今年も、花や緑が咲きはじめる春を迎えました。見附市の本格英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」のガーデンでは、これからの時期、たくさんの草花が風景を彩って、私たちの目を楽しませてくれます。6月頃には見事なバラの花を鑑賞できるとか。さて、そんなガーデンに、「MEG CAFE 511(メグカフェゴイチイチ)」という名のカフェが併設されていること、皆さんご存じですか? 花々に囲まれたお店のこと、名物スイーツのこと、オーナーの山田さんにいろいろと聞いてきました。
MEG CAFE 511
山田 雅和 Masakazu Yamada
1988年燕市生まれ。新潟大学教育学部在学中に多数の飲食店でアルバイトをし、卒業後はカフェの店長を5年間務める。2016年に三条市の「庭園の郷 保内」で父親と共にイタリアンレストラン「Giardino Felice(ジャルディーノフェリーチェ)」をスタート。2018年には「みつけイングリッシュガーデン」に併設した「MEG CAFE 511」をオープンする。休みの日は家でも新しい料理のアイデアを試したり、猫と遊ぶのが楽しみ。
——こちらのカフェは「みつけイングリッシュガーデン」に併設しているんですね。
山田さん:そうなんです。2008年にオープンした「みつけイングリッシュガーデン」は、初夏にはバラやシャクヤク、秋にはダリヤやバーベナを楽しむことができる本格的英国庭園で、多くの来場者が訪れる、新潟県内でも有数の観光スポットなんです。その「みつけイングリッシュガーデン」が10周年を迎えた2018年の4月に「MEG CAFE 511」はオープンしました。ガーデンを訪れるお客様から、「ゆっくりと食事やお茶を楽しむことができる憩いの場がほしい」というリクエストがあって、それに応えるかたちでカフェを作ることになったんです。
——ガーデンならではの店づくりをされているんでしょうか。
山田さん:ガーデンに隣接しているから、立ち寄るお客様も花が好きな方々が多いんです。だからグリーンとカフェが一緒になっていて、花や緑に囲まれてお茶を楽しめるスペースとして始めました。カフェレストランの他に、見附市の地場産品や植物も販売しています。ちなみに「MEG CAFE 511」の「MEG」は「みつけイングリッシュガーデン」の略、「511」はここの番地になってるんです。「MEG」って女性の名前みたいで親しみが湧くんじゃないかなって思います。
——山田さんはどうしてこの「MEG CAFE 511」に関わることになったんですか?
山田さん:私の両親はどちらも店をやっていたんです。父親がイタリアンレストラン、母親はその隣で花屋を営んでました。二人は「いつかガーデンレストランをオープンしたい」という夢を抱いていたんです。私は子どもの頃からそれを聞いて育ったので、両親の夢を自分が叶えてあげたいという気持ちがありました。
——おぉ、親孝行ですね。調理師専門学校とかで料理を学んだんでしょうか?
山田さん:いえ、実は学校の先生を目指して新潟大学の教育学部に入ったんです。でも、飲食店でアルバイトしているうちに、自分には飲食店の仕事が向いてるんじゃないかって思うようになってきたんです(笑)。それと当時はテレビ番組をきっかけに「料理男子」が流行っていた頃で、料理の仕事への憧れもありました。教育学部では理科を専攻していたので、大学で学んだことが少しは料理に生かされているんじゃないかって思ってます。例えば何と何を混ぜるとどんな味になるとか、この食材に熱を加えるとこうなる、っていう感じで役に立ってる気がしてます(笑)
——教育から飲食へ。かなり思い切った進路変更ですね。その後は飲食店の道を進むんでしょうか?
山田さん:はい。三条市のカフェで5年間店長をやらせてもらって、店舗運営を学びました。それから、三条市にある「庭園の郷 保内」で「Giardino Felice」というイタリアンレストランを父親と一緒に2016年にオープンしたんです。地場野菜や自家栽培のハーブを使ったイタリアンを楽しめる、両親の念願だったガーデンレストランです。その後、見附市が「みつけイングリッシュガーデン」に併設したカフェを検討していることを知って、出展者募集に応募させてもらったんです。
——カフェのわりには料理のメニューが充実していますよね。
山田さん:父親と一緒にやっていた「Giardino Felice」譲りのパスタやピザがメインになってます。料理はできるだけありものを使わずに、素から手作りすることにこだわっています。ビーフシチューのデミグラスソースやハム、サラミもすべて自家製です。見附市の施設でもあるので、見附産直の地場野菜もふんだんに使わせていただいています。「花と緑に囲まれたガーデンカフェ」っていうコンセプトなので、食べられるエディブルフラワーやハーブ、野菜を使ったメニューも多いです。
——それでは、こだわりメニューのオススメを教えてください。
山田さん:まずはパスタですね。厳選した生パスタを使っているので、歯ごたえのあるモチモチ食感が特徴なんです。ピザもオススメです。生地を低温発酵で2日間寝かせているので、食感が軽くなっておいしく焼き上がってるんです。
——目の前にある、この綺麗なドリンクはなんですか?
山田さん:これはオープン当初からずっと定番になっている「ローズレモネード」です。「みつけイングリッシュガーデン」の名物・バラにちなんだメニューを作ろうと思って、試行錯誤の上に生まれたメニューなんです。バラとレモンの風味が意外とマッチして人気がありますね。「ローズレモネード」にはピンクとブルーの2種類あって、味は大きく違いませんが色が違います。ブルーの原料にはタイの「バタフライピー」という豆のお茶を使っているんですが、レモンのクエン酸と化合するとブルーからピンクに変色するんです。そんなところも楽しんでもらえたらと思いますね。
——ブルーの方はだんだん色が変わってきて楽しいです。理科の知識が生かされていますね。こっちにあるのは、倒れた鉢植えかと思ったけど…スイーツなんですね!
山田さん:「ティラミスの果実」というスイーツです。やはりガーデンレストラン的なスイーツを作りたくて、ティラミスを倒れた鉢植えで表現してみました。土はティラミス、木の実はベリー、花は食べられるエディブルフラワーを使っていて、植木鉢の中にはベリーのアイスクリームが入ってます。最初はもっとおとなしめだったんですよ。でも、日々リアルな土の質感を求めてブラッシュアップしていったんです。もちろん見た目だけじゃなくて味が大事だと思ってますので、美味しいスイーツになるよう心がけています。
——今後やってみたいことってありますか?
山田さん:これからは「みつけイングリッシュガーデン」の園内で収穫したり、お店で自家栽培したハーブで作った料理を、お客様に食べてほしいんです。あと昨年開催したピザ作り体験のワークショップを、今後もどんどん開催していきたいですね。見附市特産品の販売にも力を入れて、もっとアピールしていけたらと思ってます。
両親の念願だったガーデンレストランを実現した山田さん。「みつけイングリッシュガーデン」に併設してオープンした「MEG CAFE 511」も今月で2年目を迎えます。ローズシロップやエディブルフラワーを使った「ローズレモネード」「ティラミスの果実」などのドリンクやスイーツは、味はもちろんのことインスタ映えする見た目で若い女性客から人気だとか。花と緑に囲まれた癒し空間として、これからもガーデンを訪れた多くの人たちに憩いを与える場であり続けてほしいです。
MEG CAFE 511
〒954-0076 新潟県見附市新幸町5-11
0258-94-4274
10:00-21:30(季節により変動)
無休(12〜3月は火曜休)