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地元豊栄の食材を古民家風店舗で提供する「トラットリア ノラ・クチーナ」。

豊栄に対する思い、そして食材、料理へのこだわり。

新潟市北区にある「トラットリア ノラ・クチーナ」は、地元豊栄の新鮮なトマトやナスなどを使ったパスタやピッツァが自慢のイタリアンレストランです。古民家を改築した落ち着いた雰囲気で、庭の緑を眺めつつ料理を楽しむことができます。そんな「トラットリア ノラ・クチーナ」のお店のことや、地域に対する思いを、店長の長谷川さんに語っていただきました。

 

トラットリア ノラ・クチーナ

長谷川孝志 Takashi Hasegawa

1985年、新発田市生まれ。「トラットリア ノラ・クチーナ」店長。パティシエの専門学校を卒業後、東京のフランス菓子店で5年間修行。新潟に戻って2011年より「トラットリア ノラ・クチーナ」で働く。釣りが趣味で、魚の目利きには自信があるが、船酔いするので船釣りはしない。

 

のら仕事+ごちそう=「ノラ・クチーナ」

――よろしくお願いします!本日は、「トラットリア ノラ・クチーナ」についていろいろ教えてください。

長谷川さん:こちらこそ、よろしくお願いします。

 

――「ノラ・クチーナ」って、ちょっと変わった店名が気になるんですが。

長谷川さん:「ノラ・クチーナ」の店名の由来は、地元・豊栄が誇る農業を表す「のら仕事」という日本語と、ごちそうを表すイタリア語の「cucina(クチーナ)」をくっつけた言葉なんです。豊栄の田んぼや畑で作られた農作物を、おいしい料理として提供したいという思いを込めた店名になっています。

 

――たしかに豊栄にはトマトやイチゴなど、おいしいものがたくさんありますよね。お店の特徴はどんなところですか?

長谷川さん:古民家を使った落ち着いた雰囲気のお店で、広い庭を眺めながらおいしい野菜などを使ったイタリア料理を楽しんでもらえることでしょうか。

 

 

――「トラットリア ノラ・クチーナ」は、いつオープンされたのですか?

長谷川さん: 2006年にオーナーが自分の地元である豊栄で飲食店を始めたいと考えて、イタリアンレストランをオープンしたんです。

 

――なぜイタリアンレストランを選んだんでしょうか?

長谷川さん:豊栄にはその頃、イタリアンレストランがほとんどなかったらしいんですよ。あと、トマトをはじめ、おいしい地元の野菜がたくさんあるのに、それらを使った料理を提供している店も少なかったんです。

 

――豊栄の食材を生かせるという意味でイタリアンを選んだんですね。有名な葛塚市(くずづかいち)の開かれる常磐通りにお店があるのも、そういう意味なんでしょうか?

長谷川さん:最初にお店の予定地になっていたのは、まったく別の場所でした。大型の商業施設付近に作る予定だったんです。

 

――それがどうして、現在の場所になったんですか?

長谷川さん:この場所で100年以上も続いていた老舗の割烹料理店があったんですけど、建物の老朽化で取り壊されることになりました。それを知ったオーナーが、歴史ある建物がなくなってしまうなんてもったいない。料理店の大広間を使ってレストランをしようと思ったようです。

 

――じゃあ、このお店は割烹料理店そのままの建物なんですね?

長谷川さん:とんでもない。取り壊されるほど老朽化した建物ですから、そうとう手を入れています。使えない部材も多かったので、五泉市にあった古民家から、梁や柱などの材料を運んできて使ったそうです。

 

フランス菓子店のパティシエが、イタリア料理店の店長に。

――長谷川さんは「トラットリア ノラ・クチーナ」創業時からいらしたんですか?

長谷川さん:私は創業5年目の2011年から勤めはじめました。店長になったのは入店から4年後の2015年です。

 

――昔からイタリア料理に携わっていたのですか?

長谷川さん:じつはパティシエの専門学校でお菓子づくりからスタートしたんです。

 

――てことは以前はパティシエだったと。

長谷川さん:専門学校卒業後は5年ほど東京のフランス菓子店でパティシエをやってました。自分自身、お菓子とか甘いものを食べるのが好きなんです(笑)。

 

――その後、どうしてイタリア料理の道に進んだんでしょう?

長谷川さん:そのころ住んでいた家の近くにイタリアンレストランがあって、お客として食べに行ってみたら、とってもおいしかったんです。それから毎週通うくらいハマってしまい、イタリア料理に目覚めましたね(笑)。

 

――どんないきさつで「トラットリア ノラ・クチーナ」に入ったんですか?

長谷川さん:その後、地元でイタリア料理の修業をしたいと思い、25歳のときに新潟に戻ってきたんです。たまたま友達と「トラットリア ノラ・クチーナ」に入り、そのときに「かぼちゃのクリームソースパスタ」「越の鶏のソテー」「ジェノベーゼのピッツァ」などの料理を食べて感激しました。それからすぐに「トラットリア ノラ・クチーナ」で求人募集があるのを見つけ、「パティシエ優遇」って書かれてたので、これは受けるしかないと(笑)。

 

地元食材のおいしさを生かした調理を心がける。

――「トラットリア ノラ・クチーナ」の料理のこだわりを教えてください。

長谷川さん:地元野菜などの食材にこだわっています。直接、葛塚市に出かけ、自分の目で鮮度などを確かめて食材の仕入れをしています。その際、農家の方から食材に対してのアドバイスをもらったりもしています。

 

――どんなアドバイスをもらうんでしょうか?

長谷川さん:いつが食べ頃だとか、煮たり焼いたりする場合は火加減や時間などをどのくらいにしたらいいかなどです。

 

――それは心強いですね。

長谷川さん:はい、とても助かってます。食材自体がとてもおいしいので、その食材を生かすように、極力余計な味付けをせず、シンプルな味付けを基本にしています。料理の中で伝えたいことは何かを考え、それが伝わるように調理するんです。

 

――そのほかに調理で気をつけていることはありますか?

長谷川さん:地元のお客さんは年配の方も多いので、パスタなどは喉通りをよくするためスープを多めにしてあります。

 

――地元のお客さんのことをとてもよく考えてるんですね。

長谷川さん:ご自宅でも豊栄の味を楽しんでもらいたいと、オードブルセットや窯焼きピッツァのテイクアウトもやっています。

 

豊栄の人に愛される地元密着型のお店でありたい。

――今までお話をお聞きして、豊栄の食材を大切にしているのがよくわかりました。

長谷川さん:豊栄のおいしい食材を多くの人に知ってもらうためにも、地元農家とのつながりを大切にしています。豊栄のよさを凝縮したようなお店。さらには、豊栄の人たちに愛される、地域密着型のお店でありたいと思ってるんです。

 

――地域密着型のお店ですか?地元食材を使うだけではないのですね?

長谷川さん:ピザ焼き体験やハーブ教室を開催したり、地元のイベントにも積極的に参加させてもらってます。また、地元小学校とのコラボメニューも開発したりしますよ。豊栄の食材を使ったメニューを地元の小学生が考え、「トラットリア ノラ・クチーナ」で商品化し、開発した商品を新潟伊勢丹などの催事で販売するんです。地元との連携も大切にしています。

 

これからも豊栄食材の魅力を伝えていきたい。

――地元豊栄と密に関わりながら、お店を運営されていますが、今後やってみたいことはありますか?

長谷川さん:大手の食品メーカーと豊栄の食材をコラボして、メニュー開発をしてみたいですね。大手食品メーカーのネームバリューを借りることで豊栄の知名度が上がり、地域全体が盛り上がってくれればいいなと思っています。それから、今年の1月にJR新潟駅南口に「トラットリア ノラ・クチーナ新潟鐙店」をオープンしました。そちらでも多くの方に豊栄食材の魅力を発信できればと思ってるんです。

 

 

地元・豊栄の食材にこだわり、豊栄のお客さんを大切にしている「トラットリア ノラ・クチーナ」。その立派な店構えから、敷居の高いレストランを想像していましたが、地元の人たちに気軽に立ち寄ってほしいという「地域密着型」のお店でした。これからも地元・豊栄のおいしい食材をアピールし、豊栄を盛り上げていく姿から目が離せませんね。

 

 

 

 

トラッテリア ノラ・クチーナ

新潟県新潟市北区葛塚3223

025-387-5200

11:00-14:30(L.O.14:30)/17:00-22:00(L.O.21:30)/無休

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