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健康志向のラーメンで地元を盛り上げる「Ramen DAISENMON」。

コロナ禍以来、いろいろな自粛で旅行や外食といった楽しみを奪われ、ストレスが溜まっている人も多いのではないでしょうか。そんなコロナ鬱を少しでも解消して、地元の人たちに楽しみを与えたいという気持ちから、昨年夏、五泉にオープンしたのが「Ramen DAISENMON(ラーメン ダイセンモン)」です。国民的人気アニメ「サザエさん」のBGMが流れる店内で、店主の伊藤さんからお話を聞いてきました。

 

 

グランシェア株式会社

伊藤 博之 Hiroyuki Ito

1982年五泉市生まれ。「グランシェア株式会社」代表取締役社長。東京でフリーターを経験した後、新潟に戻って電話会社に就職。働きながら夜間の専門学校に通って「柔道整復師」の資格を取得する。30歳で「風の丘接骨院」を開院。デイサービス、配食サービス、整体リラクゼーションと事業を展開。2021年8月に「Ramen DAISENMON」をオープンする。

 

ラーメン店の店主は、健康福祉事業の代表。

——今日はよろしくお願いします。まずは伊藤さんがこれまでどんなラーメンを作ってきたのか、修業時代のことも含めて教えてください。

伊藤さん:実は修業という修業はしていないんです。ラーメン作りの基本だけは東京にある知り合いのラーメン屋さんに教えていただいて、あとはほとんど独学で勉強しました。

 

——そうなんですか。じゃあ、お店をはじめる前はどんなことをしていたんですか?

伊藤さん:僕は「グランシェア株式会社」という会社の代表をやっていて、接骨院を中心にデイサービスセンター、配食サービス、整体リラクゼーションといった健康福祉に関わる事業を展開しているんです。

 

 

——へー、じゃあ本業は健康福祉事業なんですね。その仕事はどういういきさつではじめたんですか?

伊藤さん:きっかけは自分の体験からです。電話会社に勤めていたとき、長時間のデスクワークで座りっぱなしだったせいで、腰を痛めてしまったんですよ。整形外科医院や接骨院に通ったんですが、なかなか治らなくて辛い思いをしたので、同じように辛い思いをしている人を自分の手で助けたいと思ったんです。当時勤めていた会社は優良企業で、毎日定時で退社する生活を送れていたので、仕事上がりに夜間の専門学校に通いながら勉強して「柔道整復師」の資格を取りました。

 

 

——自分の辛い経験が元になっているわけですね。

伊藤さん:そうなんです。資格を取ってからすぐに「風の丘接骨院」を五泉で開院しました。開院前には100軒近くの接骨院を視察したんですが、なかなか自分が理想とする接骨院に出会うことができませんでした。ようやく理想的な「トリガーポイント療法」という手法に出会ったんですけど、新潟にはまだ取り入れているところがなかったので、大阪の接骨院に通って手技を会得しました。

 

——「トリガーポイント療法」というのは?

伊藤さん:痛みのある部分を解剖学的に分析して痛みを取っていく、どちらかといえば西洋医学的な考え方の療法です。その「トリガーポイント療法」を元に、しっかりと完治するまで患者様に寄り添う姿勢を心がけています。おかげで多くの患者様にご来院いただけるようになりました。

 

3年後に閉める予定の、期間限定ラーメン店。

——ところで、どうして健康福祉事業をやっている伊藤さんがラーメン店をはじめることになったんですか?

伊藤さん:コロナ禍で県外に遊びに行くこともできない状況の中で、近場で楽しめることを作れたらいいなと思ったんです。もともと僕はラーメンが大好きだったので、五泉のみんなにも美味しいラーメンを楽しんでほしいと思ったんですよね。だから商売としてはじめたわけじゃなくて、どちらかといえばボランティアに近い感覚ではじめました。

 

——なるほど。

伊藤さん:だから、このお店は3年で閉める予定なんです。「Ramen DAISENMON」という店名は「大泉門」という医学用語に由来しています。赤ちゃんの頭蓋骨に開いている隙間のことで、成長するにつれて狭くなっていって約3年で自然に閉じるんですよ。コロナ禍もそんなふうに収束してほしいという願いを込めて名付けました。

 

 

—— 期間限定のラーメン店なんですね。さて、ではメニューについても教えてください。

伊藤さん:鶏をメインに使った健康志向のラーメンです。遠出できない人たちに地元で楽しんでもらいたくてはじめた店ですから、県内ではあまり食べられないようなラーメンを提供しています。

 

——でも、ラーメンって健康とは真逆のイメージがあるんですが……。

伊藤さん:そうですね。健康的でありながら美味しい「医食同源」のラーメンを作るのは、とても難しくて苦労しました。ほとんど鶏のみでダシを取ったスープは高たんぱく低脂質で、コラーゲンがたっぷりと含まれています。それから血行を促進し発汗を促す生姜も使っています。塩分濃度は少ないのに、濃厚な味わいのスープになっているんですよ。麺には血糖値が上がりにくい全粒粉を使っています。

 

 

——へ〜。いろいろ考えて体にいいラーメンを実現したんですね。作るときにこだわっていることはあるんですか?

伊藤さん:臭みのないスープを作るために、鶏ガラの下処理を丁寧にやっています。

 

——伊藤さんのラーメンのおすすめは?

伊藤さん:「から揚げ 鶏ドロ」です。2日間煮込んだ濃厚な鶏白湯スープの「鶏ドロ」というラーメンに、から揚げをトッピングしたものなんです。五泉にはから揚げを含めた鶏料理の店が多くて、から揚げラーメンを出しているところも多いんです。「新潟5大ラーメン」のように、五泉のから揚げラーメンも有名になってくれたら嬉しいんですけどね(笑)

 

 

——五泉にから揚げラーメンの店が多いっていうのは、はじめて知りました。

伊藤さん:そうですよね。もっと発信していかないと知ってもらえませんよね。僕は五泉が大好きなんですけど、けっして楽しめるエリアではないと思っているんです。ラーメン店にしても居酒屋にしても選択肢が少なくて、決まった店に行くしかないんですよね。お店がもっと増えることで、楽しみも増えると思うんです。

 

——伊藤さんは五泉を盛り上げるために、何か考えていることがあるんですか?

伊藤さん:五泉を中心としたイベントに出かけて、キッチンカーを使ったラーメンの提供をしてみたいと思っています。気持ちが沈みがちなコロナ禍でもラーメンを楽しんでもらって、五泉を明るく盛り上げていけたらいいなと思っています。

 

 

 

Ramen DAISENMON

五泉市馬場町2-3-9

11:00-14:00

土日曜・祝日休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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