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中野さんが選ぶ、食料品、お酒、おかずたち。人情横丁の「ナカノ食料品店」。

今年6月、人情横丁に新しいお店が誕生しました。名前は「ナカノ食料品店」。ここは「かなで食堂」や「かなでスタンド」をやっている中野さんがはじめたお店なんです。中野さんによるとこの新しいお店は、お酒を飲む方にとっての「大人の駄菓子屋」みたいな場所なんだとか。どんなお店なのか、はじめたきっかけやお料理、お酒のことなど、いろいろお話を伺ってきました。

 

ナカノ食料品店

中野 あい子 Aiko Nakano

人情横丁ではじめた「かなで食堂」を本町に移転し、「かなでスタンド」をオープン。今年の6月に新たに「ナカノ食料品店」をはじめる。旅行が大好きで、今は出雲大社に行きたいんだとか。お気に入りの日本酒は、「壱醸」。

 

人情横丁に「ナカノ食料品店」ができるまで。

——中野さんには6年ぶりにお話を伺います。お元気そうで、何よりです。

中野さん:お久しぶりです。あのときはまだ人情横丁に「かなで食堂」があったときですね。あの後、「かなで食堂」は本町に移転しまして、その場所には「かなでスタンド」というお店をつくりました。「かなでスタンド」は当時立ち飲みのお店だったんですけど、テーブルが欲しいという声もあって、今は「かなで食堂」の2号店としてやっています。

 

——そして3店舗目のお店ができました。

中野さん:本当はお店を増やすつもりはなかったんですけど、「ここでお店をやらなきゃ」と思って。というのも、もともとこのお店は「荒井食料品店」というお店だったんです。人情横丁ができたときから営業していたんですが、今年の2月にお店を畳むことになりました。

 

——歴史あるお店がまたひとつ、幕をおろしたんですね。

中野さん:「荒井食料品店」のおじさんのことはすごく好きだったし、この場所を守っていきたいという思いが強くなったんです。でも人情横丁の物件は借りたいからといって簡単に借りられるわけじゃなくて、面接が必要で。無事に面接も受かって、今に至るというわけです。

 

 

——今年の2月に閉店が決まって、このお店は6月にオープン……。だいぶ急ピッチだったのでは。

中野さん:建築士さんには本当に頑張ってもらいました。お店をつくろうと決めたとき、ちょうど本町の「かなで食堂」が改装していて。その流れで「新しいお店をつくるんだけど、こっちもやってもらえる?」ってお願いしたんです。

 

——「荒井食料品店」から「ナカノ食料品店」になって、お店の雰囲気がガラッと変わった気がします。

中野さん:内装はほとんど変えてもらいましたね。でも、天井は「荒井食料品店」のままなんですよ。おじさんがここを開けていたとき、小さな電球ひとつでやっていて。その雰囲気も残したくて、店内には似た雰囲気の電球をつけました。

 

中野さんのこだわりが詰まった、おかずとお酒。

——あらためて、「ナカノ食料品店」ではどんなことができるか教えてください。

中野さん:無添加やオーガニックの食料品を買えますし、「かなで食堂」で出しているおかずをお酒と一緒に店内で楽しむことができます。おかずはテイクアウトもできますよ。

 

——「かなで食堂」のおかずを、ここで立ち呑みスタイルで楽しむことができるんですね。

中野さん:お酒は日本酒がだいたい50種類、3つのブリュワリーのクラフトビールも楽しんでもらえます。日本酒は県内外のものを用意していて、県外のものは私たちがその土地で直接飲んで美味しかったものを仕入れています。県内の日本酒は、ご近所の「大坂酒店」さんで選んだものを置いています。

 

——県外に直接足を運んで仕入れているとは、こだわりを感じます。ところで日本酒に使っている器、とても可愛いですね。

中野さん:石川の九谷焼なんですけど、これがすごく好きで。 この酒器を使いたくて、ここでお酒を出そうと決めたくらいです。販売もしているので、気になった方はぜひお手にとってもらえると嬉しいですね。

 

 

——九谷焼で飲むお酒と一緒に楽しめるお惣菜も、どれも美味しそうです。

中野さん:ここにあるおかずはすべて「かなで食堂」と「かなでスタンド」でもお出ししているものなんです。ここは定食として出していないので、ここだけの楽しみ方をしてもらえると思います。お客さんの中には、「今日はお酒を飲むからこっち」「禁酒日だから『かなで食堂』」と、使い分けてくれる方もいます(笑)

 

——上手な使い方ですね(笑)。中野さんのおすすめのおかずは?

中野さん:津南町で生産されている「鬼の宝ポーク」を使った「豚のネギチャーシュー炒め」です。ごはんはもちろん、お酒もぐいぐい進んじゃう一皿ですよ。「鬼の宝ポーク」は動物福祉に配慮した農家さんがつくられていて、柵に入れて飼育していないんです。食材の味はもちろん、食材が持つ背景にもこだわって選んでいます。

 

 

——「かなで食堂」をはじめたときから、食材へのこだわりは変わらないんですね、

中野さん:お家で家族のために料理をつくるような感覚で、ここでもおかずをつくっているんです。家族には安心してごはんを食べて欲しいじゃないですか。だから、家族の口に入れたくないものはここでは一切使っていません。

 

——中野さんこだわりの食材たちは、「ナカノ食料品店」でも買うことができます。

中野さん:ここにある食材と、うちの自家農園の野菜たちで、ほとんどの「かなで食堂」のごはんはできています。私の失敗やいろんな経験から「本当に美味しい」と思ったものだけを厳選しました。「このおかず、どうやってつくるの?」って思ったら来てみてください。全部ここにありますから(笑)

 

もっと楽しく、温かい街になってほしい。

——中野さんにとっては3つ目のお店です。このお店を、今後どんなお店にしていきたいですか?

中野さん:このお店は、以前の「かなで食堂」のような、お客さんとコミュニケーションがとれるようなお店にしていきたいんです。ありがたいことに「かなで食堂」はすごく忙しくさせてもらっていて、お客さんとしっかりお話ができず、挨拶だけして終わってしまうこともあって。ここは誰にでも気軽に入ってほしいので、なるべく入口は広く、店内が見えるようにしています。

 

——取材中も、通りかかる人に挨拶をしている中野さんの姿が印象的でした。

中野さん:このあたりに住んでいる方とは、長いお付き合いをしているので、当たり前のように挨拶していますね。本町の街のあたたかさは、他の地域ではなかなかないと思うんです。そのあたたかさをこのお店でも感じてもらえるように、お店づくりをしていきたいと思います。

 

 

——今後の、中野さんの目標を教えてください。

中野さん:これは「かなで食堂」のときも言ったんですけど、とにかく続けることですね。今お店に立っているのがすごく楽しいし、「楽しい」っていう気持ちを持っていたら、お店は続いていくと思うんです。もうお店は増やさないと思うので(笑)、このお店をずっと続けていきたいです。

 

——最後に、読者の方にひとこと、お願いします!

中野さん:おかずをテイクアウトできるので、忙しいお母さんの味方であり、お酒を飲まれる方にとっては「大人の駄菓子屋」のような存在のお店になっています。はじめての方も大歓迎ですよ!

 

 

ナカノ食料品店

新潟市中央区東堀前通6番町 かなでスタンド隣

13:00-19:00

不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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