コーヒーが好きな人も、苦手な人も、
楽しい思い出がつくれる「Build ALL」
カフェ
2026.05.01
先月、「Build ALL」というお店が新津駅前にオープンしました。こちらのお店は、コーヒーが好きな方も苦手な方も同じ空間で楽しく過ごせる場所になっているんだとか。今回は、中川さんのこれまでのことや、お店ができるまでのこと、いろいろお話を聞いてきました。
中川 瑞樹
Mizuki Nakagawa(Build ALL)
1997年新潟市秋葉区出身。大学在学中にコーヒーと出会い、卒業後はコーヒーショップやカフェなどで働く。「Build coffee」として個人でのイベント出店も経て、先月新津駅前に「Build ALL」をオープン。
大学時代、立ち止まったとき、
癒してくれたのが、コーヒーだった。
――お店のオープン、おめでとうございます。早速ですが、中川さんがコーヒーをお仕事にしようと思ったきっかけを教えてください。
中川さん:大学時代はカウンセラーを目指して臨床心理学を学んでいたんですけど、気力がどうしても出なくて、参ってしまうような経験をしたことがありました。そんなときにふらっと立ち寄ったカフェでコーヒーを飲んだとき、すごく気持ちが楽になって、「また頑張ろう」って前を向くことができたんです。それから、「コーヒーで人を癒すことができたら」って思うようになりました。
――では大学卒業後は、コーヒーのお仕事を?
中川さん:そう思って就職活動をしていたんですが、個人店さんはなかなか求人を出していなくて。江南区の「ローストカフェ」さんに声をかけてみたら、「うちでは雇えないけど、人を探しているところがある」って県立植物園の中にあったコーヒーショップを紹介してくれたんです。
――念願のコーヒーに関わるお仕事、振り返ってみていかがでしたか?
中川さん:それまではコーヒーを自分で楽しむばかりでしたが、お客さまに提供する側になると、味の違いを説明するのが必要になります。そのために、それぞれのコーヒーの味の違いを理解するのはとても大変でしたね。上司の隣で一緒にコーヒーを飲んで、「これはオレンジのフレーバーだね」って言われたら、「これがオレンジなんだ」ってコーヒーの味と上司の言った特徴を結びつけていきました。
――言語を習得するときみたいな、地道な訓練です。
中川さん:ある程度覚えるまで、結構かかりましたね。僕が覚えている間にも、フレーバーが多様化してきて、オレンジや桃のコーヒーの味がわかってきたら、今後は「これはアップルパイ」だねって。調理されたものでも表現するんだって(笑)。僕も置いていかれないように、いろんな食べ物を食べて、その味や香りを記憶に残すようにしました。このとき、人生ではじめてパッションフルーツを食べましたね。パッションフルーツって、表現するときに使うけど、実際食べたらどんな味がするんだろうって、売っているお店を探して食べたりしていました。
――その後、中川さんは「ローストカフェ」で働くことになります。
中川さん:植物園のお店が一旦お休みするタイミングでお声がけいただけたんです。コーヒーに関しては困ることなくお仕事をさせてもらえましたし、植物園で丁寧な接客をしっかり教えていただけたのは、とても貴重でありがたい経験でしたね。実はそのとき、マスターの紹介で「LOG COFFEE」さんでも働かせていただいたんです。それぞれ違う強みを持ったお店で働けたのは、とてもいい経験でしたね。

Advertisement
目指したのは、コーヒーが苦手な人も
同じ空間で楽しめるお店。
――この場所は以前、「AKIHA COFFEE Hub」がありました。
中川さん:大学生の頃から通っていた、大好きなお店でした。僕は深煎りのコーヒーが好きだったので、このお店でも深煎りのブレンドばかり飲んでいたんです。あるとき、浅煎りのコーヒーを勧められて、勇気を出して飲んでみたらすごく美味しくて。コーヒーの酸味の美味しさを教えてくれたお店でもありました。だから閉店するって知ったとき、すごくショックを受けました。
――その後、どんな経緯で中川さんがこの場所でお店を開くことになったのでしょう。
中川さん:「ローストカフェ」のマスターが声をかけてくださったんです。「AKIHA COFFEE Hub」さんともつながりがあったマスターが、お店が閉店することを聞いたときに「うちの中川なら『Hub』のあとをやるかもしれない」と言って、僕に話を振ってくれたんです。
――大好きだったお店の後を任されて、どんな心境でしたか?
中川さん:いつかは地元でお店をやりたいと思っていたので、チャンスをいただけたことは嬉しかったけど、通っていた「AKIHA COFFEE Hub」が閉店するっていう悲しさもあって、すごく複雑な気持ちでした。 でも、こんないいお話はもう二度とこないかもしれないって思って、自分のお店をはじめることに決めました。
――お店をはじめる前、どんな準備をされてきたのでしょう。
中川さん:どんなお店にしたいかを考えたとき、「コーヒーが好きな人も苦手な人も、同じ空間で楽しめるようなお店にしたい」って思ったんです。というのも、大学生のとき本当は友達とカフェに行きたかったんですけど、コーヒーが苦手な友達が多くて。
――お店の名前である「Build ALL」には、どんな思いが?
中川さん:「Build」には、創作するっていう意味があります。楽しい思い出を作れる場所であり、コーヒーのファンをたくさん作れるような場所にしたいという思いを込めました。あと、カクテルの技法の中に「ビルド」という、ふたつの材料を注いで混ぜるっていうものがあります。コーヒーと何かを組み合わせて、コーヒーが苦手な人でも美味しく飲んでもらえるドリンクを作っていきたいと思ってこの名前にしています。


Advertisement
過ごし方にあわせて楽しめる、
いろいろなコーヒーのかたち。
――中川さんの思いが詰まったこちらのお店で、どんなコーヒーが飲めるのか、教えてください。
中川さん:「ローストカフェ」で焙煎した豆をご用意しています。浅煎りや中煎り、深煎りとあるので、コーヒーの幅広さを楽しんでもらえたら嬉しいですね。「アナエロビック」と呼ばれる、空気に触れずにチェリーを発酵させた豆もご用意しているので、いつもとは違うコーヒーを飲みたい方にも楽しんでいただけると思いますよ。
――コーヒーを使ったドリンクも気になります。「マロッキーノ」ってはじめて聞きました。
中川さん:「マロッキーノ」はチョコレートを入れたドリンクです。チョコレートを混ぜて溶かしながら、飲んだり、溶けたチョコレートをすくってお召し上がりいただいています。コーヒーを使った「モカヴァイオレット」というものもご用意しているんですよ。甘めのドリンクなので、コーヒーの苦味が苦手な方にはぜひおすすめしたいですね。
――これだけ選択肢があると、どれにしようか迷っちゃいます。
中川さん:お客様のリクエストにあわせて、おすすめのドリンクをご提案させていただいています。飲みたいコーヒーの味はもちろん、爽やかな気分になれるものや、リラックスして過ごせるようなもの、気分や過ごし方からもご提案できたらと思っています。


Advertisement
かつて、自分が助けられたように。
悩みを話してくれるような場所にしたい。
――オープンからおよそ1ヶ月が経ちました。心境はいかがでしょうか。
中川さん:はじめは結構バタバタすることもあったのですが、だんだん時間のリズムが掴めてきていると思います。午前中から夜までお店を開けているので、いろんなニーズで使ってもらえたら嬉しいですね。ここは新津駅の目の前ですし、友達や家族と過ごしたり、電車の待ち時間にサクッと使ってもらったりしてもいいかなと思っています。
――最後に、中川さんのこれからの目標を教えてください。
中川さん:ちょっと大きなことかもしれないんですが、新津を盛り上げることができたらなと思っています。お出かけの場所として、人と集まる場所として、新津が選択肢に入るように貢献していきたいですね。あと、僕が学生のときカウンセラーを目指していたのもあって、誰かの悩みや不安を少しでも軽くできる場所にしていきたいなとも思っています。親とか友達には言えないけど、カフェだったらポロっと吐き出せた経験が僕にもあったので。「誰に言えばいいかわからないけど話したい」っていうときに、来てもらえるようなお店にしていきたいです。

Build ALL
Advertisement


