シフォンケーキにこだわるあまりアイデア商品まで生まれた「petite・fleur」。
食べる
2021.11.25
阿賀野市に「petite・fleur(プチフルール)」という名の、美味しいシフォンケーキのお店があると聞いて、早速取材に出かけてみたのですが……。マップアプリの案内でたどり着いた先は、ラーメン屋さんでした。……おかしいな、とお店の周辺をぐるっと歩いてみると、なんと、ラーメン屋さんの横にくっつくように営業している小さなケーキ屋さんが! 今回は「petite・fleur」のオーナー・加藤さんから、お店のこと、シフォンケーキのこだわり、いろいろお話を聞いてきました。


シフォンケーキの店 petite・fleur
加藤 真奈美 Manami Kato
1968年江南区(旧横越村)生まれ。美容院や建設資材、建設機械の会社で働く。産業廃棄物の会社に勤めていたとき、新たにはじまった飲食部門に配属されて「シフォンケーキの店 petite・fleur」をオープン。2015年に独立する。休みの日もシフォンケーキの店を食べ歩いて研究している。
ラーメン店に横にくっついている、白い小さなケーキ店。
——お店がなかなか見つけられませんでした(笑)。まさか、ラーメン屋さんの横にくっついているとは……。
加藤さん:お客様にもよく言われるんですよ。「ラーメン屋さんのところまで来ているんですけど、お店はどこにあるんですか?」なんてお電話をいただいたりして(笑)
——どうして、ここにお店があるんですか?(笑)
加藤さん:勤めていた産業廃棄物の会社が、ラーメン屋さんを含めた飲食事業をはじめることになって、私が飲食部門の事務をやることになりました。そのとき社長に「シフォンケーキのお店をやらせてほしい」ってお願いしたらOKが出て、それでこの「petite・fleur」をはじめることになったんです。店舗がある場所は、もともと会社で経営している隣のラーメン屋さんの製麺室だったところなんです。

——製麺室……それでラーメン屋さんの隣にくっついているんですね(笑)。でも、どうしてシフォンケーキのお店をやりたいと思ったんですか?
加藤さん:以前ママ友さん手作りのシフォンケーキをいただいて、それがあんまり美味しかったので、それから自分でも作るようになったんです。私の作ったシフォンケーキを子ども達がとっても喜んで食べてくれる姿を見て、どんどんハマっていきました。そのうち自分の子ども達だけじゃなくて、もっとたくさんの人にも食べてもらいたいと思うようになったんですよね。
——なるほど、それで。
加藤さん:でも会社が経営する他の飲食店の経理も兼任していたので、お休みがほとんどなかったんですよ。もっとシフォンケーキ作りに本腰を入れたいという気持ちもあったので、社長にお願いして独立させてもらうことにしたんです。

失敗があるから成功の喜びがある、シフォンケーキ作り。
——シフォンケーキってちょっとパサパサしたイメージがあったんですが、こちらのはふわふわしっとりしていますね。
加藤さん:ありがとうございます。しっとりした食感にするために水分を多く入れるので、作るのが難しいんです。生地に水分が多いと流動性が起こりやすくなって「底上げ」や「焼き縮み」という失敗をしやすくなるんですよ。どちらもシフォンケーキの形が悪くなる現象なので、細心の注意を払っています。
——食感のために難しい作り方をあえてしているんですね。
加藤さん:小麦粉の扱い方も難しいんです。家でシフォンケーキを作っていたときはちゃんとできていたのに、お店で作るようになってから、ひどい焼き上がりになることがたまにあって。徹夜で調べたんですけど原因がわからなくて、悔し涙にくれたこともありました。原因に気づくまで、5年以上もかかったんです。

——いったい原因はなんだったんですか?
加藤さん:業務用の大きな袋で小麦粉を買うと、上の方と下の方で粉の状態が違うことがあったり、開封したばかりだと水を吸わないことがあったりするんです。それが原因でした。粉はすぐ使わずに、寝かせて状態を安定させる必要があるんですよ。特に収穫したばかりの粉は扱いにくいので注意しています。
——シフォンケーキって、シンプルなのに難しいんですね。
加藤さん:シンプルだからこそ難しいのかもしれませんね。同じ材料を使って、同じ分量で作っているのに、毎回同じものができない不思議なケーキなんですよ。小麦粉以外に加える材料によっても変わってきますし……。でも、失敗があるから成功の喜びもあるんですよね。

秘密兵器「カットアシスタント」誕生秘話。
——シフォンケーキだけじゃなくて、アイデア商品のようなものも売られているんですね。
加藤さん:それは「カットアシスタント」といって、私が考案したアイデア商品なんです。
——えっ、これ、加藤さんが考えた商品なんですか。いったい何に使う道具なんでしょう?
加藤さん:これを使うと自分で作ったシフォンケーキを、素早く綺麗に切り分けることができるんです。もとは自分のために考えた道具だったんですよね。せっかく綺麗にシフォンケーキが焼き上がっても、カットするときに失敗したら台無しなので、どうしたら早く綺麗に切れるのかを考えたんです。世間には似たような道具もあったんですけど、シフォンケーキ専用のものはなかったので、ケーキの上に乗せるとどうしても中心がずれちゃうんですよ。そこでシフォンケーキのサイズにぴったりハマるものを考えました。

——なるほど。それを商品化したんですね。
加藤さん:でも商品化するまでには苦労もあったんです。メールや電話でいろいろな加工業者に相談してみたんですけど、素人の戯言だと思われて全然相手にしてもらえなかったりして(笑)。そこで「にいがた産業創造機構」さんに相談したら、三条にある樹脂工業の業者さんを紹介していただいたんです。とても丁寧に私の話を聞いて、おまけに応援までしてくださったんです。
——商品は加藤さんが販売しているんですか?
加藤さん:お店やネット通販でも販売していますし、シフォンケーキを作る教室にも置いていただいています。それから厨房用品のお店が並ぶ東京浅草の「かっぱ橋道具街」でも販売していただいているんです。
——お話を聞いてきて、加藤さんの強いシフォンケーキ愛を感じました。
加藤さん:ありがとうございます。シフォンケーキを食べるひとときって、気持ちを切り替えることができる時間だと思うんです。「petite・fleur」のシフォンケーキが、皆さんのリラックスタイムのお供になってくれたらうれしいですね。

シフォンケーキの店 petite・fleur
阿賀野市保田3041-1
090-5532-9154
11:00-18:00
日月水金曜休
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