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式菓子「プラリネ」で知られる、老舗和洋菓子店「念吉」。

沼垂に本店を構える老舗和洋菓子店「念吉(ねんきち)」。看板商品の「プラリネ」は、新潟の皆さんにはお馴染みのお菓子ではないでしょうか。私は今年のお盆に地元(南魚沼市)に帰省したときに「プラリネ」を買って帰りました。「新潟市の美味しいケーキだ!」と大好評でした。今回は「株式会社念吉」の代表取締役社長 佐藤さんに「プラリネ」誕生のきっかけやこだわりの製法について、いろいろとお話を聞いてきました。

 

株式会社念吉

佐藤 一郎 Ichiro Sato

1967年新潟市生まれ。東京の大学を卒業後、名古屋市と横浜市のスイーツショップで経験を積み、27歳で家業の「念吉」に入る。10年ほど前に代表取締役社長に就任。

 

社長、従業員みんなで作り上げる「念吉」のお菓子。

——「念吉」さんは、明治31年創業だそうですね。佐藤さんは何代目でいらっしゃいますか?

佐藤さん:私で4代目です。子どもの頃の夢は「野球選手」でしたけど、ある程度大きくなってからは「いずれお菓子屋になるんだろうな」と思っていました。

 

——それでお菓子づくりを学ぼうと名古屋と横浜の菓子店で働かれたんですね。

佐藤さん:名古屋にいた頃は、個人店で1年くらい製造を経験しましたね。それから横浜の製菓店に転職しました。当時、横浜を中心に140店舗くらい展開していたところで販売や営業、いろいろと勉強させてもらいました。

 

——「念吉」さんに入られてからは、どんなお役目をされてきたんですか?

佐藤さん:なんでもしなくちゃいけないんで、製造もするし、営業も配達も箱詰めもするしっていろいろです。何かしらの現場で従業員と一緒に働いていることが多いですね。

 

 

——何名くらいの会社さんなんですか?

佐藤さん:工場に10名弱、沼垂の事務所に経理がいて、配達担当がいてってぜんぶで15名くらいですね。少数精鋭です。

 

——そのメンバーで「プラリネ」「ブランデーケーキ」「焼きドーナツ」って、あれだけの商品数を生産しているなんてびっくりです。

佐藤さん:そんなものですよ(笑)。配達の人でも手が空いたら製造したり、梱包したり、みんなで協力しています。年末の今時期は繁忙期で、てんやわんやです。

 

——そんなタイミングで取材の時間を作っていただいてありがとうございます。あの、今は新潟駅が工事中で駅中のお店はないですよね。「念吉」さんの商品が買えるのは沼垂の店舗だけですか?

佐藤さん:沼垂の本店には商品を数多く揃えています。あとは「新潟ふるさと村」さんに各種サイズの「プラリネ」、新潟駅の「NewDays」さんには「プラリネ」のミニサイズを置いてもらっています。最近はスーパーさんにもいくつか商品を卸していますよ。新規出店のお声がけはいくつかいただくんですけど、人件費などのランニングコストを考えると「今は店を出す時代じゃないのかな」と思うんです。インターネットで何でも手に入る時代ですもんね。

 

——新潟で「念吉」さんを知らない方は、ほとんどいないんじゃないかと思っています。

佐藤さん:そんなことはないですよ。若い方なんか特にご存知ないと思いますよ。「プラリネ」は知っているけど、「念吉」は知らないって方もいらっしゃるでしょうね。「プラリネ」はありがたいお菓子ですよね。これが今でもあって、ずっと商売ができているんだから不思議な感じがします。

 

定番式菓子「プラリネ」が生まれたきっかけとは。

——「プラリネ」は50年ほど前からある商品だそうですね。

佐藤さん:「プラリネ」は引退した叔父が考えたんですよ。「菱山六醤油株式会社」の前会長さんが結婚されるときに「今までにない式菓子を作って欲しい」とリクエストされて。

 

——まさか「プラリネ」誕生のきっかけを聞けるとは思っていませんでした。

佐藤さん:「プラリネ」という商品がなかった頃、つまり私が小さい頃ですけど、当時もケーキだとか醤油団子とか、和菓子、洋菓子問わずたくさん商品がありました。住み込みの方も含め修業に来ていた方が大勢いたなって、そんなことを覚えています。以前は店舗販売だけで商売していましたけど、あるときから結婚式場とのお付き合いがはじまって。それから「式菓子」として、より広く知っていただくようになったんですね。

 

——結婚式のスタイルは、だんだんと変わっていったのではないですか。

佐藤さん:確かに結婚式、ご葬儀は多様化していきましたよね。式菓子にもいろいろ変化はあったかな。でもいちばんの変化はコロナ禍ですよね。式菓子づくりで大忙しだったのが、ほぼなくなって。あの頃からスーパーさんにも「プラリネ」を卸すようになったんですよ。

 

 

——確かに最近、スーパーで念吉さんのお菓子を見かけるようになりました。

佐藤さん:コロナ禍でなかったら、たぶんスーパーさんのお仕事は受けられなかったでしょうね。メインのお取引先でほとんどの売上を立てていたけど、その比率が変わってね。売上を分散できたことは、もしかしたら良かったのかもしれないという思いはありますよ。

 

——手軽に「プラリネ」を買えるようになったから、私たちにとってもありがたいことです。

佐藤さん:「式菓子でもらうお菓子」っていう印象が強いですもんね。数年前に催事に参加したときに、お客さまから「プラリネって買えるんだ」「小さいサイズもあるなんて知らなかった」っていうお声をいただきました。あれは催事に出向かないと気づけなかった経験でしたね。お店に来られた方じゃないと「念吉」の商品が「プラリネ」以外にもたくさんあって、いつでも買えるって分からないですもんね。

 

特別なお菓子だからこそ、安心して食べられる配慮を。

——佐藤さんはもう30年近く「念吉」さんで働かれていますよね。一番インパクトのあったできごとはなんですか?

佐藤さん:やっぱりコロナ禍ですかね。「こりゃダメだ」と思いました。でもうち以上にダメージを受けているお取引先がたくさんありましたし、「まだお菓子屋はマシだ」と踏ん張りました。

 

——いろいろ変化がありましたよね。

佐藤さん:それに材料費もどんどん高くなって。私が言うのもおかしいですけど、やっぱり「プラリネ、たっけなったな」って思いますもんね。それでも来年はもう少し値上げしなくちゃいけなくなるかもって感覚です。

 

——「プラリネ」に使うアーモンドなんて、随分高騰しているのではないですか。

佐藤さん:確かに高くなりましたけど、アーモンドはうちのこだわりのひとつなので欠かせません。「プラリネ」を作るためにホールのアーモンドを砕く機械があって、毎朝使う分だけ加工しているんですよ。

 

——ザクザクとした食感の秘密はそれなんですね。やっぱり「プラリネ」には手間がかかっているんですね。

佐藤さん:「プラリネ」は生地の中にジャムをサンドしているので、機械でカットするのが大変なんですよ。だから手作業で生地をカットしています。周りのチョコレートを塗るのも、梱包も手作業。手作りなので、多少形に違いがありますけど、それはご勘弁ください。

 

 

——念吉さんの「ブランデーケーキ」も美味しいですよね。

佐藤さん:私もうちの「ブランデーケーキ」、好きですね。ココア生地にレーズンクリームが挟んであって、それほどブランデーの風味が強くないので、どなたでも食べやすいケーキですよ。

 

——他に売れ筋のお菓子はありますか?

佐藤さん:「焼きドーナツ」はよく出ますね。個包装で日持ちがするからギフトにぴったりなんだと思います。ちなみに「プラリネ」の賞味期限は7日間。それ以上保つんでしょうけど、大切なときにご用命いただくお菓子ですのでね。脱酸素剤も入れていないんですよ。そういったものを入れて「日持ちするからあとで食べよう」となってしまって、万が一「プラリネ」にカビなんか生えてしまってはいけませんから。

 

——贈り物であることを前提とした配慮がされているんですね。

佐藤さん:「プラリネ」は特別ですよね。しおりにも記載していますが、召し上がるときはアーモンド側を下にしてカットしてくださいね。そうでないとアーモンドが硬くて上手に切れませんから。

 

 

 

株式会社念吉

新潟県新潟市中央区沼垂東3-2-2

Tel/025-244-5630

営業時間/9:00~18:00

定休日/元旦休業

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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