Things

誰でも食べやすい優しい味わいが自慢な「Patisserie Merrily」の洋菓子。

先日Thingsにご登場いただいたキックボクシングジム「不死鳥道場(ふしちょうどうじょう)」の塚野さんから、五泉でパティスリーをやっている弟さんを紹介していただきました。お兄さんが元キックボクサーなら、弟さんは現役の空手家なんだそう……。空手家が作るのは一体どんな洋菓子なのか? 興味津々で「小さなケーキ屋さん Patisserie Merrily」に伺うと、柔らかい笑顔を浮かべた塚野さんが待っていてくれました。

 

 

小さなケーキ屋さん Patisserie Merrily

塚野 広之 Hiroyuki Tsukano

1986年五泉市生まれ。地元の人気洋菓子店「ふりあん」や新潟市の「サンカントピュール」で18年修業を積む。2022年に五泉市で「小さなケーキ屋さん Patisserie Merrily」をオープン。高校2年生の頃から21年間空手を続けていて、全日本大会では4連覇を達成している。

 

可愛い洋菓子店のパティシエは、全日本大会4連覇の空手家。

——兄弟そろって格闘家のイメージとは違うんですけど、本当に塚野さんですよね。

塚野さん:はい、塚野です(笑)。兄が大変お世話になりました。

 

——こちらこそ、お世話になりました。塚野さんは空手をやっていて、全日本大会でも優勝されたそうですね。

塚野さん:2012年から2015年にかけて、4連覇を達成することができました。

 

——どんないきさつで空手をはじめたんですか?

塚野さん:キックボクシングをやっていた兄の影響が大きかったですね。空手の前にサッカーをやっていたんですけど、それも兄からの影響でした。兄がキックボクシングなら、僕は空手をやろうかなということで、地元にあった道場の門を叩いたんです。

 

 

——初めて空手をやってみて、どう感じました?

塚野さん:それまでやってきたサッカーは団体競技だったので、個人競技の空手は新鮮に感じて面白かったですね。ただ痛い思いもたくさんしました(笑)。スパーリングをやっていると拳の皮がむけてきて、血が出るんですよ。でも続けて皮が厚くなってくると、血は出なくなってくるんです。

 

——痛そうですね……。優勝するまでは大変だったんでしょうね。

塚野さん:僕は優勝するまでに5年もかかってしまったので、途中で「もうやめよう」と思ったことが何度もありました。でも悔しさをバネに兄と切磋琢磨することで、なんとか続けてこられたんです。先生からも「もう少しで掴めるんだから、自分を信じて稽古を続けるしかない」と言われて、諦めずに頑張り続けました。その言葉は今でも自分を支えています。

 

——やっぱり何事も続けることが大切なんですね。

塚野さん:7年前に膝の靭帯を切ってしまって、選手としてはお休みしていますけど、今でも週に1〜2回は道場に通って、先生のお手伝いをしながら後進の育成に力を入れています。いつか自分も選手として復活したいという夢はありますね。

 

空手と、お菓子作り修業の日々。

——空手をやってきた塚野さんが、どうしてお菓子作りをはじめたのか教えてください。

塚野さん:高校のときに自分の進路を考えるにあたって、手に職がついて、人から喜ばれるような仕事をやりたいと思ったんです。それで漠然とケーキ屋かパン屋をやろうと思っていました。

 

——なるほど。じゃあ、製菓系の専門学校で勉強されたんですね。

塚野さん:いえ、それが高校を出てそのまま洋菓子店で修業することになったんです。高校時代に友達の家へ遊びに行ったら、そこのおじいさんのところに「ふりあん」という人気洋菓子店の社長が遊びに来ていたんですよ。そこで友達を通して働かせてもらえないかとお願いをしたら「いいよ。来なー」と軽くお返事をいただいて、卒業後に働かせてもらうことになりました。

 

——おおっ、よかったじゃないですか。

塚野さん:ところが僕はぶきっちょで社長は厳しかったので、叱られてばかりで毎日辞めたいと思っていました(笑)。いいものを作れば褒めてもらえるんですけど、自分では何がいいものかさえ分からなかったんですよ。

 

——最初はそんなものかもしれないですよね。それから成長していったわけですね?

塚野さん:僕はコツを掴むまで時間がかかるんですけど、コツさえ掴めれば上手くできるようになるんです。たくさんの失敗があったおかげで、いろいろなことを勉強できたと思っています。

 

 

——洋菓子を作る一方で、空手の稽古に励んでいたわけですよね。仕事に影響はありませんでしたか?

塚野さん:真逆のことをしていたことが、かえって良かったんだと思います。気持ちを切り替えることができて、ストレス発散につながりました。

 

——いつ頃から独立について考えていたんですか?

塚野さん:30歳のときです。空手も30歳でお休みする決心をしました。

 

——独立するにあたって、どんなイメージのお店にしようと思いました?

塚野さん:店名になっている「メリリー」という言葉には「楽しく、愉快な」という意味があるんです。店名の語感から「メリーさんのひつじ」を連想したので、奥さんにひつじを使ったロゴを作ってもらいました。全体的にひつじのふわふわした、柔らかいイメージになればいいなと思いましたね。

 

——店舗作りについてはいかがですか?

塚野さん:白を基調に、明るく爽やかなイメージにしました。シンプルな分、ショーケースのケーキが映えて、入ってきた子どもが「わーっ」と喜んでくれたら嬉しいですね。

 

誰からも愛される、地元に根ざした洋菓子店を目指す。

——お菓子を作るときに、こだわっていることはあるんでしょうか。

塚野さん:子どもからお年寄りまでどなたでも楽しめるよう、クセの強い味や香りのものはなるべく使わず、後味がすっきりしたお菓子を心がけています。子どもが食べることも考えて、洋酒もできるだけ控えめにしているんです。

 

——他にも気をつけていることはありますか?

塚野さん:新潟は温度や湿度の差が激しいので、一年を通して同じ状態のお菓子を提供できるよう、気をつけながら作るようにしています。原料になる卵や粉は、夏と冬で状態が変わってしまうんです。だから当然、夏と冬とで作り方を変えるようにしています。

 

——塚野さんおすすめのお菓子を教えてください。

塚野さん:「いちごのショートケーキ」はぜひ味わってみていただきたいですね。ふわふわしたスポンジも生クリームもすっきり軽めに作っていて、ひとつ食べ終わった後でもまた食べたくなるようなケーキなんです。

 

 

——クリームやスポンジが重くないから、食べやすいんでしょうね。他にもおすすめはありますか?

塚野さん:「シュークリーム」や「クリームどろぼう」でしょうか。

 

——「クリームどろぼう」って何ですか?

塚野さん:シュークリームなんですけど、クリームをたくさん使い過ぎてすぐになくなってしまうから「クリームどろぼう」と名付けました(笑)。子どもたちには特に人気があるので、嬉しくてつい絞りすぎちゃうんです。オープンした当時よりもどんどんクリームが多くなっていっている気がします(笑)

 

 

——ネーミングもユニークで親しみやすいですね。生菓子以外だと、どんなお菓子があるんでしょうか。

塚野さん:五泉のお土産になるお菓子として「五泉サブレ」を作りました。できるだけ五泉の食材を使うようにしていて、「南蛮みそ」には地元の人気スーパー「エスマート」さんの南蛮みそを使っています。糖分を控えたい方のことも考え、ジャガイモのデンプン由来の甘味料を使って、低カロリーを実現しました。

 

——お土産になる商品って、いいですね。

塚野さん:五泉名物の里芋「帛乙女(きぬおとめ)」を使ったお菓子にも挑戦しようと思っているところです。手土産として持っていった先で、五泉をアピールできたら嬉しいですね。いつかは「五泉美人(ごせんびじん)」という五泉名物のレンコンでもお菓子を作ってみたいと思っています。

 

——それは楽しみですね。

塚野さん:地元の中学校で開催される文化祭への出店をお誘いいただいたり、小学校から職場見学の子どもたちが来てくれたりと、地元の皆さまに必要とされてることでやりがいを感じています。これからも地元に根ざしたお菓子屋さんとして、皆さまを支え支えられていきたいですね。

 

 

 

小さなケーキ屋さん Patisserie Merrily

五泉市五泉4305-2

10:00-18:30(土日曜は17:30まで)

水曜他不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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