみに今食べていただいているのは、クリームチーズをトッピングした「ミートサンド」と、いちごソースの「のむチーズケーキ」です。
——「のむチーズケーキ」は、北区以外でもまだ珍しいんじゃないですか? フリースペースだったら、どこで食べてもいいんですよね。
水澤さん:大丈夫です。テスト期間になると、学生が窓側の席で勉強していますし、葛塚市で買ったものを召し上がっていただくこともできるんです。
——フリースペース意外にレンタルスペースもいくつかあるんですね。どんなふうに利用されているんでしょうか?
水澤さん:ハンドメイド作家さんの販売会や、絵本の読み聞かせイベント、整体やヨガの講習会、婚活イベントと幅広く活用されています。キッチンのあるスペースでは料理教室とか、家族や友人を招いて1日レストランを開く人もいますね。今後は新潟日報さんのカルチャースクールも開催していく予定です。
——色々な用途に利用できるんですね。なんと、サウナまではじめるんですか?
水澤さん:父はここを日帰り銭湯のような施設にしようと考えていたんですけど、家族みんなの猛反対にあって諦めたんです。それで、かろうじて残ったのがサウナだったんですよ(笑)。4月以降にオープンする予定ですので、ぜひリフレッシュをしに来ていただきたいですね。
——サウナは流行っていますから、いろんな人が訪れそうですね。今後は「ラグーナスクエア」をどんなふうに展開させていきたいと考えていますか?
水澤さん:葛塚市の出店者や利用者の方々とも協力しながら、いろいろなことをやっていきたいと考えているんです。そして葛塚市はもちろん、北区全体を盛り上げていけたらいいなと思っています。
ラグーナスクエア
新潟市北区葛塚3222
025-288-1465
11:00-18:00
木曜休