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無農薬栽培の野菜を使った料理が味わえる「トマピー」。

新潟市秋葉区にある「トマピー」というお店では、自分の畑で採れた野菜をメインにした料理を提供しています。その料理はどれもカラフルで美味しそう。お店を切り盛りしているのは、とてもパワフルなオーナーの東原さん。忙しいなか時間を作っていただき、お話を聞かせていただきました。

 

 

トマピー

東原 八重子 Yaeko Higashihara

1957年新潟市秋葉区生まれ。OLとして働いた後、念願の小料理店をオープンする。ご主人の定年退職を機に小料理店を譲り、2015年9月に新潟市秋葉区で農家レストラン「トマピー」をオープンする。畑仕事や山菜採りが大好き。

 

小料理屋の女将さんが、農家レストランのオーナーに。

——「トマピー」っていうのは、どういういきさつでつけた店名なんですか?

東原さん:「トマピー」っていう名前の野菜があるんです。赤いピーマンなんですけど、見た目がトマトにそっくりなので「トマピー」っていう名前なんですよ。可愛らしいし、子どもにも親しみやすい名前なので店名にしたんです。

 

——店名から野菜をメインにしたレストランというのも伝わりますね。「トマピー」さんはどんなお店なんですか?

東原さん:店内でランチを召し上がっていただくこともできますし、お弁当やオードブルをテイクアウトしていただくこともできるお店です。2人前1,000円のオードブルはとても人気がありますね。

 

 

——2人前1,000円。この量でそのお値段はとてもお得感がありますね。人気があるのも頷けます。ランチの方は?

東原さん:以前はバイキング形式でランチを提供していたんですけど、新型コロナ対策でスタイルを変えて、今は1人前800円のランチセットを提供しています。メインはカレーとピザからお好きな方が選べて、ご飯とお味噌汁はおかわり自由になっています。

 

 

——ますますお得ですね。東原さんは以前も飲食業をやられていたんですか?

東原さん:「トマピー」をはじめる前は、本町で小料理屋をやっていたんです。

 

——えっ、東原さんが女将さんを?

東原さん:ビシッと着物を着てお酌していたんですよ。意外でしょ(笑)。山菜を使った料理やお刺身が美味しいと評判で、近所にある銀行の頭取や支店長から贔屓にしていただいていました。一度移転したけど20年くらいやっていたかな。

 

 

——人気のあるお店だったんですね。

東原さん:でも、転勤族だった主人が定年退職を迎えて新潟に帰ってきたので、店を板前さん夫婦に譲って、私は退くことにしたんです。主人が家で待っているのに、よその男性にお酌しているわけにもいかないかなと思ったんですよね。

 

——それで「トマピー」をオープンしたんですか。

東原さん:しばらくは野菜作りに励んでいましたけど、この古民家を借りることができたので、2015年9月から農家レストランとして「トマピー」をはじめました。

 

メニューは収穫した野菜を見ながら考える。

——料理に使っている野菜は、東原さんの作ったものなんですか?

東原さん:きゅうり、なす、ゴーヤ、ピーマン、ズッキーニ、じゃがいも、おくら……作れるものはほとんど無農薬栽培で作っていますね。私と主人で作りたい作物が違うので、お互いに作りたいものを作っています(笑)

 

——おふたりとも野菜作りが好きなんですね。

東原さん:そうなんですよ。私は山菜採りも好きなので、自分で採ってきた山菜もお料理に使っています。たけのこは実家の裏山に生えるので、収穫したら1年中使えるように冷凍保存しておくんです。収穫した野菜や山菜の顔を見ながらメニューを考えることが多いですね。

 

 

——メニューに合わせて野菜を調達するのではなく、野菜に合わせてメニューを考えるんですね。料理の際に気をつけていることはあるんですか?

東原さん:私自身、化学調味料が苦手なので、使わない料理を提供しています。あと、お客様の好き嫌いにもできるだけ対応していて、苦手な食材は他の材料で代用するようにしていますね。肉や海鮮は固くならないよう、焼き方や煮方を工夫しています。

 

——誰もが安心して食べられる料理なんですね。お店をやっていて大変なことってありますか?

東原さん:私ひとりのワンオペなので、いつも大変ですね(笑)。特にランチとお弁当が重なったときは大騒ぎです。でも、本当にピンチのときは近所に住んでいる奥さんに手伝ってもらっているので、とても助かっています。

 

——確かにおひとりで営業しているとなると大変ですよね。

東原さん:でも、それ以上に嬉しいこともたくさんありますからね。お母さんと一緒に来ているお子さんが、厨房に顔を出して「美味しかった。また来ます。」なんて言ってくれたり、常連のお母さんたちと仲良くなれたり。お店に飾ってあるパッチワークはお客様が作ってきて、季節ごとに変えてくれているんですよ。

 

 

——へ〜、それは嬉しいですね。でも、ひとつだけ季節外れの鯉のぼりがありますね(笑)

東原さん:「これを見ると元気が出る」っていう、ファンのお客様がいるから変えられないんです(笑)

 

——なるほど。それじゃ変えられませんね(笑)。これから挑戦してみたいことってあるんですか?

東原さん:こども食堂をやってみたいんですけど、行政を通すと制約が多すぎるので、自分でやろうと思ったんですよ。でも、地域性の問題なんかもあって、なかなか難しいので実現しないままなんです。機会があれば、いつかこども食堂をはじめたいですね。

 

 

 

トマピー

新潟市秋葉区北上1-20-12

090-7824-4969

11:00-17:00

日月曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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