自然体の自分でいられる、月岡温泉街の「CAFE ALMA」。
カフェ
2025.02.14
月岡温泉街に昨年末オープンした「CAFE ALMA」。4人の子育てをしながら、看護師として働いていた渡邉さんが、心機一転「好きなことをやってみよう」とはじめたお店です。店内は8席。テーブル同士の距離が近いからか、お客さんが互いに挨拶したり、おしゃべりしたり、自然と賑やかになるのだそう。そんな明るい雰囲気を作り上げている渡邉さんに、キャリアチェンジしたきっかけやオープン前の心境など、いろいろとお話を聞いてきました。

CAFE ALMA
渡邉 ちひろ Chihiro Watanabe
1990年新発田市生まれ。専門学校を卒業後、看護師として働く。2024年12月26日、最強開運日に「CAFE ALMA」をオープン。フランスのインテリアや文化が大好き。店内の照明は、100年ほど前に作られたフランス製。

悔いのない一生を。ぼんやり思い描いていた願望を実現。
――渡邉さんは、看護師さんからカフェオーナーになれたんですね。転身のきっかけはなんでしょう?
渡邉さん:5年ほど前から「いつかカフェをやりたいな」と思っていたんです。そういう願望を持っている方ってきっと多いでしょうし、私も「ぼんやりそう思っていた」という程度でした。それが数年前に、知人が若くして急逝してしまって。人生について深く考えさせられたんです。そのことがあって、夫とも「お互い好きなことをして、悔いなく過ごそうね」と話し合っていました。
――そうでしたか……。
渡邉さん:看護師という仕事柄、患者さんが亡くなる場面には度々遭遇してきました。でも距離感が近くて「まだまだこれから」という方が亡くなる衝撃は、今までにないくらい大きかったんです。ご家族や恋人は、どんな気持ちだったのだろうかと考えると、もう……。
――仕事を辞めることにためらいはなかったんでしょうか?
渡邉さん:ちょうどキリがよかったというのもあるんです。先生がご高齢で、勤務先のクリニックが解散して。思いかけず無職になりました。「これはカフェをはじめろってことだな」って、勝手にそう思ったんですよ。

――月岡でカフェをオープンしたのには、何か理由があったんですか?
渡邉さん:私、4人のママで、営業の合間に焼き菓子を作るような余裕がなかなか持てなくて。自宅から通いやすい場所なので、月岡温泉街を選びました。
――それで営業時間が、11:00~15:00なんですね。
渡邉さん:ついついお客さまとおしゃべりしちゃって、閉店時間が遅くなることもあるんですけどね(笑)
フランス文化が散りばめられた店内。
――「CAFE ALMA」さんのメニューを教えてください。
渡邉さん:コーヒー、カフェオレ、紅茶などのドリンクと、手作りスイーツを3~4種類ご用意しています。看板メニューのガトー・ナンテは、休日によく作っていたお菓子で、フランス南部の郷土菓子で、たっぷりのアーモンドパウダーとラム酒を使用した大人の味です。食事メニューはないんですが、「ナポリタンを作って欲しい」「トーストが食べたい」って、お客さまからリクエストをいただくんですよ。トーストは、新メニューにいいかもしれませんね。
――渡邉さんはフランスがお好きだとか。その気持ちは、お店のテイストにも反映されているんですか?
渡邉さん:コツコツ集めたフランスのインテリアを使用したり、装飾にフランスっぽさを取り入れたりしています。白い建物にしたいという理想は叶いましたけど、建材が高騰していたりなんだりで、だんだんこじんまりした店舗になっちゃいました。でも結果的には、ちょうどいい感じだなって気に入っています。

シンプルな自分でいられる場所。
――思い描いていた「カフェをやりたい」って願望がかたちになっていくときって、どんな気持ちでしたか?
渡邉さん:オープン前は「誰も来てくれないんじゃないかな」って不安でした。飲食業の経験もなければ、他の方よりおいしいものが作れるわけでもありません。自分には「何もない感」があって。でも、ある起業塾で出会った方から「お客さんはあなたに会いに来るんだから、それでいいじゃない」って言われて、すごく気持ちが楽になったんですよね。
――「今のままで大丈夫」って思えたんですね。
渡邉さん:その言葉をかけてもらう前は、パティシエさんが作るスイーツを見て絶望してたんです。「私には無理だ」って。でも開き直って、「手作りには手作りの味があるよね」って、自信が持てるようになりました。
――オープンされてからはどうだったんですか?
渡邉さん:観光でお越しの方が多いだろうから、「お客さまとは、きっと一期一会の出会いになるだろうな」って思っていたんです。でも意外とそうでもなくて。リピート率は、かなり高いと思います。いつも「ありがとう~。また来てくれたんだ」って、ドア越しにお客さまをお迎えするんです。毎日、そうしている気がします。

――渡邉さんに会いたくて、足を運ぶお客さんも多いんしょうね。
渡邉さん:ここには謎の「挨拶タイム」があるんですよ。お客さまが入店されると、「こんにちは」って、お客さま同士が挨拶し合って、なんとなく笑いが起きるっていう。どうして「挨拶タイム」が生まれたのか、私にもわからないんですけどね。お隣の席同士、いつの間にか仲良くなっていることもあるんです。まるでバーみたい(笑)。不思議ですよね。
――店内がいい雰囲気なんですね、きっと。
渡邉さん:私自身が、お店を楽しんでいるんでしょうね。経営者としては「よくないぞ」とわかっていても、ついつい女の子たちが話しているとサービスしちゃうんです。「帰らないで。もうちょっとのんびりしていってね」って思っちゃって。でも、聞き耳は立てていませんから安心してください(笑)
――最後に、どんなお店にしたいと思っているか、改めて教えてください。
渡邉さん:「欧州カフェ紀行」という好きな本に、「母でもなく、妻でもなく、会社員でもなく、シンプルな自分で休息する」みたいなフレーズが書かれているんです。それを読んで、「私がやりたいことってこれだ」って、ピンときて。フランスのテラス席でお客さんがボーっとくつろいでいる、あの様子を理想にしています。ここでは、空っぽの状態で、心からくつろげる時間を過ごしてもらいたいなと思っています。

CAFE ALMA
新発田市月岡温泉552-51
営業時間/11:00~15:00
定休日/木曜日
Advertisement
関連記事
カフェ
濃厚ジェラート・チョコソルベが好評「Gelateria caffe Vivace」。
2025.10.18
カフェ
物語から選ぶ。新スタイルのオンラインショップ「旅するコーヒー」。
2022.05.27
カフェ
放課後の子ども達の居場所にもなる「森の巣箱 モリスバカフェ」。
2024.09.27
カフェ, 食べる
女性を中心に人気の、東堀のイタリアンレストラン「LIFE」。
2020.02.07
カフェ
田園風景のなかで非日常空間を体験できる「MAUVE COFFEE Co.」。
2025.10.07
カフェ
庭を眺めながらコーヒーを楽しむ、工務店がはじめたカフェ「HARUMACHI coffee」。
2022.12.05
新しい記事
食べる
岩船港でラーメン定食やカレー、
海鮮料理を楽しめる「岩船荘別館」
2026.05.19
食べる
新津にできた「Ensemble」で、
時間を忘れるような食体験を。
2026.05.18
食べる
もっちり食感が、たまらない。
「BAGEL CONTRAIL」の小さな幸せ。
2026.05.17
食べる
手打ちパスタとデザートを楽しむ
新発田市の「Pasta e Dolce CUOCA」
2026.05.16
カルチャー
混ざり合い、熟成し、まちが動き出す。
三島地域に開校する「かんもす大学」
2026.05.15
食べる
新潟にお好み焼き文化を広めたい、
本場の味の「大阪お好み焼き 直」。
2026.05.14


