オーストラリアの食文化を届ける、ミートパイ専門店「SERVO」。
食べる
2023.02.15
新潟市西区に「SERVO(サーボ)」というミートパイのお店がオープンしました。ミートパイはオーストラリアの国民食のひとつで、牛挽肉などの具材をパイ生地で包んで焼き上げたもの。店主の渡辺さんはどんなきっかけでミートパイに出会ったのか、どうして日本で馴染みのないミートパイのお店をはじめたのか。いろいろなお話を聞いてきました。


SERVO
渡辺 雅之 Masayuki Watanabe
1990年新潟市生まれ。高校卒業後、ワーキングホリデーを活用してオーストラリアへと渡豪。鉄板焼店などで働き、就労ビザを取得して10年間滞在。帰国後は新潟市内の飲食店に勤め、2023年1月にミートパイ専門店「SERVO」を開業。趣味は音楽鑑賞。
絶品じゃないけれど、めちゃくちゃ美味しい。それがミートパイ。
――まず、はじめに聞いておきたいことがあるんですけど……ミートパイってどんな食べ物なんですか? ミートパイって言葉は聞いたことがあるけれど、イメージが結びつかなくて……。
渡辺さん:アップルパイの親戚みたいな食べ物だから、きっと名前は聞いたことがあるんですよね。ミートパイはオーストラリアの国民食で、ベーシックなものは牛肉、玉ねぎなどをパイで包んで焼き上げていますが、カレーなどを包むこともあります。自由なパイ料理ってイメージですね。
――なるほど。具材のバリエーションは幅広いんですね。
渡辺さん:はい。ビーフやチキンを使った食事系もあれば、リンゴとカスタードみたいなデザート系まで、いろんなバリエーションがあります。おにぎりというか、肉まんというか……外身は同じだけど、いろんな中身がある。そんな食べ物がミートパイです。
――ミートパイだから中身は肉、ってことじゃないんですね。面白いな~。
渡辺さん:中身のバリエーションが自由だからこそ季節を問わずにいつでも食べられるし、シチュエーションも自由なんです。高級レストランのコース料理みたいに絶品ってわけじゃないけど、めちゃくちゃ美味しくて、コンスタントに食べたくなる存在なんですよね。

――ミートパイって、日本ではあまりメジャーではないですよね。渡辺さんはどこでミートパイと出会ったんですか?
渡辺さん:高校を卒業してすぐにワーキングホリデーのビザを取得して、オーストラリアに行ったんです。渡航してからはいろんな仕事をしながら、セカンドワーキングホリデービザや学生ビザ、最終的には就労ビザを取得して、なんやかんやで10年間暮らしました。
――ふむふむ。
渡辺さん:オーストラリアではガソリンスタンドやコンビニ、カフェなど、どこにでもミートパイが売っていて、よく食べていました。だからミートパイと運命的な出会いがあったわけじゃなくて、10年間過ごしているなかで身近にあった存在なんですよ。
――オーストラリアで暮らしていたから、国民食のミートパイをよく食べていたと。なるほど。新潟とおにぎりみたいな関係性ですね(笑)。ちなみに、オーストラリアってどんな国でしたか?
渡辺さん:海があって、山もあるけど、都市もある。ちょっと新潟っぽい環境でした。あとは、多国籍な国だからいろんな国の食文化が混在していて……中国料理、アメリカ料理……いろんなレストランがあるのも特長のひとつだと思います。

目指せ、ミートパイ食べに行こうよ。
――そもそもどうしてミートパイのお店をはじめようと思ったんですか?
渡辺さん:日本に帰国して2年ぐらい経った頃、無性にミートパイが食べたくなったんですよね。それで自分で作ってみたら、思いのほか美味しくできちゃって。その頃、自分で飲食店をやりたいなと考えていたから、どうせなら新潟にないミートパイのお店をやろうと思い切ったんです。
――昔食べていたものが急に食べたくなる瞬間ってありますよね……わかります。いろんなミートパイがあるなかで、思い出のミートパイってありますか?
渡辺さん:シドニーに「Harry’s Cafe de Wheels(ハリーズカフェ・デ・ホイールズ)」という超有名なミートパイ屋さんがあって、ここで食べた「タイガー」ってミートパイは、めちゃくちゃ衝撃的でしたね。
――え? タイガー? 虎ですか??
渡辺さん:虎じゃなくてメニュー名です(笑)。パイの上にマッシュポテトとグリンピーマッシュ(マッシュしたグリンピース)がたっぷり盛られていて、さらにグレイビーソースがこれでもかとかかっている、そんなハチャメチャなミートパイが「タイガー」です。驚くほど美味しいから、シドニーに行ったら絶対に食べてくださいね!

――そこまで勧められると食べたくなりますね……。気になったんですけど、オーストラリアにはミートパイの専門店があるんですね。
渡辺さん:そうなんですよ。ハンバーガーやピザと同じぐらいミートパイは親しまれている食文化だから、専門店もたくさんあります。
――ってことは「ミートパイ食べに行こうよ」みたいな会話が日常ってことですか?
渡辺さん:はい。「ハンバーガーにする? ピザにする? 今日はミートパイにしよう」みたいな感じですね。この会話を新潟で作ることが「SERVO」としての目標でもあるんですよ。
――いいですね。新潟でも「ミートパイ食べに行こうよ」が浸透して欲しいです。いや、明日から使います(笑)
渡辺さん:ぜひ、お願いします(笑)

パジャマでも行ける、そんな場所にしたくて。
――ではでは、「SERVO」について教えてください。店名にはどんな意味が?
渡辺さん:オーストラリアのスラングで「ガソリンスタンド」という意味があります。ミートパイは専門店やコンビニでも買えるけど、ガソリンスタンドで給油したついでにレジ横から手に取って食べていた印象が強かったから、気軽に来て、気軽に食べてもらいたいという思いで付けました。
――ふらっと立ち寄れる場所っていいですよね。
渡辺さん:お洒落しないと行けない場所じゃなくて、パジャマでも行けちゃうぐらい気軽に行ける店にしたくて。だから朝でも、昼でも、夜でも、いつでも来てもらえるようにミートパイだけじゃなくてスイーツやコーヒー、ビール、ワインなんかも揃えています。
――お酒とミートパイの組み合わせは楽しそうですね。ミートパイの種類はどのくらいありますか?
渡辺さん:牛肉がゴロっとはいっているベーシックなミートパイが基本で、その他にラザニアやグリーンカレー、純日本カレーなどがあって、日替わりで2~3種類を用意しています。今後はもっといろんなラインナップが増えていくから、お楽しみに。

――メニューを聞くと、ますますお酒と一緒に楽しみたくなりますね(笑)。オーストラリアならではの食べ方があれば教えてください。
渡辺さん:ベーシックなミートパイを食べるなら、ケチャップを付けるのがオーストラリアスタイルです。しっかり味が付いているからそのまま食べても美味しいけれど、ケチャップによって別物になります。足し算じゃなくて、掛け算というか……騙されたと思って一度は試して欲しい食べ方ですね。
――ケチャップかー、試してみます。それでは最後に、これから「SERVO」をどんなお店にしていきたいですか?
渡辺さん:近所に住んでいる小学生がミートパイを食べて育って、大人になったときに「たまにミートパイが食べたいな」って思ってもらえる、そんなきっかけを作れる店になれたら嬉しいのと、自分自身がオーストラリアで食べてきたミートパイをメインとしたお店を作ったからには、「SERVO」を通してオーストラリアに興味を持ってもらえたら最高ですね。

【閉店】SERVO
新潟市西区寺尾前通1-5-5
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