自家焙煎コーヒーと優しいお菓子が味わえる「メルヘンコーヒー」。
食べる
2022.10.19
見附の商店街に「メルヘンコーヒー」という、ちょっとレトロチックな雰囲気のお店がオープンしました。どうやら自家焙煎コーヒーと焼菓子がテイクアウトできるようです。木製の自動ドアが開くと、オーナーのイチカワさんが素敵な笑顔でお出迎えしてくれました。


メルヘンコーヒー
イチカワ ユカ Yuka Ichikawa
1980年五泉市(旧村松町)生まれ。新潟デザイン専門学校卒業後、東京の広告代理店や新潟のアパレル代行店で働いた後、三条市で喫茶店を経営する。2022年9月に見附市で「メルヘンコーヒー」をオープン。
カメラ女子がコーヒーショップをはじめるまで。
——イチカワさんは、子どもの頃に憧れていた職業ってあったんですか?
イチカワさん:カメラマンになりたかったんです。親から「使い捨てカメラ」を買ってもらっては、よく持ち歩いて写真を撮っていました。専門学校時代は、学校に通ってデザインの勉強をしながらカメラマンのアシスタントとして働いて、夜はスタバのアルバイトをやっていました。
——デザインにカメラにカフェに……休むひまがないですね。
イチカワさん:若かったからできたんでしょうね。その後も東京の広告代理店に勤めながら、お休みの日は飲食店でアルバイトしていましたから(笑)。飲食店で働いているうちに接客業の楽しさにハマって、新潟に帰ってからもアパレル代行店で時計や服の販売スタッフをやっていました。

——人を相手にするお仕事が向いていたんでしょうね。
イチカワさん:そうかもしれませんね。結婚や出産で一時的に仕事から離れましたけど、その後、三条市で喫茶店をはじめることにしたんです。夫に養ってもらったり、人のお店で働くのではなくて、自分の力で独立したいという思いが強かったんですよね。
——自分で喫茶店をはじめてみて、いかがでした?
イチカワさん:自分は接客のお仕事がすごく好きなんだということに、改めて気づかされましたね。人と人をつなぐことも好きなので、お仕事や趣味が合いそうなお客様同士をつなぐのも楽しかったです。
——楽しそうに働くイチカワさんの姿が想像できます。
イチカワさん:ありがとうございます(笑)。あとは私自身が女性で母親ですから、同じ立場のお客様を気遣うように心がけて、小さなお子さん連れでも居心地よく過ごせるお店を目指していました。

——ところで今のお店はコーヒーやお菓子のテイクアウト専門店ですよね?
イチカワさん:何年か前に知人とコーヒー豆の焙煎をはじめたんです。実は焙煎の奥深さの沼にハマるのが怖くて、ずっと敬遠していたんですよ(笑)。ところがやってみたら面白いし、何よりも焙煎したコーヒーすべてが美味しかったんですよね。それで本格的に勉強をはじめて、オンライン販売に踏み切ったんです。

こだわりがたくさん詰まったコーヒーとお菓子の店。
——「メルヘンコーヒー」っていう店名には、どういう由来があるんですか?
イチカワさん:レトロで可愛らしい店構えに惹かれて、ここでお店をはじめることにしたんですけど、この物件はもともと和菓子屋さんだったんです。その和菓子屋さんの店名が「メルヘン若松園」だったんですよ。違和感が面白くないですか(笑)。「メルヘン」って言葉は最近あんまり使われないし、エモくていいかなと思って「メルヘンコーヒー」という店名にしました。
——そうだったんですね。それにしても、確かに懐かしさのある建物ですね。
イチカワさん:特に出窓と自動ドアに惚れましたね。こういう木製の自動ドアって今では珍しいんですよ。建物をほとんど生かしながら、大工さんに私のイメージを伝えて内外装を作ってもらいました。

——かなりこだわりのある店舗なんですね。営業面でのこだわりもあるんでしょうか?
イチカワさん:もちろんあります。最初に、いつ来ても楽しい気持ちになれる「エンターテイメント性」。次に、仕事の合間や保育園へ子どもを迎えに行く前に気持ちを切り替えるための「生活のなかのスイッチ」であること。最後に、お客様に親しみを込めて接する「親和性」。その3つを大切にしているんです。
——それでお客さんには必ず話しかけているんですね。今度はコーヒーについてはどうですか?
イチカワさん:コーヒーはとにかく鮮度を大事にしています。焙煎してからできるだけ早めにお飲みいただきたいので、販売しているコーヒー豆のパッケージには「焙煎日」「飲み頃スタート」「美味しさの目安」の日付を記載しているんです。お客様のオーダーにもお応えして、お好きな豆をお好きな焼き方で焙煎しています。ただ、ご希望の豆が品切れしていることもあるので、その際には入荷日をお伝えするようにしています。

——美味しくコーヒーを飲んでもらうためのこだわりですね。
イチカワさん:そうですね。年に4回は東京へ行って、10軒くらいのコーヒーショップで豆を購入してくるんです。それと飲み比べて自分のコーヒーがお金をいただけるレベルか、恥ずかしいものじゃないかをチェックしています(笑)
——コーヒーだけじゃなくて、お菓子もいろいろと置いてありますが……。
イチカワさん:他のお店と同じことをするのでは、私がやる意味はないと思うんです。そこでスタッフとも相談して、小麦粉、卵、牛乳を使わない身体に優しいお菓子を作ることにしたんです。なかでも豆腐やおから、米粉、オートミールを使ったワッフルはおすすめです。

——そんな食材でもワッフルが作れるんですね。
イチカワさん:食物アレルギーを持つ子どものお母さんからお礼を言われたり、小さなお子さんからお礼のお手紙をいただけると、自分のやっていることが意味のあることだと感じられて嬉しいですね。これからも、自分にとってもお客様にとっても、意義のあるお店であり続けたいと思います。

メルヘンコーヒー
見附市新町1-9-28
070-9031-3007
10:00-17:00
火曜、隔週日曜休
Advertisement
関連記事
食べる
旬の地元食材で作る家庭料理、秋葉区の「はなの台所」。
2021.08.06
食べる
地元を愛し愛されて10周年を迎えた人気ベーカリー「BREAD AESiR」。
2024.09.07
食べる
地域に不可欠な魚屋、村上・荒川「かねま鮮魚」のこれまでとこれから。
2021.01.16
食べる
話題沸騰!鉄を感じる「燕三条鉄アイス」を生み出した、「ChillFull」。
2021.09.04
食べる
シフォンケーキにこだわるあまりアイデア商品まで生まれた「petite・fleur」。
2021.11.25
食べる
見附の老舗割烹がはじめた「グリット キッチンカー」の鮭米(ベ)ーガー。
2020.11.30
新しい記事
買う
時代を越えて支持される
「タカナシカメラ」の哲学。
2025.12.07
遊ぶ
200種類のゲームがお出迎え
県央のボードゲームカフェ「ASOBO’s」
2025.12.06
食べる
米粉と平飼い卵で作る優しいおやつ。
「みんなのおやつ i ppu ku」
2025.12.05
Things写真館
[Things写真館]滝沢写真館 photographerタキザワフミオ #02
PR | 2025.12.05
カルチャー
地域をつなぐ、力強い音。
今年で45周年を迎えた「飛燕太鼓」
2025.12.04
カフェ
幼稚園だった建物を再利用した
レトロな雰囲気の「喫茶ショパン」。
2025.12.03


