台北出身のオーナーがつくる
本場の台湾料理「Lu Rou」
食べる
2025.12.18
小籠包(ショウロンポウ)や魯肉飯(ルーローハン)など、日本でもおなじみの台湾料理。ですが、新潟にはまだまだ食べられるお店が少ないようです。そんななか、台湾料理のランチメニューやカフェメニューが楽しめる「Lu Rou(ルーロー)」というお店が新潟市中央区にオープンしました。オーナーのチョウさんは、台湾から来日して寿司修業を積んだユニークな経験の持ち主。お店をオープンしたいきさつやこだわりについて、いろいろとお話を聞いてきました。
チョウ コンリン
CHANG KENLING(Lu Rou)
1992年台湾生まれ。2012年に来日して1年半留学。その後は上海や台湾、イギリスの日本料理店や寿司店で働く。2019年に再来日して東京の寿司店で4年間修業を積み、2025年に新潟市で「Lu Rou」をオープン。寿司が好物でお気に入りのネタはコハダ。
台湾からやってきて
東京の寿司店で板前修業。
――台湾生まれのチョウさんが、日本に来た理由から教えてください。
チョウさん:学生時代に台湾の居酒屋でアルバイトをしていて、そのときに食べた日本料理の繊細な魅力にハマったんです。そこで日本料理の修業をしたいと思ったんですけど、まずは日本語を覚えなければいけないので、兵役が終わってすぐに語学留学で新潟を訪れました。
――きっかけは日本料理だったんですね。でも、どうして新潟に?
チョウさん:燕市に遠縁の親戚がいたので、留学の相談をしていたんです。東京と新潟のどちらで留学しようか迷いましたが、静かで勉強がはかどりそうな新潟を選びました(笑)。ちなみに、奥さんとはそのときに出会ったんです。
――新潟を選んだから、奥さんと出会えたわけですね。それからはずっと新潟に?
チョウさん:一度日本を離れて、上海や台湾、イギリスの日本料理店や寿司店で働いて、再び日本を訪れたのは2019年のことでした。新潟には修業できる店があまりなかったので、東京の寿司店で4年間修業してきたんです。
――日本の本格的な寿司店での修業は、初めてだったんじゃないですか?
チョウさん:そうなんです。でも親方をはじめ、先輩たちが丁寧に教えてくれたのでありがたかったですね。難しい料理は何度も失敗してしまうんだけど、「できなかったら、できるまで何度もやればいい」と親方に励まされました。
――いい修業先に恵まれましたね。
チョウさん:日本語はまだしも、寿司業界の専門用語がわからなくて、最初は苦労しました。「大根の桂剥き」と聞いても何のことかわからないんです。実際にやっているのを見て、理解するんです。
――日本人でも料理の専門用語は難しいですよね。修業中に教わったなかで、今でも役に立っていることはありますか?
チョウさん:役に立っていることばかりですが、食材にリスペクトの気持ちを持って、無駄にしないという教えは今でも大切にしていますね。お客様に出せない部分でもまかない料理の材料に使ったりして、食べられる部分はすべて使うようにしています。

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コミュニケーションを大切にした
寿司屋みたいなオープンキッチン。
――修業してきた寿司ではなく、今回、台湾料理のお店をオープンしたのはどうしてなんでしょう?
チョウさん:新潟で台湾料理を食べたいと思っても、提供しているお店がほとんどないんです。そこで、もっと台湾料理を楽しんでもらえるように、自分で台湾料理の店をオープンすることにしました。新潟の人たちにとって、台湾料理がより身近なものになってくれたら嬉しいですね。
――店舗は改装をされたとか。
チョウさん:以前は黒を基調にした店舗だったんですけど、僕好みに白を基調にして、明るく改装しました。特にこだわったのは、オープンキッチンとカウンターですね。
――台湾料理でオープンキッチンとカウンターですか。
チョウさん:今まで修業してきたお寿司屋さんのように、調理している姿をカウンターのお客様に楽しんでいただきたいし、コミュニケーションも取りたいからです。あたたかい雰囲気の店を目指しているので、ひとりでお越しになるお客様には必ず声を掛けるようにしています。
――確かに、店内はあたたかい雰囲気を感じます。
チョウさん:お客様から厨房が丸見えなので、壁にも冷たいイメージのステンレスじゃなく、タイルを使っているんです。あと、冬の寒い外気が店内に入ってこないよう、入口には風除室を設けました。

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「魯肉飯」や「牛肉麺」
おなじみの本格台湾料理。
――さて、こちらのお店ではどんな台湾料理が楽しめるんでしょうか?
チョウさん:看板メニューは「魯肉飯」です。日本の牛丼と同じくらい、台湾では一般的な料理で、いろいろなバリエーションがあります。うちは豚バラ肉を皮ごと使っているのがこだわりで、長時間コトコトと煮込むことでトロトロにしているんです。本場の味を再現するために、醤油も台湾から取り寄せています。
――皮ごと使うことがポイントなんですね。他にも看板メニューはありますか?
チョウさん:やはり台湾のソウルフードとして親しまれている「牛肉麺」です。こちらは奥さんの実家がある阿賀野市のお米と、ブランド牛肉の「あがの姫牛」を使っています。ただ、麺だけは台南から取り寄せているんですよ。他の麺ではどうしても本場の味が再現できないんです。
――よく見かける「牛肉麺」と比べると、スープの色が少し薄いように感じますね。
チョウさん:癖のある薬膳素材や辛い香辛料を使わずに、塩ベースのシンプルなスープでつくってあるからです。子どもからお年寄りまで、誰にでも美味しく食べてもらいたいんです。
――なるほど。そんなふうに代表的な台湾料理が味わえるわけですね。ランチだけではなく、カフェとしてお茶やスイーツも楽しめるんでしょう?
チョウさん:はい、「豆花(トウファ)」や「冬瓜茶(トウガンチャ)」をはじめとしたカフェメニューもご用意しています。「豆花」は豆乳を固めたプリンのようなスイーツで、なめらかな食感や甘味をお楽しみいただけます。「冬瓜茶」は台湾で古くから親しまれているお茶で、冬瓜を砂糖と一緒に煮詰めてつくる甘い飲み物なんです。
――本場の台湾料理がいろいろと味わえるのは嬉しいですね。でも、せっかく修業してきたお寿司や日本料理を提供したいとは思わないんでしょうか?
チョウさん:今はお昼だけの営業なんですけど、来年の春頃からは予約制の夜営業も予定しているんです。そしたら「おまかせコース」として、寿司や台湾のおつまみも提供しようかなと思っています。

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