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新潟では珍しい「ちゃんぽん」が看板メニューの店、新津の「おばな家」。

いろいろなものを混ぜ合わせることを、よく「ちゃんぽん」といいます。長崎の名物料理ちゃんぽんもその名の通り、いろいろな具材をごちゃまぜに炒めてトッピングした麺料理です。豚肉や野菜だけでなく、海鮮や練りものまで入ってボリューム満点。新潟ではまだ食べられるお店が少ない中、50年以上前からちゃんぽんを提供してきたのが新津の「おばな家」という食堂です。今回は三代目店主の吉田さんにちゃんぽんのこだわりやお店の歴史についてお話を聞いてきました。

 

 

おばな家

吉田 光義 Mitsuyoshi Yoshida

1975年新潟市秋葉区生まれ。アパレルショップ、パチンコ店、内装業者など様々な職業を経験。結婚を機に「おばな家」を手伝いはじめ、2019年より三代目店主として店を任される。ラーメンが好きでいろいろなお店を食べ歩いている。

 

最初は新潟の人たちに受け入れられなかった「ちゃんぽん」。

——「おばな家」の名物といえばちゃんぽんですよね。いつからお店に出しているんですか?

吉田さん:昭和43年に食堂として創業した頃からやっていたメニューなんですよ。新潟では馴染みのないちゃんぽんが当時は受け入れられなくて、「白いスープが気持ち悪い」とか「牛乳でも入れてるのか」とか、いろいろ言われていたみたいです。

 

 

——そこまで言われても提供をやめなかったんですね。

吉田さん:九州出身の初代店主が、ちゃんぽんを食べたくなっても新潟には食べられるお店が全然なかったので、ないんだったら自分の店で出すしかないということで続けていたようです。いつかはその美味しさがわかってもらえると、信じていたのかもしれませんね。

 

——それが今では、新津のソウルフードのひとつになっていますよね。吉田さんはお店を継ぐつもりだったんですか?

吉田さん:いや、そもそも僕はこの家の子どもじゃないんですよ。ここの娘と結婚して店を手伝うようになったんです。

 

 

——あ、そうだったんですね。それは失礼しました。ちなみに料理のご経験は?

吉田さん:まったくなかったんです(笑)。袋入りのインスタントラーメンしか作ったことがなかったから、最初にラーメンを作るときなんてスープにラーメンを入れて茹でようとしたほどなんです。それくらい料理の知識がなかったんですよね。

 

——それじゃあ最初は大変だったんじゃ……。料理は先代から教わったんですよね。

吉田さん:それがほとんど教えてもらえなかったんです。というよりも、職人の仕事なので見て覚えるしかないんですよね。感覚で作っているから分量もしっかり量っていないんですよ。それなのに突然作ったことのないメニューを振られたりするから「いやいや、作ったことねぇし」とか困惑しながら作ってました(笑)

 

——それが今では三代目店主として、お店を継ぐほどに。

吉田さん:はい、2年前に受け継ぎました。プレッシャーはありますけど、お客様に満足していただけるお店を目指して頑張ります。

 

コストや手間がかかっても、とことんこだわって作るちゃんぽん。

——「おばな家」のちゃんぽんは、どんなところにこだわって作っているんですか?

吉田さん:豚骨スープと合わせる調味料は長崎産にこだわっていて、50年前から変わらず同じものを使い続けています。商品よりも送料のほうが高くなりそうですけど、そこはこだわりもあるし、調味料を変えたことで味が変わってしまうのも怖いんですよね。

 

——味を守っていくのも大変なんですね。

吉田さん:そうなんですよ。麺も新潟ではうちしか使っていない特注麺を使っています。探せば似たような麺もあるんですけど、これもその特注麺をずっと使い続けているんですよ。

 

——材料を変えずに味を守り続けていると。

吉田さん:だからコストが結構かかっているんですよね。おまけにラーメンと比べたら具材が多い分、下ごしらえに手間がかかるので、これからちゃんぽんをやろうと思っているお店にはおすすめできないです(笑)

 

——(笑)。メニューを見ると、ちゃんぽん以外のレパートリーも広いですね。

吉田さん:これでも昨年移転したタイミングで、そばやうどんをメニューからごっそり削ったんですよ。前の店は全盛期に10人も料理人がいたほど厨房が広かったんです。でも今の店はコンパクトになったので、何種類ものスープを置いておく場所がないんです。その分、ラーメンメニューは増やしたんですけどね。

 

 

——おっ、洋食メニューまであるじゃないですか!

吉田さん:二代目は東京で洋食修行をしてきた経験があるので、洋食メニューも充実していて。食堂とは思えないレベルなんですよ。なかでもオムライスは人気がありますね。

 

 

——それにしても、以前は10人も料理人がいたってすごいですね。

吉田さん:近くには新津市役所もあったし国鉄もあったから、お昼になるとすごい数の人たちが一斉に押し寄せてきたらしいです。今はどっちもなくなってしまいましたけど、地元の方々が変わらずに来てくれるのはありがたいです。

 

——これからも新潟には少ない「ちゃんぽん推し」のお店として、美味しいちゃんぽんを食べさせてください。

吉田さん:ありがとうございます。今後は新しいちゃんぽんにも挑戦して、また少しずつメニューを増やしていきたいです。

 

 

おばな家

新潟市秋葉区新津本町1-6-13

0250-22-0239

11:30-14:00/18:00-23:00

木曜休

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